昨夜、新宿から厚木に向かう満員電車の中で良いことをした。足が悪く杖をついたオヤジが、酔っているのか素面なのかわからないが立ったままブツブツと「みんな自分のことしか考えない」「人を助けてあげようとか思わないのか」なんて怒ったような独り言を言っていた。そしてついに目の前の自分と同じくらいの身長の若い女性に標的を定め、顔を近づけて「荷物を前に抱えたら他人にあたって迷惑だと思いませんか」などと絡み始めた。私は珍しい生物を見つけたと顔がほころぶのを抑えきれないほどだったが、若い女性にとっては苦痛だろうと思い、無理やり二人の間に割り込んで、そのオヤジに背を向けて立ってやると静かになった。次の駅でそのオヤジが降りると、女性から礼を言われると同時に、近くの若者から「オジさんナイスでした」と親指を立てられた。
「俺、オジさんかよ」と思ったが仕方があるまい。それどころか、1ヶ月ほど前には、やっと言葉を話し始めた感じの幼児が私を指して「じいじ、じいじ」と言い、その母親と思われる女性が「こらっ、違うの、じいじじゃないのっ」と叱りながら赤面で私に平謝りであった。それにくらべれば「オジさん」というのは実は気をつかっていたのかもしれん。
今朝方、昨夜のオヤジがなぜか厚木の交番の警察官になっている夢を見た。いかにも夢らしいどうでも良い事象だ。