今月発売の卓球王国用に、卓球レポートの休刊についての原稿を書いた。
そのために1週間ほど蔵書を読んだのだが、さすがに66年からの蔵書すべてに目を通すのは不可能で、2日ほどであきらめた(やろうと思ったところが我ながらどうかしてる)。
それで、自分がリアルタイムで読んだ80年代の卓球レポートに絞って書いたのだが、振り返ってみると、すべての卓球レポートの歴史のうちで、もっとも精神主義が炸裂していたのがこの80年代だったように思う。
なにしろ創業者田舛彦介が巻頭言『炎』でいきなり若者のだらしなさを叱咤したかと思えば、元世界チャンピオン長谷川信彦が『作戦あれこれ』で「異質反転型との対戦でもっとも重要なことは心構えだ!」などと、強烈な精神論を説き、続くページでは元世界チャンピオン伊藤繁雄が大股開きなどのあられもない素振りの連続写真を次々と公開し、そればかりか60分間「素振り」だけのビデオテープまで発売する凄さなのだ(しかも12,000円!)。
今思えばこういう雑誌が存在したことは奇跡であり、よくもたまたま私がその時代にめぐり合わせたものだと感心したが、もしかするとそれは逆かもしれない。
卓球レポートの異常な熱量があったからこそ私がそれに感染して卓球にのめり込んだのであり、これは必然だったかもしれないのだ。
このブログのプロフィールにあるウェブサイト『現代卓球』は、卓球レポートのパロディとして作ったぐらいなのだから。