月別アーカイブ: 7月 2010

住宅地

次にバスは住宅地に入った。まったく何の変哲もない住宅地だが、これはすべて映画のセットなので、そのデキを誇っているのだろう。芝生が異常にきれいで、最近枯れ気味の我が家の芝生のことを思い出して嫌な気持ちになった。いかにプロが育てているとはいえ、たかが肥料と水をやるだけのことの一体どこにコツがあってこんなに差がつくというのだろうか。芝生が黄色になりがちだったので焦ってしまい、「真っ青になる」という、年に4回までしか使ってはいけない肥料を連続でかけたのがまずかったのだろうか。

綺麗な住宅地のセットを見て、その綺麗さゆえに不愉快な気持ちになっている客がいるとは、さしものユニバーサルスタジオのプロデューサーも気がつくまいて。

ジョーズのいる池

お次は池に現れる人食い鮫、ご存知『ジョーズ』だ。

池の真ん中にいかにも人形らしく動かない潜水夫がいて、そこに鮫が近づくと潜水夫が激しく震え、やがて水面下にもぐってその周りの水が赤く染まる。足立さんによると、以前見たときはこの犠牲者は潜水夫ではなくて水着の女性だったというから豪勢である。

その後、一仕事終えたジョーズはバスの近くに来て顔を出したりするのだが、どうにも作り物っぽい。しかしよく考えてみると、本物の鮫がそもそもツルッとしたとらえどころのない作り物のような顔をしているのだから、私の感想は理不尽なものだったのかもしれない。しかし理由はどうあれ、苦笑するしかないのだった。

地下鉄での大地震

次はまたバスごとある建物に入って行き、なんという映画だか忘れたが、地下鉄で大地震が起きて洪水になるアトラクションだ。バスがちょうど電車のように地下鉄のホームに入っていくのだ。

私のユニバーサルスタジオの印象は実はこのアトラクションであり、以前からテレビなどで目にしていて、いつかは体験いたいとずっと思っていた。しかし結果は・・・いまひとつだった。地震のために壁が崩れたり火花が散ったりするのだが、いかにも作り物っぽく、怖くも面白くもなかった。足立さんも同じ意見だったので、何かが足りないのだろう。それとも3Dキングコングで我々の目が肥えたのだろうか。

メキシコの洪水

次にバスが停車をしたのは、古いメキシコのセットだ。こういう古いものは私は好きなので、自分の実家を思い出しながら働く農民たちを想像していたが、突然人工の雨が振り出した。なるほどと余裕で見ていると、遠くの方から大量の水が流れてくるではないか。

そしてご覧の通り道路は完全に冠水し、標識はなぎ倒され馬車も流されるという迫力であった。もちろんバスまでは水は来ないので心配ない。水が引いてから見ると、ちゃんと標識と馬車は動くようにレールが敷かれてあった。水が来る前にこのレールに気づいてストーリーを予想できなかったのがちょっと悔しい。

3Dキングコングの次に面白かったのがこれだったかもしれない。

『速いモーター』

次は自動車が炎に合わせて吹っ飛ぶ装置の見学だ。実際に吹っ飛ぶのではなくて、車体の下につながっている腕で車の動きを自在にコントロールして、さも吹っ飛んだように見せる装置なのだ。

映画ではこの装置での映像にCG加工をして、カーアクションを見せるのだろう。

最初は爆発で車が吹っ飛ぶデモンストレーションだったのだが、後半は音楽に合わせて2台の車が空中でコミカルに躍りだし、この装置の技術を誇っていた。

出口にはなぜか『速いモーター』と、トンチンカンな日本語が書いてあった。おそらく「高速マシン」とでも訳すべきものを直訳したのだろう。中途半端に日本語がわかる人しかいないとこうなるという良い例である。

360度3Dキングコング

ビル街のセットの次は、世界初とうたわれていた360度3Dのキングコングのアトラクションだ。左の写真のように、バスごとトンネルに入って停車し、バスの左右の壁に3D映像が映し出されると、もうバスが原始時代に迷い込んだかのようだ。目も当てられない大きさの恐竜たちがギャーギャーと戦いあっている。事前に配られた偏光メガネをかけると物凄い迫力だ。「あいつらこっちに来るんだろうな」と思っていると案の定、恐竜たちはバスに気がついてやってくるのだが、正義の味方であるキングコングが助けにきて恐竜たちと戦い始める。途中で恐竜やらキングコングやらがバスの上をまたいだり投げ飛ばされたりしてバスの左右を行ったり来たりする。しまいにはバスごと谷底に落ちていき、すんでのところで助けられるという短いストーリーだ。なお、ストーリーはうろ覚えなので違ったかもしれない。

