月別アーカイブ: 7月 2010

蟹屋

ロサンゼルス空港で迎えに来てくれた足立さんと初対面を交わした。
まずは昼食を食べることになり、足立さんの車で海沿いの蟹屋さんに行くことになった。ロサンゼルスというとなんとなく刑事コロンボとか近代的なビルばかり連想していたが、ビーチも結構有名らしい。

蟹屋に行くと、見たことがない形の生きた蟹が置いてあり、そこから好きなのを指定してその場で茹でてもらう方式だ。生きた蟹はライブ・クラブで、死んだ蟹はフレッシュ・クラブと書いてあり、なるほどと思った。この店ではウニまで置いてあり、立ったまま生ウニを食べている人もいた。アメリカ人もウニを食うのかと思ったが、よく見ると客の7割ぐらいはアジア人だった。ロスはアジア人が多いが、こういう店だと余計多いのだろう。

ロサンゼルス観光

もともとはエリア51に行って宇宙人の肉で作られているという触れ込みの「エイリアンバーガー」を食べようとしていたのだが、あいにくこの日程で日本人ツアーの催行がなかったので、かわりにユニバーサルスタジオでヒッチコックの「サイコ」のベイツ・モーテルのセットを見に行くことを思い立った。

それで、以前、ロサンゼルス在住の足立さんという方からメールをもらっていたことを思い出して連絡をすると、家に泊めていただいてロスを案内してもらえることになった。

足立さんは、アメリカ人の奥さんと結婚して、もう27年もアメリカに住んでいる人で、なんと卓球王国を本屋から取り寄せて毎月読んでくれている人なのだ。それで、今回のロス観光のプログラムに、足立さんと卓球をすることが当然のように組み込まれた。

初対面ではあるが、ロスに知人がいるなんて心強い。職場のゲイリーがいつものように週末の予定を聞いてきたので、送られてきた足立さんの写真(下の写真)を見せながらロス観光の話をすると、ゲイリーが「奥さんの写真はないのか」とニヤニヤしている。何が可笑しいのかわからなかったがハッと気がついて「奥さんは女性だぞ。成人した子供が二人もいるんだ」と言った。自分でもあわてて取り繕っているような気になってしまうのが可笑しい。ゲイリーはなおも笑いながら「そうだといいがね」と言った。

そういえば妻も「中年男二人でユニバーサルスタジオかや?」と言っていた。確かにサンフランシスコも近いしな。まあ、そう思わせるのも面白かろう。望むところだ。

ということで、生まれて初めてのロサンゼルス観光2日コースの始まりである。

家族の帰国

先週末に妻と子供たちが帰国した。前日にアトランタで一泊し、翌朝空港で見送りをし、その寂しさを紛らわすためというかこれ幸いにというか、私はそのまま別の飛行機に乗ってロサンゼルスに遊びに行く計画だった。ところが私の勘違いで、なんと私のフライトの方が早いことが前夜に発覚した。またやってしまった。

翌朝、当初の予定とは逆に、これから帰国をする妻と子供たちに見送られて少し気まずい思いでホテルを後にしたのだった。

妻はすっかりドーサン生活が気に入り、日本に帰るのを残念がっていたが、子供たちは全員大喜びだった。そもそも英語に憧れなどない年代だし、ただわけが分からないだけだったのだから仕方がない。長男が言うには「アメリカに来るときはとても嫌だったが、実際に来てみたらもっと嫌だった」というからかなり苦労をさせた。実際、最初の年は精神的なものから物を食べられなくなり、ひどいときは水も飲めなくてガリガリになり、顔色も表情も無くなってかなり大変だったのだ。

今のところはマイナスばかりのアメリカ生活だが、ちょっとは英語がわかるようになったのだから、そのうちいいこともあるだろう。将来、よかったと思ってくれればいいのだが、今のところは「刑務所に入れられていたようなもんだ」と言っている。

英会話教室の人間もよう

この英会話教室がなかなか人間関係が面白いところで、なにかと争いが起こるという。ほとんどが女性であり、いろんな国から来ているので国民性の違いなのか個人的な問題なのかわからないが衝突が絶えないという。

今ホットになっているのは、インドネシア人とパナマ人の衝突だ。お互いに面と向かって罵りあう状態で「お前が何をしようと勝手だけど私に危害を及ぼすようならただじゃおかない」というような台詞まで飛び出し、周りをシーンとさせるような状態だという。

