年別アーカイブ: 2011

夕日の中の小室

小室の自宅の近くには、キリンビールの大きな工場があり、津波の後にはこのあたり一体に未開封の缶ビールが散乱しており、小室はそれらを拾ってたらふく飲んでいるいう。

確かに、今日も足下に4本の缶ビールが落ちていた。

それらを逆光の中で悪びれもせずに淡々と語る小室であった。

近所の様子

小室の家にぶつかってきたという海側の隣家は、完全に輪郭を失った瓦礫の山となっている。

また、道路を挟んで向かい側の家は、一見、形が残っているようだが、実はこれは二階で、一階がそっくりなくなっているのだという。

自衛隊員の気遣い

小室から興味深い話を聞いた。

小室の家には仏壇があるのだが、震災後間もなく自宅に行くと、仏壇は隣の部屋の床に倒れていたという。二階まで浸水したのだからこれは怪しむことではない。

ところが何日か後に行ってみると、その仏壇がきちんと床の間に立ててあったという。被災者を捜索している自衛隊か警察の人たちが、わざわざ移動してくれたのだ。仏壇が上下逆さまに置かれていたことから、その人たちは宗教にはさしたる興味はなかったものと思われる。連日、沢山の遺体を目にしている彼らにしてみれば、床に転がっている仏壇をのをそのままにして置くことはしのびなかったのだろう。

そのときの彼らの心情を察すると胸にこみ上げてくるものがある。

小室の自宅

津波で二階まで浸水した3番弟子の小室の自宅に行ってきた。

台所に置いてあった、自慢の縦に半分に切った卓球台(マシン付き)が無残な姿になっていた。
浸水は二階の床から10cmほどのところまでだったので、なんとか二階の物は助かったそうだ。しかしこの家には住めないだろう。なにしろ、海側の隣の家がぶつかってきたので、家の半分が破壊されているのだ。

左の写真は、無残な自宅の前で無意識に団扇でフォアハンドサービスを出す小室。小室はとにかく卓球の動作を止めることができない。

人の風評被害

福島県民に対する風評被害が続いているらしい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110421-00000520-yom-soci

このニュースでも千葉県船橋市教委が「子供たちに避難者の気持ちを考えるよう指導するように」と小中学校に通知を出したとある。このように気持ちの問題にしてしまうと、「そんなこと言ったって放射能がうつったら困る」という人への説得にはならない。

必要なのは「放射能は絶対にうつらない。そんなことを言うヤツはバカだ。そういうことを言う人を見たら正してあげよう」ということではないのか。理解できない人にも何度でも声を枯らしてそうい言い続けるしかないではないか。

その肝心なことを言わず「被災者の気持ち」などと論点をズラすから風評被害が減らないのではないか。もしかして、ニュースのネタとして温存できるようにわざと論点をぼかし、放射能はうつるかもしれないという誤解する人が減らないように気を配っているのだろうか。

本当に風評被害を減らしたいなら、ニュースのたびにしつこくしつこく「放射能はうつらない、うつると言う人はバカ」とキャンペーンを張るべきではないか。

また、もうひとつの可能性がある。実はこの報道のような風評被害はごく希にしかなく、私のようにこの記事に憤る読者を狙ってわざと大げさに報道しているというものだ。何日か前の風評被害の報道でも、同じく船橋市教委のコメントが取り上げられていることから、その可能性を疑わせる。

NHK『ディープ・ピープル』

NHKの新番組『ディープ・ピープル』で卓球が取り上げられたので、さっそく見た。
新番組の題材として取り上げられるのだから卓球もメジャーになったものだ。

「中国に勝つ卓球」というサブタイトルのもと、松下浩二、田崎俊雄、水谷隼の3人が司会なし、台本なしで語り合う企画だ。

3人の語りはともかく、ときどき挿入される番組側からの解説が相変わらずであった。中国選手が強い理由は「縦横斜め自由自在の魔球のようなドライブを操り、そんなボールが打てる選手は日本に1人もいないため」などと話をずいぶんと単純化している。卓球界の誰もそんな説は聞いたことがないわけだが。逆に、中国が仮想敵選手を作って練習しているという公然の事実を「卓球界ではある噂がささやかれている」など無理やり神秘化している。

対談とは別に、関根勤と中村慶子アナウンサーが解説やらコメントやらをしていた。関根勤は、学生時代に遊びで卓球をしていたらしいが、なんと長谷川信彦を真似して一本差しだったという(もうね、長谷川信彦の写真が出てきた時点でね、許します)。それはいいのだが、関根と中村の以下のやりとりには笑った。

中村「トップ選手のスマッシュは時速270キロもある」
関根「速いですねえ、新幹線の通過のときと同じぐらい速いですね」
中村「球が往復するのに1秒ぐらいってことですかね」
関根「・・・1秒かかんないんじゃないですかね」
中村「そうですね」
関根「ねえ」

何言ってるんだか。やっぱ台本あった方がいいんとちゃうか。

中国選手の強さを語るのに、VTRで石川佳澄が登場したが、髪型が変わっていて新鮮だった。

会社の弁当

震災以来、会社では泥掃除作業が続いているが、食堂が機能していない代わりに、ありがたいことに弁当が無料で用意されている。

先週の水曜はカレーだったのだが、写真のようにご飯と一緒にレトルトのルーが配られた。一見、いかにもみすぼらしそうだが、あいにくと私はレトルトは大好きなのだ。思ったとおりとても美味しくて大満足である。ソーセージはちょっと・・・だが。

ビートルズになりたかった冬

家で「コナカ」のカードを探していて、小さな写真を見つけた。

大学1年のときの私の写真だ。
墨でヒゲを書き、卓球のユニフォームに紙を貼って作った「サージェント・ペパーズ」の服を着て、記者の質問に答えている。
無論、記者などいない。なんともうすら寒い写真だが、冬の夜の外の撮影で実際にも寒かったことを覚えている。

私はビートルズになりたかったのだ。

「コナカ」でファック・ユー

スーツが上下とも裂けているので近所の「紳士服のコナカ」でスーツを作った。
1着買うと、2着めは1000円だそうだ。嬉しいような腹立たしいようなサービスだ。

息子たちの自転車を買いに行ったついでだったのでコナカには息子たちもつき合わせたのだが、さっそく必要以上に精巧なマネキン人形の指を「ファック・ユー」にしていた。さすがアメリカ帰りだけのことはある(こんなところだけ)。

お気に入りの携帯ストラップ

最近、ふとしたことから、ストラップを携帯につけることにした。これまで、携帯への愛着を表現するようにストラップをつけるなどということはしたことがなかったが、なにしろ携帯の上下が対称のため、いつも開ける方向を間違えるので、上下が分かるようにストラップをつけることにしたのだ。

それで、6年前に、母校の卓球部OB会の30周年記念に私が作成を担当した携帯ストラップがあることを思い出し、つけることにした。これが今見るとなかなかよく、紹介させていただく次第だ。

ラバーが赤の方が良かったと思うのだが、当時は、紐が緑なので赤と合わないと私が判断をしてチームカラーの緑にしたのだが、やっぱり赤の方が良かったかもしれないと、ちょっとだけ後悔している。緑のラバーじゃ『ビリーバ』みたいだ(知ってるかな?)。