時間にすればおそらく3分ほどのような気もするが、映像に合わせてバスは揺れて、とにかくリアルでまったく楽しい見世物だった。結果的にこれがダントツに面白いアトラクションであり、唯一、もう一度体験したいと思ったものだ。絶対にお勧めだ。

その後は、いろんな映画で使用した後の自動車の展示があり、私の大好きな『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に使われたデロリアン号だったかも置いてあった。

スタジオツアー

まずはスタジオツアーに参加した。実際の映画で使われる屋外セットや使用済みの小物などをバスの中から見られるものであり、当然これは世界中にあるユニバーサルスタジオの中でも、ここハリウッドにしかないアトラクションだ。そもそも私は、このアトラクションでヒッチコックの『サイコ』に使われた「ベイツ・モーテル」のセットを見たくてユニバーサルスタジオに来たのだ。

このツアーはずっとバスに乗ったままで45分かけてさまざまなセットを次から次へと見ることができる。ニューヨークの町並みあり、ちょっと古い感じのヨーロッパありで、映画のためだけに立てられたとは思えないほどちゃんと作られている。

かと思えば、右の写真のようにビルを絵で描いてあったりもする。

ユニバーサルスタジオ

足立さんはユニバーサルスタジオには昔行ったことがあるにもかかわらず、一日つきあってくれることになった。今回私は、時間がないので、すべてのアトラクションを列に並ばずに最優先で入れる130ドルもする特別券を買ったのだが、付き合ってもらう足立さんにも買ってもらわなくてはならず、申し訳なかった。

それにしてもこの券の威力は絶大で、明らかに何百人も並んでいる人たちを横目に見ながら、最前列に入れるのだ。アトラクションによっては入り口も違う。この券のおかげで、開催時間を待つことはあっても列に並ぶことはまったくなく、一日ですべてのアトラクションをまわることができた。これがなかったら半分も見られなかっただろう。

通常の券の2倍の値段ではあるが、これから行く「アトラクションを楽しみたい人」にとっては、お勧めである。どうして「アトラクションを楽しみたい人」などと当り前のことを書いたかというと、それは追々説明する(見当がついたかな?)。

足立さんの家

卓球をした後はもう夜中だったので、足立さんのご自宅に向かい、すぐに寝た。

翌朝、奥さんが作った半熟目玉焼きをマフィンの上に乗せた朝食をいただき、いよいよロス観光の本命である、ユニバーサルスタジオへと向かうことになった。

写真は足立さんのご自宅だ。通りの様子は日本の住宅地と変わらない印象だ。お約束どおり車庫には卓球台があり、奥さんが物干しをするときにいろいろな物を置くのに使っていた。当然のように卓球マシンもあった。

MAXさん

ロスの卓球クラブには、足立さんの他にもうひとり日本人がいた。
本名はわからないが、通称MAXさんと呼ばれている人で、なんと彼はジャスポのサイトでラバーのモニターをやっているという。
http://blog.jasupo.jp/?eid=99215

読んでみると確かにテナジーFXの感想を書いていた。
しかしテナジーの感想よりも驚いたのは、この人の用具に対する並々ならぬこだわりだ。テナジーは50枚以上使っていて、パッケージ込みの重量とラバーカット後の重量の関係まで頭に入っているという(つまり、店頭でパッケージごと計ればラケットに貼ったときの重量が予想できるということだ)。「05、64、25全ての特性に熟知して」いるらしいので、まるでメーカーの人のようだ。

遠くアメリカにこういうマニアの人がいると思うと嬉しくなる。

ちなみに、私はMAXさんとは試合をしなかったが、見る限りでは、投げ上げしゃがみこみサービスを初めとして、なに一つ普通のサービスを出さない超個性的な卓球で、いかにも試合をしたくないと思わせる卓球だった。この特殊な選手のモニター結果が一般人の参考になるのかと心配になったほどであった。

残念ながら記念写真を撮るのは忘れた。マークに負けたショックで、その後の写真撮影をすべて忘れてしまい、マークもMAXさんもコーチの王さんも写真は載せられないのだ。

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