また、以前いたロシア人がひどく、英会話の授業で議論する場になるととにかく他人を攻撃しまくったり嘲り笑ったりで、誰からも嫌われているという。さすがにこれは国民性ではなくて彼女の個人的な問題だろう。しかもその人、多少なまりはあるものの英語はベラベラにしゃべれるので「一体何しにここに来ているのか」という状態らしい。

なるほどと思うのが、南米から来ている人たちだ。みんな陽気で、のべつまくなし下ネタを話して野卑な笑い声を上げていて、妻と気が合うらしい。

別世界

妻の友人にポーランド人がいる。妻は公共の無料英会話教室に通っているので、英語がよく話せない人たちの友達が多い。お互いに片言なのでかえって分かりやすいという。ネイティブの人たちは英語が聞き取れないことが理解できないらしく、ゆっくり話すという発想がない。こちらがわからないと、説明が足りないんだと思ってますます早口でたくさん説明したりされてもっとわからなくなったりすることが多いのだ。

そのポーランド人がこれまた美しいらしく、彼女とレストランに行くと、どこにいっても男の店員が用もないのにやたらとやってきて世話を焼くという。そのポーランド人にしてみればどこに行ってもそうなので、世の中はそういうものだと思っている。妻は同じレストランに行ってもそんなことはただの一度もない。同じ世界に生きていながら、二人はまるで別の世界に住んでいるような、一種のパラレルワールドのようである。

ちなみに妻は異常に韓国人の女性に好かれる。外見が韓国人っぽいためらしい。韓国人に会うとまず韓国語で話しかけられ「韓国人ですよね」と決めつけられるという。「自分は韓国人と日本人の違いはすぐにわかる」と豪語する韓国人からも「韓国人に間違いない」と太鼓判を押されたという。彼女によれば、韓国人はえらが張っていて四角く、日本人は顔が小さいという。この表現を聞くと、日本人の方が可愛いんだと日本人なら思うが、当の韓国人がどう思っているかはわからない。「だから韓国女性の方が魅力的だ」と思っているのかもしれない。ただ彼女が言うには韓国の男性はみんな日本人女性が好きで、結婚したいと思っているとのことだ。それは外見ではなくて性格が従順で話し方が優しいからだという。韓国人の話し方が喧嘩腰に聞こえるのは英語でも同じで、件の英会話教室でも「韓国人はいつも喧嘩腰で話しているように聞こえる」と評判だという。

ナタリー

先日書いた、ポールのお母さんはナタリーという。
このナタリー、本当によくわからない人なのだ。妻が遊びに来いというから行くとなんだかとても不機嫌で「ハァー」とため息ばかりつかれたりだ。背が高いので、妻によれば「頭の上からため息をかけられた」という。

私の家族はいよいよあさって帰国するのだが、ナタリーには何ヶ月も前から帰国日を教えているのに、言うたびに驚かれるという。全然覚えていないらしいのだ。ナタリーは、私たちのために簡単な写真集を作ってプレゼントすると前から言っていたのだが、案の定、帰国日が近づいたのに音沙汰がない。まさか「忘れてないよね」と連絡するわけにもいかないので待っていたのだが、いよいよ帰国まで1週間を切ったので「今週末帰る」と連絡をすると驚いて慌てて家に来た。やっぱり忘れていて、写真集もあとで作って私にくれるという。それで、最後には別れを惜しんで泣いたというのだからますますわけがわからない。泣くぐらいに思っていてくれるのに、なぜ帰国日を覚えられないのだろうか。

ちなみにこのナタリー、やたら美しい。43歳には見えない。たぶん生まれてこの方、あらゆる人にチヤホヤされてきて、感情の趣くままに振舞うことが全肯定されてきたのだろうというのが私たちの見解だ。

ブレックファースト

先日、英語のfastという単語には「断食」の意味があると得意気に書いたら、ゲストブックに「朝食のbreakfastは断食を破るというのが語源」と書き込みがあり、目から鱗が落ちる思いだった。喜んでいると、知人から「こんな有名な話を知らないのか」とメールが来て、妻も「知らなかったの?」と言うから悔しいではないか。

ところで「目から鱗が落ちた」と書いたが、先日、会社の後輩に英語を指導したら「知りませんでした!目に鱗です!」とお礼のメールが来た。「目に鱗」じゃ困る。反対だ。引き続き日本語の指導に移ったのは言うまでもない。

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