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リプリー博物館4

博物館の最後の見世物は、実は人間である。マジックミラーごしに、展示物を見ている観客を観察できるようになっているのだ。観客はマジックミラーの向こうで、あごを外すことのできるいわゆるクシャおじさんの映像を見ているので、中には顔マネをする人もいるのだろう。それをこちらから見て楽しむわけである。なかなかよく考えられていると思う。

せっかくセントオーガスティンに行ったので町並みも載せておこう。スペイン風の楽しげな町だった。

リプリー博物館3

次は世界一小さい男。なんと、鳥篭に入っている(笑)。これはもちろん蝋人形だが、本当にいたのかこんな奴。

あと、頭に蝋燭が生えているオヤジ。なんでも、頭蓋骨が削ってあって蝋燭が立つようになっていたのだという。蝋燭よりもこのオヤジの表情が可笑しい。

あと、頭で階段を降りることができる紳士。この写真がその証拠のようだ。想像しただけで痛そうだ。頭蓋骨骨折に頚椎骨折、死ぬだけでは済まなそうな荒業だ。

リプリー博物館2

しばらくリプリー博物館ネタを続けたい。

次に入った部屋に、大きな自由の女神の写真が展示されていた。何だと思ってよく説明を見ると、「ジャンプの世界チャンピオンはノミだ」と書いてあった。ノミは自分の体長の300倍もの高さにジャンプするので、これを人間にたとえれば自由の女神までジャンプできることに相当するというのだ。それだけのために自由の女神をバーンと飾っているのだ。しかもネタは単なるノミ。

さらに、チェンソーが飾ってあって、何かと思ってみると、チェンソーの下に鉛筆が飾ってある。これはチェンソーの操作技術大会で優勝した作品で、チェンソーで鉛筆の背にアルファベットを書いたのだという。でも全然なんて書いてあるのか分からない。こんなのを3時間かかって書いたと言われても。

さらに、「世界一偉大な偽者」という題でなんか見たことがあるミイラみたいなヤツが飾ってあった。さすがにこれは偽者と白状したか。

でも「これ以外はさも本物だ」とでも言いたげなのがまた可笑しい。

リプリー博物館

ジャクソンビルの隣のセントオーガスティンという町にも行ってきた。この町はなんとアメリカに現存する最古の町だそうで、当然のこと昔はインディアンが住んでいて、イギリスやスペインに占領されたり皆殺しにされたりした複雑な歴史を持つ。町並みはスペインらしさを残していたが、なにしろ観光地なので、自然に残ったのか無理やりそれらしく後で作ったのかは判然としない。

それはよいとして、この町にあった「Believe it or not!(信じようと信じまいと)」という博物館に入ってみた。これは、ロバート・リプリーという珍しいもの好きな人がその半生をかけて世界中から集めたものを紹介していると言う触れ込みで、実は世界中にあるチェーン店のような見世物小屋なのだ。なにもセントオーガスティンで入らなくてもよさそうなものだが、いつかは入ってみたいと思っていたので、思い切って入った。妻は「どうせ魚の体にサルの頭をつけて人魚だなんてやってるインチキだろ」と入らなかったが、私はそういうのが好きなので子供たちと入ってみた。

予想通り面白かった。なにしろ、ゲートを入って最初に置いてあったのが「全身に毛の生えた魚」だ。この博物館がどういうところなのかを高らかに宣言している素晴らしい展示物である。

さらに、赤ん坊が風呂がわりに使える大きな貝殻だそうだ。それがどうしたと言いたくなる素晴らしさだ。あと、人間の歯を持つ犬の写真。いやー、そんなこと言われたって(どっからどう生えているかわからないんですが)。・・とにかくがんばってほしい。

似顔絵

フロリダ州のジャクソンビルというところに来ている。記念に、デパートの一角にあった似顔絵屋で似顔絵を描いてもらった。初めてのことだ。私は小学生の頃から似顔絵を描くのは得意で、先生やクラスメートの顔を描いてみんなを喜ばせていたが、プロの似顔絵師に対しては並々ならぬ尊敬の念を抱いていた。

どうしてかというと、プロの似顔絵というのは、似ているだけではダメで、本人の気に入られるように、その人の良い部分を捉えて似せるという高等技術が要求されるからだ。人の顔の特徴をとらえて極端に描けばたいていは滑稽な顔になる。突出した部分を強調するのだからこれは当然のなりゆきだ。似ていてなおかつ印象の良い似顔絵というのは、私には想像もつかない高等テクニックなのだ。

そういうことを考えつつ、似顔絵を描いてもらったのだが、この出来映えはどうしたことだろう。ただただ滑稽ではないか。これがアメリカのやり方なのだろう。それにしてもこの絵描き、多いときは3秒に一回ぐらいこちらを見ながら描いていただけあって、非常に細かいところを見ていることに感心した。息子は左目尻がわずかに垂れているのだが、ちゃんとそれを捉えている。また、本人も気づかないような小さなホクロまで見つけて描いていた。私の顔はさっぱり似てないと思うのだが、まあ面白いからよしとしよう。息子と二人で22ドルだった。

似顔絵師が描き始めるとすぐに通行人が集まりだし、多いときは15人ほどに囲まれた。描かれている最中は自分では絵は見えないのだが、見物人たちからは見えている。みんなで絵と私を見比べてニヤニヤしているのだから、あまり気分が良いものではない。中には「本物より髪が多いな」なんて言う奴もいる。見物人の中から二組が次の予約をしていた。似顔絵描きなんて裕福なはずはないだろうから、彼に儲けさせてやってよかったなとちょっと嬉しくなった。

