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映画『卓球温泉』

ビデオテープで持っていた『卓球温泉』という映画を念のためにDVDにコピーをした。画像確認のためにちょっとだけ見たら、意外に面白くて最後まで見てしまった。

98年の公開当時は、いろんなことが気になってとにかく不愉快な恥ずかしい映画だと思っていたが、今見るとそうではなかった。シナリオも面白く、ちゃんと笑えるところもあった。なによりも脇を固めている役者たちが全員上手くて、見ていて本当に安心できるのがよかった。主要登場人物の山中聡は今も俳優をやっているようだが、卓球の腕前はかなりのものであることがそのフォームからうかがえる。

ただ、山中が主人公の松坂慶子と初めて卓球をするときに、一球目からいきなり相手のいないところに打って、驚いている松坂慶子に対して「卓球ってそういうもんでしょ」というところはとても違和感があった。どこにいるよそんな奴。

もうひとつ違和感があったのは、平凡な主婦である松坂慶子が、ある場面で、卓球の発祥とか、どういうスポーツであるかをみんなにとうとうと説明するところだ。そんなことをする彼女の動機がさっぱりわからないのだ。まるでそのときだけ、私のような熱心な卓球ファンが松坂に乗り移ったかのようでとても恥ずかしい場面だ(個人的な問題だが)。

あともうひとつ。山中聡、首を突き出してボール見すぎ。監督の指示だろうか。こういう奴は実際にいるが、あんまりみんなに見せたくはない。

映画の印象がよくなったら、牧瀬里穂もなんだかすごく可愛く見えてしまった。

そのうち卓球王国の連載でも取り上げようと思う。雑誌に書くネタはブログには書かないように気をつけていたのだが、考えてみるとブログを読んでいるのはたかだか300人程度なので、雑誌の読者が10万人以上であることを考えれば、何も気にすることはなかったのだ。

卓球検定

ヤフーのトップページを見ていたら「卓球検定」という文字が飛び込んできた。

http://minna.cert.yahoo.co.jp/bllnx/175623/

卓球のルールに関する問題が10問あり、次々と回答をしていくと最後に成績が表示されるものだ。私はもちろん全問正解だった。自信のある人はやってみてはどうだろう。

次はルールではなくて歴史上のエピソードの問題があると楽しいなと思う。たとえば次のようなものだ。

・最初にラバーを貼った人は何を流用したか
・世界選手権での、一回のラリーの継続時間の最長記録
・過去にあった絶大な威力のサーブ方法について

つまらないかね。

ムチャクチャな宣伝

高校の同級生から面白いサイトを見つけたと連絡があった。卓球用品のサイトなのだが、海外のメーカーの製品で外国語を自動翻訳機で翻訳したらしく、ムチャクチャな商品説明が書いてあるのだ。文章だけ紹介しよう。

まずはラケットだ

「○○○である間あなたが衝撃で感じることができる鋭くて太っていている感じはさらにほんとうは、表面でボールを捕らえます。 このユニークなキャラクタは最高専門家が長い間欲しかった者です。 薄い木曽Hinoki出ている層と同期する3個のユニークなuni方向の心材が単に驚くべきな感じを調整します。 ○○○の採用は他の7枚の層の刃より比較的簡単です。 あなたは時中に予想ほど強力なトップスピン攻撃とテーブルの創造的なテクニックを作ることができません。 また、あなたは○○○と共に攻撃的な攻撃用のプレーと制御プレーを非常に柔軟に実行できます。 本当に、○○○には、不思議な多才があります。」

次は、メンテナンス用具だ

「使用しやすくて故障の無い水の接着剤。
ITTFによる速度接着剤の禁止令はラケットの溶剤のようにどんなVolatile Organic Compoundも禁止します。 また、禁止令の精神はスポーツにおけるどんな毒性の、または、皮膚いらだたしい物質の使用にも水をさしています。 ○○○は清潔であって、安全です。 ボトルチップにおける白いスポンジは、表面をこするのを助けます。 どんな水の接着剤も接着剤を促進するより現実に強いです。 そして、あなたが刃からゴムを取り除くとき、力はあなたの刃の表面を破損します。 」
この支離滅裂な文章から、正しい翻訳を想像してみるのも一興だろう。

