年別アーカイブ: 2007

インチキ占い師

仙台駅前に『中央通り』というアーケード街がある。休日になるとこの一角に、有名な「○○易断」と書いた垂れ幕が設置され、占い師が興行を始めるのだ。

学生時代のあるとき「どんなことが行われているのかじっくりと見てやろう」と考えた。私が足を止めると、なにやら地面に干支が書いてある紙を広げて演説を始めた。そのうち客がだんだんと増えていき、5分ばかりの間に10人以上の客が「何が始まるのか」と集った。

占い師が言うには、ここにいる客の干支を当てて見せるという。それはすごい。いくら外見で歳の見当がつくといっても、せいぜい5歳くらいの幅までだろう。これが100%当たる方法などこの世にあるのだろうか。そんな方法はとても思いつかない。もしすべて的中したらどうしよう、と内心かなり焦った。占い師は続けて「他の人にも当たったかどうかがわかるように、自分が後を向いているので、当てて欲しい人は皆に見えるように自分の干支を指してほしい」と言った。なんだ、そういうことか。
それで、3人ばかりが干支を指し終わると、占い師は向き直り、その客の手を握って、いろんな理屈を言いながらすべて言い当てた。

こんなもの、客の中にサクラがいてサインを送っているに決まっている。どいつがサクラだろうと考えてみると、私より先に足を止めていた客は一人しかいない。黒いコートの若い女性だ。それで、占い師が干支を当てている最中、彼女の顔をみると、なんとこいつ、占い師の方を見ていない。客の全員が興味津々で食い入るように占い師を見ているのに(わざわざ足を止めて見ているのだから当然だ)、彼女だけは退屈そうに他の客の顔など見ているのだ。こいつに間違いない。それにしてもプロ意識の低いやつだ。そして、占い師が占う段になると、右手の人差し指を鼻に当てた。やっぱり。二人目のときは、人差し指をあごに持っていき、その姿勢のまま私と目が合ってしまった。向こうも気まずかっただろうが、こちらもかなり気まずい。

これで占い師は自分の能力について客を信用させることにまんまと成功したわけだ。占い師は続けた。「この中に、お金のことで悩んでいる人がいる。プライバシーの問題があるので誰とは言えないが先ほど皆さんの手を握ったときに、その人だけ特別強く握ったのでわかるはずだ。」という。「お子さんのことで悩んでいる人もいるぞ」などと適当なことを言っている。それらの悩みを今日は無料で見てあげるという。無料なら私も見てもらおうと思い(もちろん、どんなデタラメを言うのか確認するためだ)、すっかりその気になっていると「ただし真剣な人に限る。冷やかしだけはお断りしたい。それで、冷やかし防止のために1000円だけ負担してほしい。今日はあちらの幕の中に東京から偉い先生がいらっしゃっているが忙しいので早い者勝ちで数名にさせてほしい」と言って棒を客に突き出した。すると客のほとんどが本当に争ってその早い者勝ちの棒を手に取ったのだった(もちろん黒いコートの女性は真っ先に取った。見てなかったくせに)。こうして彼らは15分ばかりの間にまんまと一万円近くをせしめたのであった。見事だ。多分これを一日に10回ぐらいやるんだろう。

占い師が話をしている間に、幕の中の「東京から来た偉い先生」をこっそりのぞいてみた。そこには、パンチパーマに薄いサングラスをかけた男が、革ジャンパーを着て寒そうに背中を丸めて、小さな折りたたみ椅子に座っていた。うーん、わびしい。これも人生だなあ。

韓国レストラン

2001年にドーサンに手坂と出張で一ヶ月ぐらいきたときに、韓国レストランを見つけた。当時、韓国雑貨店はあっても韓国レストランの存在までは知られていなかった。ある休日の昼に韓国雑貨店に買出しに行くと、ブレアという職場の同僚とばったり会った。ブレアは奥さんが韓国人なので雑貨店にきていたのだ。たまには中華でもアメリカンでもないレストランに行きたいと思っていた私と手坂は、ダメ元で聞いてみるとなんと韓国レストランを知っているという。それで、地図を描いてもらって見つけたのが最初に知った韓国レストランである(これはかなり山奥だったが、その後、もっと近くに2軒でき、韓国雑貨店にも併設されたので、今では合計4軒が知られている)。

