月別アーカイブ: 9月 2009

ビートルズマニアの世界

ビートルズのマニアの世界をご紹介しよう。私もビートルズマニアだと思うが、上には上がいるもので、もうぜんぜん敵わないマニアたちがこの世界にはいるのだ。

私が尊敬しているビートルズ研究家にマーク・ルイソンという人がいる。この人は本当にすごい。まずこの人、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが初めて出会った日を特定したことで有名になったというのだからなんともはや(笑)。二人が出会ったのは、ある教会のバザーでジョン・レノンが自分のバンドでコンサートをしたときだというのがそれまで分かっていたことだったが、それがいつだったかは長い間、知られていなかった。マーク・ルイソンは、その地域で発行されていた小さなチラシみたいな新聞を丹念に調べ上げることを思いつき、その結果、該当する日が1957年7月6日しかないことを発見した。それ以来、あらゆる資料には、この日が二人が出会った日として公式に採用されるようになった。

彼の書いた本、『レコーディング・セッション』がこれまたすごい。マーク・ルイソンの情熱はビートルズ関係者にも認められており、彼は、残された何百時間というすべての音源を聞くことの許されたビートルズ関係者以外で唯一の人物である。その立場を利用して書いたのがこの本だ。

なんとこの本には、ビートルズがスタジオに入って録音したすべての日の録音内容が克明に記録されている。ただ詳しいだけの記録なら、実はそう面白くもない。ところがこのマーク・ルイソン、抜群に面白く書く才能があるのだ。だから、こんな気が狂ったように詳細なレコーディング記録集でも、とても面白いのだ。しかも驚くような新しい発見に満ちている。名作『ラバー・ソウル』の題名の由来は長い間メンバーも語らず謎とされていたが、これを解明した下りもこの本に記されている。ある曲の演奏の後に、ポール・マッカートニーが他のメンバーに向かって「黒人ミュージシャンがローリングストーンズのミックジャガーのことを偽物のソウルという意味でプラスティック・ソウルとバカにしている」と話していることを発見したのだ。これをもじって『ラバー・ソウル』としたという発見が、これまた彼の仕事なのだ。

まったく素晴らしい、マニア必携の一冊だ。

これはスタジオでのレコーディングだけに関した本だが、マーク・ルイソンは、この後、ライブやその他の活動を含めた『ビートルズ全記録』という上下2冊の大著も出している(笑)。まったくとんでもない奴である。

足の指

昨日の朝、更衣室でヘイステンという人が、足の指が分かれている靴下を履いているのを見た。ヘイステンはこれをtoe socksと言った。toeといえばつま先だとばかり思っていたら、そうではなくて足の指のことだという。

英語では手の指はfingerだが、足の指はtoeであり、fingerとは言わないのを初めて知った。日本語では同じ単語を使うのに英語では別の単語があるというのは他にもあるだろう。

その逆もある。たとえば兄、弟だ。英語では兄はolder brother(年長の兄弟)という説明的な熟語が必要であり、兄を一言で表す言葉はない。年功序列がない文化だから兄と弟を区別する必要がないのだろう。また、日本では水と湯があるが、英語ではどちらもwaterであり、温度の違いを表すためにはhotとかcoldとつけるしかない。

カブトムシは英語でbeetleだが、beetleを辞書で引くと、クワガタだろうがカナブンだろうがああいうのを全部ひっくるめてbeetleなのだからがっかりする。たぶん、マニア以外は昆虫にあまり興味がないのだろう。もっとも日本人だって、もしカブトムシやクワガタといった魅力的な虫がいなくて、カナブンやゲンゴロウばかりだったら、区別する名前をつけずに「甲虫」ですましていたかもしれない。

ビートルズのリマスター盤が届いた

宮根さんよりだいぶ後に注文したのに、結局、同じ日に届いたので、宮根さん、かなり悔しそうだ。

さっそく聴いてみたが、実感したのは、やはり音楽にとって音質はさほど重要ではないということだ。音は良くなったのだろうが、旧盤と聴き比べるつもりはない。聞き比べなくてはわからないような違いがわかったところでどうだというのだ。声がクリアになったとかベースの音の輪郭がはっきりしたという程度のことは、もともとビートルズの音が持っていた魅力に比べれば小さなことに過ぎない。リマスターではなくてリミックスでもしてくれたというなら買ってやってもいい(もう買ったけどな)。

結局、音質はどうでもよく、あらためてビートルズの曲を聞き込むことになった。解説と付録DVDとボックスのために買ったようなものだが、まあ、それでいい。それにしても、この会社にいる日本人14人のうち、2人も買ったのだから売れるわけだ。

ついでに、ビートルズ初心者であるアキラくん用にベスト盤CDを作って宮根さんに披露すると、宮根さんも別のベスト盤を作る意気込みだ。どちらがアキラくんの気持ちを動かすか勝負だ。二人で若いアキラくんを取り合っているような気分だ。

