津波で二階まで浸水した3番弟子の小室の自宅に行ってきた。
台所に置いてあった、自慢の縦に半分に切った卓球台(マシン付き)が無残な姿になっていた。
浸水は二階の床から10cmほどのところまでだったので、なんとか二階の物は助かったそうだ。しかしこの家には住めないだろう。なにしろ、海側の隣の家がぶつかってきたので、家の半分が破壊されているのだ。
左の写真は、無残な自宅の前で無意識に団扇でフォアハンドサービスを出す小室。小室はとにかく卓球の動作を止めることができない。
福島県民に対する風評被害が続いているらしい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110421-00000520-yom-soci
このニュースでも千葉県船橋市教委が「子供たちに避難者の気持ちを考えるよう指導するように」と小中学校に通知を出したとある。このように気持ちの問題にしてしまうと、「そんなこと言ったって放射能がうつったら困る」という人への説得にはならない。
必要なのは「放射能は絶対にうつらない。そんなことを言うヤツはバカだ。そういうことを言う人を見たら正してあげよう」ということではないのか。理解できない人にも何度でも声を枯らしてそうい言い続けるしかないではないか。
その肝心なことを言わず「被災者の気持ち」などと論点をズラすから風評被害が減らないのではないか。もしかして、ニュースのネタとして温存できるようにわざと論点をぼかし、放射能はうつるかもしれないという誤解する人が減らないように気を配っているのだろうか。
本当に風評被害を減らしたいなら、ニュースのたびにしつこくしつこく「放射能はうつらない、うつると言う人はバカ」とキャンペーンを張るべきではないか。
また、もうひとつの可能性がある。実はこの報道のような風評被害はごく希にしかなく、私のようにこの記事に憤る読者を狙ってわざと大げさに報道しているというものだ。何日か前の風評被害の報道でも、同じく船橋市教委のコメントが取り上げられていることから、その可能性を疑わせる。
NHKの新番組『ディープ・ピープル』で卓球が取り上げられたので、さっそく見た。
新番組の題材として取り上げられるのだから卓球もメジャーになったものだ。
「中国に勝つ卓球」というサブタイトルのもと、松下浩二、田崎俊雄、水谷隼の3人が司会なし、台本なしで語り合う企画だ。
3人の語りはともかく、ときどき挿入される番組側からの解説が相変わらずであった。中国選手が強い理由は「縦横斜め自由自在の魔球のようなドライブを操り、そんなボールが打てる選手は日本に1人もいないため」などと話をずいぶんと単純化している。卓球界の誰もそんな説は聞いたことがないわけだが。逆に、中国が仮想敵選手を作って練習しているという公然の事実を「卓球界ではある噂がささやかれている」など無理やり神秘化している。
対談とは別に、関根勤と中村慶子アナウンサーが解説やらコメントやらをしていた。関根勤は、学生時代に遊びで卓球をしていたらしいが、なんと長谷川信彦を真似して一本差しだったという(もうね、長谷川信彦の写真が出てきた時点でね、許します)。それはいいのだが、関根と中村の以下のやりとりには笑った。
中村「トップ選手のスマッシュは時速270キロもある」
関根「速いですねえ、新幹線の通過のときと同じぐらい速いですね」
中村「球が往復するのに1秒ぐらいってことですかね」
関根「・・・1秒かかんないんじゃないですかね」
中村「そうですね」
関根「ねえ」
何言ってるんだか。やっぱ台本あった方がいいんとちゃうか。
中国選手の強さを語るのに、VTRで石川佳澄が登場したが、髪型が変わっていて新鮮だった。
最近、ふとしたことから、ストラップを携帯につけることにした。これまで、携帯への愛着を表現するようにストラップをつけるなどということはしたことがなかったが、なにしろ携帯の上下が対称のため、いつも開ける方向を間違えるので、上下が分かるようにストラップをつけることにしたのだ。
それで、6年前に、母校の卓球部OB会の30周年記念に私が作成を担当した携帯ストラップがあることを思い出し、つけることにした。これが今見るとなかなかよく、紹介させていただく次第だ。
ラバーが赤の方が良かったと思うのだが、当時は、紐が緑なので赤と合わないと私が判断をしてチームカラーの緑にしたのだが、やっぱり赤の方が良かったかもしれないと、ちょっとだけ後悔している。緑のラバーじゃ『ビリーバ』みたいだ(知ってるかな?)。
卓球王国での連載『奇天烈逆も~ション』がついに単行本化されることになった。
電子書籍のみの発行ではあるが、初めての単行本であり、嬉しさもひとしおである。
今野編集長からは、これまでの記事を集めただけでは物足りないので、2、3本の書下ろしを加えて欲しいとのことだ。