そこには焼肉、ビビンパなどがあるのだが、なんといっても美味しいのがキムチチゲだ。日本で出されるものと違って酸っぱいところがよい。酸っぱくて熱くて(なにしろ沸騰しながらやってくるのだ!)辛いので最初は抵抗があるのだが、慣れると食べずにはいられなくなる。手坂は汗だくになってこの激辛のキムチチゲをハナをかみかみ食べたのだった。

夕飯は生牡蠣がとっても美味しく、おそらくドーサンでもっとも人気の高いレストラン『ハンツ』に行った。私はもともと生牡蠣は嫌いで食べなかったのだが、赴任者に勧められて食べたところ、日本のと違って生臭くなく、とても美味しいのだ。日本で牡蠣が好きな人は逆にこちらのは味がしないといってイマイチらしい。道理に合っているところが嬉しい。

その夜、手坂を激しい下痢が襲った。心当たりは二つある。激辛キムチチゲと生牡蠣だ。それで次の週、私は手坂に対照実験を命じた。キムチチゲを食べて生牡蠣を食べないのと、キムチチゲを食べずに生牡蠣を食べるのとをやらせてみたのだ。出張のつらさを紛らわす、ささかやな遊びである。その結果、手坂は生牡蠣を食べると腹を壊すことがわかった。その後も手坂はハンツの生牡蠣の美味さに見せられ、出張にくるたびに下痢を覚悟で食べ続けている。手坂家の絶滅が心配である。

謎の卓球集団

昨夜、会社の日本人赴任者の飲み会があった。インチキ日本料理店MIKATAで寿司やら炒め物などを食べた。店を出てからブログのネタにと店構えを撮影していると、赴任者たちが「我々のことはいつブログに載せてくれるのか」と言う。いつと言われても、卓球に関係もなく、面白いネタもなしにただ知人を載せるなどということはできない。「いつもどうでもいい個人的な写真を載せてるくせに」と言われそうだが、いちおう私としては第三者が見て面白いだろうと思うことを選んで書いているつもりなのだ。

どうも彼らにはそう思えていないようで、「載せろ載せろ」と酔った勢いで言う。そこで私は一考を案じて「全員で卓球の素振りをしてくれるなら載せてもいい」と言った。そこまでして卓球王国のブログに載りたい奴らがこんなにいるということなら、それはそれで少しは面白いだろう。

かくして卓球など知らない彼らは、各々が思い描く卓球のテイクバックとフォロースルーを嬉々としてやったのだった。左利きの宏之さんがちゃんと左で振っているところが律儀である。また、中央奥の上関さんはさすがに中学で卓球部だっただけあり、左足のつま先の向きが他のメンバーとは一線を画している。横シマ模様の大場さんはひざの曲がり具合が完璧で、左つま先の向きもいい線いっている。右端のアキラ君も中学のときに卓球部だったはずだが、左つま先の向きが違うのは極めて遺憾である。そのうち指導せねばなるまい。

左端の藤原くんは9月に赴任してきたばかりで、私が卓球を誘うと「卓球は医者に止められています」とわけのわからない言い訳をして拒否をする。どこにそんな病気があるのか知らないが、少なくともフォームは治療の必要がありそうだ。

ハロウィン

10月31日はハロウィンであった。日本でも、かぼちゃをくり抜いた人形などで有名であるが、実際に行事を見るのははじめてだった。

由来を聞くと、死者の霊だか悪霊だかが帰ってくるので、それに備えて仮面を被ったりして扮装するのだという。なんだか日本のお盆とナマハゲの混じったようなものなんだろう(そういえば、8月頃「アメリカにはお盆はないのか」と聞いてきた知人がいた)。死者の霊に備えるにしては、店で売っている扮装が魔女、怪物、13日の金曜日のジェイソンなどで、どちらが悪霊かわからない。そもそも悪霊が何かを怖がるとも思えない。仲間のふりをして油断させようということか。