値段とカロリー表示

アメリカの巨大スーパーである、ウォルマートでは、食品の値段表示がなかなか面白い。普通の値段の他に、内容物の重さ(オンス)当たりの値段が表示されているのだ。だから、大きいサイズの袋を買うと割安になるということが数字で分かる。これは便利な表示だ。

こういうところは厳密なくせに、カロリー表示になるととんでもない欺瞞がまかり通る。それぞれの袋にカロリーが書いてるのだが、それは袋全体のカロリーではなくてserving当たり、つまり「1食分」のカロリーなのだ。そして困ったことにこの1食分というのは特に明確な規定がなく、食品ごとに勝手に決めてよい量なのだ。たとえば、バカでかいポテトチップスの袋に150カロリーと表示してある。よくみるとこれは1食分が150カロリーということであり、別の段にポテトチップス15枚で1食分と書いてある。そして、この袋は全部で11食分であることも書いてある。つまり本当はこの袋は全部で150カロリー×11食=1650カロリーなのだ。すべての飲食物のカロリー表示がこの調子で、一見すくないカロリー表示がされていて、全体のカロリーは計算しないとわからないようになっているのだから、まったく油断も隙もない。

これら、重さ当たりの表示、少なめのカロリー表示は、とにかく客に多く買わせたいという共通した目標に貫かれている。

ビートルズの曲の人気投票

日本ではビートルズのリマスター発売ということでずいぶんと大騒ぎをしている様子がネットから伺われる。NHKでも特集をやったとかで、何事かと思う。ファンじゃない人はさぞ冷めた目で見ていることだろう。まあ、ゲームに興味のない私がドラクエだのXboxだのの発売の大騒ぎを見るのと同じようなものだろう。

興味深かったのが、ネットで行われたビートルズの曲の人気投票の結果だ。http://event.yahoo.co.jp/beatles/vote/index.html
それによると、1位はダントツで「レット・イット・ビー」、2位が「イン・マイ・ライフ」、3位が「ヘイ・ジュード」だという。これは、一番好きな曲というよりは、知っている曲を投票した結果だと思われる。いわゆるビートルズファンで、「レット・イット・ビー」や「ヘイ・ジュード」が一番好きということは、経験上、まず考えられないからだ。

これも、知名度を反映した国民投票には違いないが、これなら、やるまでもないような気がする。

投票の前にビートルズに関連する最低限の知識の問題に答えないと投票できない、ビートルズファンだけの人気投票をしたら一体どんな結果になるのか興味深いところだ。とはいえ、自分なら何に投票するかと考えてみると、到底決めることができず、投票できないような気もする。「オール・マイ・ラヴィング」「ヘルプ!」「アンド・ユア・バード・キャン・シング」「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の優劣などどうやってもつけられないし、もっとも好きなアルバムはこれらのどれもが含まれていない『ラバー・ソウル』なのだから、まったく呆れるほど巨大なグループである。

ここドーサンのスーパーではリマスター盤が$14ほどでひっそりと売られていたが、足を止める人はいなかった。

自傷行為

自傷行為といっても、精神病のことではない。昔から間抜けな動作で怪我をすることがあるのだ。

ランニングをしているときに、なぜだか右手の親指が目に入ったり、力を入れて頭を洗っているときに指が頭蓋骨の目玉の穴に滑り込んだりと、いろいろある。あるときなど、急いで部屋を出るときに、後手で思いっきりドアを閉めようとしたら、まだ部屋の外に出ておらず、顔をドアにしこたまぶつけた。どれもこれもとても痛い。

一昨日の明け方のことだ。夢の中でネズミを見つけて右足で思いっきり蹴ったのだが、激痛で目が覚めた。壁に足の裏をつけるようにして寝ていて、そのまま蹴り上げたものだから、窓枠の出っ張ったところに右足の親指を思いっきりぶつけ、つめが全部剥がれてしまった。あとで窓枠のところを見ると、キズと血がついていたのがなんだか可笑しい。もちろんとても痛いが、我慢できないほどでもないし、小指を詰めるヤクザのことを思えばなんでもないだろう。

それで、一昨日からびっこをひいて歩いている。もし卓球選手だったら、到底試合はできない。こんなことで試合をできなくなったのでは悔やまれる。くれぐれも卓球選手は夢の中で何かを蹴ったり叩いたり飛び降りたいしないようにしてほしい。また、固いものの近くで寝ないようにしてほしいものだ。

ソイビーンズ

SOY JOYなどというダイエット食品があるので、誰でも知っていると思っていたが、知らない人もいるようなので書いておく。

SOYとは大豆の意味のSOY BEANSからきているが、このSOYとは実は日本のしょうゆ(醤油)の訛ったものなのだ。アメリカでは醤油のことをSOY SAUCE(ソイ・ソース)と呼び、どこでも売っているほどポピュラーだ。大豆は醤油ができる豆だからソイ・ビーンズ、つまり醤油豆と呼んでいるというわけだ。