マンガ『スコンク先生』

昔描いた4コママンガをもうひとつ。
『現代卓球』にも同じものをアップした。
http://www.geocities.jp/gendaitakkyuu/sk3.html

ちなみに、右の写真はスコンク先生のモデルとなった高校時代の担任の先生。3年間お世話になった。物理の先生で柔道部顧問。何もかもが堅そうで強烈だった。高校時代からよくこの先生の似顔絵を描いていて、それを後で4コマを描くときにそのまま使っただけだ。この写真のときは今の私より若かったはずだが、どうしてもそうは思えない。

『青春』

学生時代、どっかの飲み屋で店主に『青春』という詩のコピーをもらった(置いてあったんだかもらったんだか覚えていない)。これがなかなか良い詩で、たいそう気に入った。後でサミュエル・ウルマンという人の詩であることがわかった。ちょうどその頃、研究室にコピー機のセールスマンがやってきて、宣伝のためと称して赤インクでもコピーできるという新製品のコピー機を1週間だけ置いていった。その間、使い放題というサービスだ。それで、ここぞとばかり本をまるごと一冊コピーしてみたりした。

さらに、せっかく赤色でコピーできるからというので、『青春』の詩と自分の顔を色違いで重ねてコピーしてみた。顔を重ねたことに意味はないし、苦しそうな顔をしているのは単に光源の眩しさに耐えるためだが、図らずもなんともいえない迫力に満ちている。まさにこれこそが『青春』といえるかもしれない。一緒に同じく顔のコピーを作った用具マニアの杉浦くんはまだ持っているだろうか。1986年のことだから、もう24年前である。

ちなみに、その後、赤インキのコピー機はメジャーになっていないので、失敗作ということなのだろう。これもセールスマンの『青春』と言えるのかもしれない。

郭躍華対陳新華

ITTFのITTVのフォルクスワーゲンカップ2010のエキシビジョンマッチで、なんと郭躍華対陳新華をやっている!ふたりとも年老いてぶよぶよで見ていられない。しかし貴重は貴重だ。他にもセイブ兄弟の対決、松下対渋谷などの対決が見られる。
http://www.ittf.com/itTV/
(無料だが見るためには電子メールアドレスを登録してパスワードを受け取ることが必要)

また、まだアップはされていないが、まもなく、水谷がサムソノフを破った試合が見られるはずである。

綿矢りさ『インストール』

綿矢りさの『インストール』を読んでみた。勉強の意味もあるが、これほど有名な小説を読まないで済ますわけにもいくまい。

話は普通だったが、場面ごとの描写が面白かった。中でも声を出して笑ったのが、古いパソコンが起動して本体が震えたときの描写だ。

「その震え方は、昔親戚一同でカラオケBOXに行ったときに聴いたおじいちゃんのあの歌声、肺活量が弱ってる年寄りならではのあのビブラートがききすぎた歌声を私に思い出させた」

よくもこんな人を小バカにした面白い表現を考えたものだ。私も見習わなくてはならない。こんなところだけ面白がるっていうのもなんだが。

実はもう一ヶ所、グッとくるところがあったのだが、ここには書けない。興味のある方はご一読を。

インサニティの脅威

先日、ここドーサンの名物店である『ハンツ』というオイスターバーで宴会があった。オイスターとは牡蠣(かき)のことだが、意外にもここいらでは生牡蠣を出す店が結構ある。その中でも『ハンツ』はもっとも美味しいので有名だ。

実はハンツにはもうひとつ有名なものがある。とんでもなく辛い香辛料がおいてあるのだ。ハンツのオリジナルではないが、普通、ここまで辛いものは置いていないので、ここで飲み会をすると、いかに他人の料理にこっそりとこの香辛料を入れるかという戦いになる。この香辛料はその名も『INSANITY』つまり狂気という名前で、結構辛いものが好きな私でも、これをつま楊枝の先に1ミリほどつけたのをなめただけでしばらくは話もする気にならないほど辛い。

事情を知らない新入りには「これをつけると美味い」とだまして食べさせることになる。この日は淳くんがその犠牲となった。牡蠣につけて食べてたまらずトイレに駆け込んだが、そのすきに今度はビールに入れられ、そうとも知らずに辛さを和らげようとビールを飲んだが、飲めば飲むほど辛くなるのだからたまらない。策略に気がついたときはもう遅かった。写真左が、ビールを飲んで異常に気がついたときの様子。

写真中央は、ビール瓶をあてて唇を冷やしている様子だ。『INSANITY』は、辛いというよりは痛いのだ。それを触ってから目を触ったりトイレに行ったりすると大変なことになるという代物なのだ。それでも内容物を見ると唐辛子などとしか書いておらず、特別な人工的な化学物質が入っているわけではないようだ。唐辛子を濃縮するだけでここまで辛くなるというのは意外だ。

この日は、帰任が決まったアキラくんの送別会だったので、みんなでかわるがわる彼の料理やデザート、スプーンの裏、タバコ、はては上着の袖や襟にまで『INSANITY』を塗る始末だ。容量の小さい人なら本気で怒りそうな所業だ。用心深い人は一度も席を立たずにこの宴会を切り抜けたのだった。