当日は、扮装をした子供たちが家々に押しかけて「trick or treated(お菓子をくれないといたずらするぞ)」と言ってお菓子をもらうらしい。玄関にハロウィンの人形が置いてあるとお菓子を用意している印だそうだ。もしお菓子をあげないと生卵をぶつけられるのだという(これが「いたずら」だ)。まあ、いやなら玄関を開けなければいいだけのことなので別に強制ではない。我が家の子供達もあちこち回ってお菓子をもらってきたようだ。

ハロウィンの飾りつけは何週間か前から家々でやられていたのだが、中には単なる人形だけではなくて、妙に凝ったものがある。家の庭に墓地を作ってみたり、幽霊どうしが手をつないで踊っているようすを飾ったりだ。もう元の由来などどうでもよくて、とにかく不気味な物ならなんでもいいとばかりに飾りつけているようである。

大食いの手坂

痩せの大食いというのがいる。たくさん食べているのに痩せているということは、エネルギー保存の法則から考えれば、二つの原因が考えられる。異常に熱を外部に発しているか、多量に排泄しているか、つまり大便を大量に出しているかだ。通常、こんなことは人に聞けないのだが、誰もが抱いている疑問だと思う。

元の職場の後輩に手坂という奴がいる。これが典型的な痩せの大食いで、よく食べるのだが、太らないどころか最近では少しづつやせてきているという。それで聞いてみると、やはり大量に出すのだそうだ。特に下痢をしているわけでもないのに日に2、3回、しかもたっぷりと出すのだそうだ。当然、最初のころは奥さんから「どうしてそんなに出るのか」と聞かれたそうである。それほど極端なのだ。
手坂という名字は本人の希望があって仮名だが、本名も聞きなれない名字で、全国にも50件もないという。名字博士という興味深いサイトを見つけた。そこに名字のランキングがあるのだが、彼の本名は1万位までは載っていなかった。http://www.alles.or.jp/~tsuyama/name.htm

食べても太らないというのは、現代では良さそうだが、生物としては効率が悪いのだから当然、良くないことだ。飢饉にでもなったら真っ先に飢え死にするだろう。食っても食っても出るのだから当然だ。おそらく手坂の先祖たちは、飢饉のたびに絶滅していたものと思われる。「それでお前の名字が少ないんだろう」とからかっていたものだ。しかし、現代の日本の名字など、明治維新のときに皆で勝手に名乗ったものらしいし、明治以降は飢饉はないので、真偽のほどは不明である。しかし話としては、そういうことにしておいたほうが面白かろう。

このブログのこと

このブログがどれくらいアクセスされているのか興味のある人もいるだろう。編集部から教えられたURLにアクセスしてパスワードを入れると、アクセス数がわかり、日ごとに棒グラフで出てくる。それによると、一日の平均アクセス数は次のようになっている。

8月 181件
9月 196件
10月 203件

最高は10月中ごろの295件である。2番目の記録が249件なので、その日に何か特別な理由があったのだと思われるが、見当がつかない。誰かがリンクを貼ったのだろう。

特にアクセスが多い曜日は決まっていないが、総じて土日は少ない。また、3連休になるともっと少なくなる。多くの人が会社や学校からアクセスしているものと思われる。

卓球王国自体の一日のアクセス数がだいたい2000~3000件であることを考えると、このブログを読む人は10人に1人もいないことになる。日に200件も読んでくれる人がいることは嬉しいような気もするが、卓球王国という大きな媒体を使っているのにこの程度だと思うと、やはり寂しい。

200件といっても、おそらく編集部の20人が2回づつ見て40件、元の職場や今の職場の連中がだいぶ見ているらしいので50件ぐらい(卓球にぜんぜん興味がない人のアクセスなので卓球王国にとっては無意味だ)、さらに2番弟子の田村が日に5回はアクセスしているらしいので、だいたい100件ぐらいは内輪のアクセスということになる。

正味100件が本当の一般の人のアクセスなのだ。やはり寂しいが、書くことは楽しいので続けていこうと思う。卓球王国のサイトなのに卓球ネタが少ないのは、限られた卓球ネタを雑誌連載のためにとっておきたいからだ。まさか卓球王国でハゲや小便やビートルズのことを書くわけにもいかないからである。