ビートルズ・パズル

本屋でアナログレコードと同じ大きさのビートルズのアルバムが置いてあると思ったら、パズルだった。何のパズルか分からないのだが、500ピースと書いてあるのでおそらくジズソーパズルだと思われる。

よりによってホワイト・アルバムのジズソーパズルというところが洒落が効いている。だってこれ、無地なんだもの。このアルバムの正式なタイトルは『ザ・ビートルズ』だが、白無地ジャケットのために、一般的にはホワイト・アルバムと呼ばれている。もっともこのパズルには、左上や下の方に、オリジナルには入っていない文字があるので、完全な無地ではない。さすがにこういうものは私は買わないのだ。荻村伊智朗のジグソーパズルがあったら珍しいので買うと思う。

セレブリティ・ピンポン

本屋に行ったのにはわけがある。
王国編集部の友くんから、ハリウッドで卓球がブームで、「セレブリティ・ピンポン」という雑誌まで創刊されたという情報が入ったのだ。http://www.mtvjapan.com/news/cinema/14861

それで本屋に行って雑誌のコーナーを見たのだが、見つからない。仕方がないので店員に「セレブリティ・ピンポン」という雑誌があるかどうかを聞くと、「ピンポンの雑誌ならここだ」と案内された。その雑誌じゃないにしても、卓球の雑誌があるなら嬉しいことだと思ってそこを見ると「ペイントボール」の雑誌だった。またか・・・。こういうことはしょっちゅうだが、やはり慣れない。

本屋の光景

今や日本のマンガは世界中から注目され、アメリカでもポピュラーになっている、などとマスコミはかなり前から言っていたが、実際にドーサンで本屋に行ってみると、日本のマンガなどごくわずかしか置いてないし、知っている人もいない、というのが8年前にここに来て感じたことだった。

先日、ひさしぶりに同じ本屋に行ってみて驚いた。途方もない量の日本のマンガ(もちろん英語版)が置いてあるのだ。通りの一列がみんな日本のマンガだった。こんな田舎でそうなのだから、どうやら本当に日本のマンガはアメリカでポピュラーになっているらしい。ちなみに、どの本も日本と同じく、ページもコマもコマ内の時間経過もすべて右から左へと進行していて、ただ書かれている字が左から右へと読む英語になっていた。値段は一冊8ドルとやはり高い。

テレビでは深夜の時間帯に、ナルト、犬夜叉、ブリーチ、ワンピース、デスノートなどをやっている。暴力シーンがあるからか、すべて大人用の放送になっている。8年前には巨人の星、キャンディキャンディなどしか見なかったので、この間にかなり日本のアニメもポピュラーになったものと思われる。

「ヤオイマンガ」と書いてあるマンガが気になったが、いったいどういう了見だろうか(UFOじゃないぞ)。

メモ紙

ビートルズファンの宮根さんが、シルクド・ソレイユという劇団がビートルズをモチーフとした「LOVE」というショーを見てきた。写真のようなメモ帳をお土産に買ってきてくれた。なかなかよい。

雑誌『卓球界』

ネットで注文した雑誌『卓球界』が届いた。1950年の月刊誌だ。

まだ日本は世界選手権に参加しておらず、荻村伊智朗が高校一年生で卓球を始めようというころの雑誌だ。「50年の歴史ある日本の卓球は世界に通用するか」などと書いてある。それから今日まで58年経っているわけだから、この雑誌の時代は、1902年に日本に卓球が伝来してから今日までのだいたい中点ぐらいに位置するわけだ。この雑誌の向こうに残り半分の豊饒な歴史が横たわっていると思うと、なんとも感慨深い。