さっそく妻に自慢をしようと「卓球王国から単行本を出してくれることになったぞ。まあ、そのためには2本か3本・・」と言いかけると妻が「ダメ!絶対ダメだよ!」と言う。「はぁ?なんでダメなんだよ」と言うと、「2本か3本って、200万か300万出せってことでしょ!絶対ダメだからね!」と言うではないか。
2本、3本って・・・この人はいったい何の業界の人なのだろうか。
福島からの避難民に対する偏見があるとYahoo!のニュースが報じている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110413-00000154-mai-soci
タクシーの乗車拒否とか治療拒否とか読んでいるだけで腹が立ってくる。この記事には「思いやりをもって接し、温かく迎える」とか「避難者の不安な気持ちを考え言動に注意する」などという船橋市教委のコメントが紹介されているが、肝心なことが書かれていない。
「福島からの避難してきた人に接しても、第三者に放射線の害など絶対に有り得ない」ということをなぜ書かないのだろうか。インフルエンザのように本当に第三者に感染したり被曝する可能性があるのなら、思いやりも気持ちもクソもない。避けるのが当然である。だから、この問題でもっとも重要なのは、気持ちや心ではなくて本当にそんな被害の可能性があるのかないのかではないか。そして事実は、そんなことは絶対にないのだ。
どうして多くの人が読むこのニュースに、その最重要なことを明確に力強く書いてくれないのだろうか。福島県民に対する風評被害と放射線の脅威の誤解を解くチャンスを手にしていながら、断言するリスクと調査する手間を惜しんで、それを生かさないのが本当に残念である。いくら嘆いてみせても、それをちゃんと正さないで放置したら、このニュース自体も間接的に誤解と不安を広めるのに加担しているようなものではないか。
このようにして根拠のない偏見と差別は広まっていくのである。本当に残念だ。
カゴメとデルモンテが、福島産トマト栽培の今年度の契約をしないと発表した。
カゴメのホームページを見ると、契約しておいて検査して危険だと分かって出荷できない事態になったのではかえって農家に負担がかかるという理由があり、契約農家に対して買い取り予定額の3分の1相当額を経済支援するとあるから、カゴメの誠意は疑えない。買い取り額の3分の1を、栽培しないでもらえるのだから、経費ゼロでこれがそのまま利益となり、農家にとってはかなり助かるのではないだろうか。
さて、カゴメのこの判断に対して、批判と賛同の両方がネットで散見される。しかし、いずれの意見も数値を基にしていないので、私としてはどちらがどうとは言えない。
いくら農家が可哀想でも、本当に危険なら契約しないのは当然だし、危険でないなら危険ではないと消費者を啓蒙するのがメーカーの成すべき事だろう。
前から書いている通り、放射性物質は少しでもあったら毒ということではない。そもそも自然界にもともと放射線があるし、少量なら放射線はむしろ健康によいというデータすらある。また、放射線に限らず、どんなものでも過剰に摂取すれば健康を害する。トマトに含まれるビタミンAでさえ、過剰摂取すれば肝機能障害や奇形の発生を起こすことが知られている。ただしその量は、1日にトマトを30kg食い続ければである。そんなに大量に食べるわけがないので、我々はビタミンAを安全だとしているのだ。放射線だって同じように考えるべきなのである。
どんな測定値を考えるときでも、検出されたかどうかではなく、どれくらい検出されたか、それが害があるのかないのかなのだ。それ抜きにして「通常の100倍」だのと報道されるのでは、いたずらに恐怖心をあおられる。通常の何万倍だろうが、健康被害がなければいいではないか。そういう見積もりなしで、ただ「土壌から放射性セシウム検出」とだけ報道するのは、ただ読者や視聴者を驚かしているだけであり、面白半分に弄んでいるのと同じことであるから、こういう報道はいっさい無視すべきである。
カゴメの誠意は疑えないが、欲を言えば、これから露地栽培をするトマトについて、どれくらいの放射性物質が入り込む可能性があり、それを合計何kg食べればどれくらいの人が癌や白血病になる、だから危険なんだ、という専門家による見積もりがあればよかった。その数値が本当に危険ならば、納得もしよう。
そんな数値の見積もりもぜず、ただ「消費者が心配して売れないだろうから」という理由での判断なら話にならない。数値なしで「念のため」という根拠で話を進めるのでは、無知蒙昧な大衆と同じである。安全な値だけどちょっとでも放射性物質が入っているのは危険だという論調なら、そもそもビタミンAも奇形の原因なのだからトマトジュースなど危険で売れないということになってしまうではないか。