それでは、アメリカで醤油がポピュラーになる前は大豆のことを何と呼んでいたのだろうか、それとも大豆はなかったのだろうかという疑問がわく。これについては、アメリカには元から大豆はあったものの、特に食用とは考えておらず、ポピュラーな呼び名がなかったというのが一般的なようだ。

ビートルズを熱唱

またひとり赴任者が帰国することになったので、送別会を行った。そこで、ボブというギターの得意なアメリカ人にビートルズを歌えと言われたので、涙の乗車券を歌った。ウケを狙おうとして写真のような扮装で歌ったのだが、顔の大きさが合っていないのでなんだか気持ちが悪い。

歌はキーが高くて声が出ず、最悪だった。

このボブはまだ20代なのに70年代の音楽が好きで、レッド・ツェッペリンの熱狂的なファンで、この後、ひとりでしきりにツェッペリンのギターのリフを弾いていた。

このあたりではカントリー・ミュージックがポピュラーなのだが、ボブにカントリーの定義を聞いてみたら面白い答えが返ってきた。カントリーは、いつも何かを失うことを歌っているのだという。女に逃げられた、家を失った、車を失った、金を失った、こういう歌詞がカントリーの特徴だというのだ。これにマンドリンだかが加わると完全にカントリーなのだという。なんだか面白い。

ゴミ収集車

ここいらのゴミ収集車の様子を写真に撮った。
家の前に所定のゴミ箱を置いておくと、ゴミ収集車がやってきて、ニュッと突き出した腕でゴミ箱をつかんで逆さにして揺すり、ゴミをトラックに積むのだ。なんとも豪快だ。

団地などには4畳半くらいの大きさのゴミ箱があるのだが、なんとそれも専用の腕のついたゴミ収集車がきて逆さにしてガンガンと揺すってゴミをトラックに積むのだ。赴任したばかりでまだ共同住宅に住んでいた頃、真っ暗な朝の5時頃にものすごい音でこれをやられて飛び起き、走り去るトラックの姿を見て、車泥棒だと思って警察に通報をしたのが思い出される。

同居人をたたき起こしてパスポートを用意させて駐車場に行くと車は盗まれておらず、ゴミ収集車だと気がつき、大慌てでまた警察に電話をすると、さっき「すぐに行く」と言ったくせにまだ出ていなかった。ぜんぜん真面目に対応されてない。

私のような愚か者の通報に対処するためにはそれがベストともいえよう。

右脳、左脳論

面白い記事を見つけた。
http://www.excite.co.jp/News/economy/20090907/Itmedia_makoto_20090907040.html

ビジネスマンの右脳型人間と左脳型人間の年収を比較したというのだ。何が面白いって、この統計の取り方が面白い。そもそも右脳型とか左脳型というのは科学的に根拠のないエセ科学なのだ。それなのにどうやって統計を取ったのかと言うと、本人に聞いたというのだ(笑)。つまり、自分が右脳型と左脳型のどちらだと思うかを聞いて、それと年収を関連づけたのだ。

エセ科学でいうところの右脳型人間は直感力にすぐれ、左脳型人間は論理力にすぐれているとされている。しかしこれは、人間は音楽や絵などの創作活動をするときに右脳が活発的になるという事実から話を膨らませただけであり(もちろん左脳も活発化するのであり、わずかに右脳がその程度が大きいというだけのことだ)、右脳型人間や左脳型人間というものはないし、当然、それを判定する方法もない。だから本人に聞くぐらいしかやることはないわけだ。

この統計から分かるのは「自分が論理に優れていると思っている人は自分が直感に優れていると思っている人より年収が高い」ということだ。それにしても計算が苦手でつじつまの合わないことを話して直感で物事を判断するビジネスマンてどんな人なのだろうか。

この右脳左脳論、確かめようがないという点で、血液型性格判断より悪質である。血液型なら、検査すれば簡単に判別できるし、それで目隠しテストをすれば、血液型によって性格が偏っているかどうかは検証ができる(そして何度も明解に否定されている)。ところがこの右脳左脳論は、なにしろ確認のしようがない。右脳を鍛えるといってわけの分からないトレーニングをし、何かの能力が向上し「右脳が鍛えられたからです」といっても、それを確かめる方法がないのだ。

さらに、この理論、なにかと右脳を鍛えることがよいこととされているのにお気づきだろうか。左脳を鍛えよとは誰も言わない。なぜかというと、論理を鍛えるのはすなわち勉強をするのと似たような堅苦しいことであるのに対して、右脳は直感、イメージトレーニングで鍛えられるとされているから、なにしろ簡単そうなのだ。楽して何かの能力が向上するのではないかという甘い誘惑をえさにしているのだ。そんなことを真に受けても、上のビジネスマンのようになるのが関の山である。

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