ドーサンのパトカー

ここドーサンは、遊ぶものや歴史などはないが、こと安全に暮らすことにかけてはとても快適なところである。市民に対する病院の収容力も高いし犯罪も極端に少ないらしい。

犯罪が少ない理由として考えられるのが、人の良さとか貧困層の少なさとともに、パトカーの多さがある。とにかく町中にパトカーが多いのだ。いったい市民の何割が警官なんだ?と言いたくなるほどである。

レストランにパトカーがとまっているのを見て、最初の頃は何か事件でも起きたのかと思っていたのだが、何のことはない、警官が制服のまま飯を食っているのだ。レストランでそれを見つけたうちの息子たちは「ピストルだピストルだ」と大騒ぎだ。「それは英語だから聞こえるように言うなバカ!」と叱りつけてやった。

住宅地にも警官が昼飯などを食べにパトカーで自宅に戻るので、あちこちの家にパトカーが停まっている。日本なら職権乱用だと問題になりそうだが、こちらでは堅いことは言わないのだ。それに、住民にしてみれば安心感があるだろう。パトカーにカメラをなど向けていると撃たれそうなのでこっそりと撮影して逃げるようにその場を立ち去った。

ドーサンならではの実に興味深い光景である。

スタン夫妻、日本へ行く

こちらで知り合った卓球仲間のスタン夫妻が、月末から日本へ行く。奥さんが郁美さんという日本人で、北九州の実家に一ヶ月の里帰りをするためだ。

最初の5日ぐらいは東京に滞在して郁美さんの旧友などと会い、その後北九州市に行くのだという。里帰りの目的は、郁美さんのお母さんの具合がよろしくないためとのことだが、スタンは生れて初めての日本で、隙あらば東京や九州で卓球をしたいと意気込んでいる。

そこで、東京在住の卓球仲間に相談したところ、「中央区総合スポーツセンター」というところを紹介してもらったので、教えておいた。また、卓球王国のインフォメーションで紹介されている『ストリートピンポン』のイベントも紹介しておいた。

次に九州である。郁美さんの実家に近いところで練習に入れてくれそうなところをネットで探した。なにしろスタンはヘタをすると毎日でも練習しかねないので、週1回の社会人のクラブでは物足りないかもしれない。高校の卓球部は管理が厳しい。そこで、大学の卓球部をあたることにした。

そして「北九州市立大学卓球部」のサイトhttp://kitakyu-fight.com/blog/が見つかった。郁美さんの実家にも近い。さっそく主将の小川裕司さんという方にメールで事情を説明すると、嬉しいことに「部員たちもスタンを歓迎する」という返事がきた。大学生の実力からすると、おそらく年配のスタンでは相手にならないだろうと思われるにもかかわらず、受け入れてくれるとは本当にありがたいことである。これを機会に親交を深めてもらいたいものだ。スタンも一生の思い出になることだろう。

こうして、日本全国どこでも卓球クラブがあるのだから、やはり日本は卓球大国である。
ちなみに、郁美さんは中学のときにたまたま卓球部だったが、卓球には特別な思いはない。スタンを初めて知人から紹介されたとき「ええ~?アメリカ人でたっきゅう~?」と思ったそうである。アメリカ人で卓球を競技としてやる人はきわめて希である。しかし、2時間車を運転しないと練習相手がいないという、その環境の中で続ける人というのは、逆に手のつけられないのめり込みようなのだ。家でも目を離すと卓球のビデオを見ているという。

ちなみに私の妻も中学のとき卓球部であるが、これもたまたまである。私の卓球へののめりこみ方に辟易し、今では「卓球の話はいっさい聞きたくない」と言われるまでに至っている。スタンと私の人徳の差であろう。

弁当の話

昨夜、職場の上司であるジョンの家に招かれて、家族で夕飯をいただいてきた。大変おいしいステーキを出されてとても幸福なひと時を過ごした。

そこでジョンが日本に出張したときの話をきいた。パン屋に行って自分でパンをトレイに入れて買うのがとても楽しかったとのこと。匂いも良いしどれもこれも美味しそうで、喜んでホテルに帰ってかぶりついたら、中にアンコが入っていて吐き出したそうだ。「やっぱりアンコは食べられないんだな」と思ったら、ちょっと事情が違うようだ。彼が言うには、チョコレートだと思って食べたのがアンコだったからまずかったのであり、最初からアンコだと知っていれば食べられるという。奥さんも問題ないそうだ。もしかすると、アメリカ人がアンコがダメだというのは、こういう「不意打ち」に限った話なのであり、イチゴジャムの瓶に入っていた筋子をイチゴジャムだと思ってパンに塗って食ったのと同じ種類の不快さというだけのことなのかもしれない。

ジョンの奥さんが新聞を持ってきて「ここに書いてあることは本当なのか」と聞いてきた。そこには、日本の母親は弁当でさまざまなデコレーションをして人の顔を描いたりすると書いてあった。私は「ある程度はそういう傾向はあるが、こんな写真は普通ではない」と答えた。そして、タイミングのよいことに、ちょうど昨日、私の弁当を写真に収めていたので、それを見せてやった。

私は毎日妻に弁当を作ってもらっており、それを食べながら昼休みにこのブログを書いているのだが、昨日の弁当はなんと、パンケーキが数枚だけであった。何もはさんでいないし他におかずもない。写真の通りなのだ。アメリカ人の弁当が非常に簡素なのをいいことに、妻はアメリカに来てから弁当をここぞとばかりに簡素にしだした。その簡素さぶりに、これまでも度々驚かされたことはあったが、さすがに昨日のは新記録である。これ以上の簡素化はちょっと思いつかないのだが、これより上が今後あるのだろうか。楽しみなような怖いような。

レーティングを日本に入れよう

今月発売の卓球王国でも書いたが、アメリカ卓球界には選手の強さを数値で表すレーティングというものがある。カナダやオーストラリアなど、他にも導入しているところはあるのだが、日本では誰がやるのかということを含めて、導入は難しいと考えられていた。

ところがスティガのサイトhttp://www.ratingscentral.com/で、世界中の誰でも勝手に選手と試合結果を登録するとレーティングが計算されるサイトがあるのだ。実際、すでに彼らは手に入る試合結果を片っ端から入力しており、すでに世界中の一流選手に勝手に独自のレーティングをつけてしまっているのだ。システムを作ったデビッド・マーカスに「これはITTFや選手は知っているのか」と聞くと、「彼らは我々の存在さえ知らないだろう」とのことだ。ヒマなひとがこれにどんどん日本中の試合結果を入力していけば、理論的には世界基準と統一のとれたレーティングが日本全国の選手に与えられることになる。なんだかネズミ講のようだが、選手としての大成は期待できないが卓球への情熱があってヒマで英語のできる大学生あたりにぜひともトライしてほしい。

誰でも入力できるというのは実はウソで、まず事務局と連絡をとってその資格を得ることが必要だ(それを含めてサイトに説明が書いてある)。じゃないと、中にはいたずらでデタラメを入れる人だっているかもしれないからだ。さらに、もしレーティングがない人だけの試合の結果を入れる場合には、どれくらいのレベルがどれくらいのレーティングなのかおおよその見当をつけて入れる必要があるので、その眼力が必要である。若干ずれていたとしても、それはその後の試合の入力でどんどん修正されていくので最後にはかなり正確なレーティングになるはずだ。

このサイトには丁寧にも見本としてレーティング別に選手のプレーの動画がアップされている。その動画を見て、選手のレベルの違いが皆目検討がつかないような人は、入力はあきらめたほうが良い。レーティングが1500ぐらいの人たちが一見派手なプレーをしているのを見て「こりゃあ、馬琳ともいい勝負かもな」なんて考えていきなり3000とか入れられても困るのだ。

インターネットなくしては絶対に不可能な素晴らしい試みだ。レーティングができれば楽しい。知らない人と卓球の話をするとき「あなたのレーティングは?」という挨拶から話が始まるだろう。素晴らしい。