また、当時、全日本選手権を4連覇していた藤井則和選手が、大学の卒業試験で替え玉受験したことが発覚して除名された記事が載っている。さらに、タマス創業者の田舛彦介がまだ現役選手で、全日本選手権の混合ダブルスで優勝した記事もある。

それにしてもこの「連載卓球小説」はつまらない。

『小さい、速い、制御不能 (Small, Fast, Out of Control) 』

7年前の2001年、バタフライのホームページに、ドイツの映画学校の生徒が卓球を題材にした映像作品を撮って賞を受賞したとの記事が載った。http://www.butterfly.co.jp/news/category/archive/fw011018.html

「小さい、速い、制御不能(Small, Fast, Ouf of control)」という作品だ。どうにかしてこれを見たいと思い、記事を載せたタマスさんに問い合わせたが、わからないという。それで、卓球のDVDなどを作っている仁禮さんという知人に相談したところ、手を尽くしてくれて、結局、ITTFの榎並さんを介して、ドイツ在住の守永さんという方がテレビ放送をVHSテープに録画したもののコピーを入手することができた。

これが筆舌に尽くしがたい素晴らしい作品なのだ。題名は、もちろん卓球競技の恐ろしいまでの緻密な世界を表現している。この題名だけで、もうこの作品の監督が只者ではないことがわかる。今や世界のトップ選手となったドイツのエース、ティモ・ボルの成長期の卓球にかける日常を1年間追い続けたドキュメントだ。過剰な演出を排した淡々とした日常描写と、挿入される卓球の映像のバランスがすばらしく、なぜか泣けてくる。ボルが自分のフォアハンドの連続写真のパラパラマンガを無心にめくるところなど、演出に決まっているのだが、演出に見えないひたむきさがある。窪塚洋介主演の映画『ピンポン』と同質の感動があるが、すべてが本物な分だけ勝っている。ちなみに、『ピンポン』のラストで主人公が挑戦するドイツのブンデスリーガが、この作品の舞台となっている。『ピンポン』に感動した人は、ぜひこの本物のドキュメントを見て欲しい。

今、世の中にあるすべての卓球の映像のなかで、最高の芸術的作品だろう。難点は90分とちょっと長いことと、ドイツ語なのでさっぱり意味が分からないことだ(後に守永さんが全訳をしてくれた)。

もっとよい画質で英語字幕でこれを見たいので、DVDが欲しいとずっと思っていたが、映画学校の生徒が作った作品では、DVDは出てないだろうとあきらめていた。しかし昨夜、ふと思って、ドイツ語の原題”Klein, schnell und auβer Kontrolle”でネット検索してみたら、なんとDVDが発売されているではないか。当然、英語の字幕付だ。もう、狂喜して注文をしてしまった。サイトがドイツ語ばかりでわけがわからなかったが、このDVDが手に入るなら間違って1万円くらい払っても全然かまわないので、適当に入力して、とにかく注文をした。

日本の卓球メーカーはぜひともこれの日本語字幕版のDVDを発売して欲しいものだ。売れないはずがないと思うんだがどうだろう。YouTubeでもずっと見つからなかったが、やはりドイツ語原題を入れたら出てきた。http://jp.youtube.com/watch?v=eoySyFLEd44
ちょっとこれを見ただけで、ただ事ではない映像作品であることが、卓球ファンならわかるはずだ。ボルもかっこいいし、音楽もたまらなくいい。すべての卓球ファンはこれを見るべきだ。これを見ないで何を見るのだ?という感じだ。

DVDの発売サイトはこちら。http://www.doccollection.de/index.php?cat=KAT01&product=002

もちろん、トラブルの責任は負いかねる。なにしろ私も昨夜注文したばかりなのだから。それにしてもこのDVD発売元、売る気があるんだろうか。ドイツ語ばかりのサイトでは、誰もこんな作品があることに気づかないではないか。世界中の卓球ファンがこんな作品を待っているというのに。

単板と合板

みなさんは「合板」という字をどう読むだろうか。

合板という字は、卓球選手にとって極めてポピュラーな日常用語だ。卓球のラケットはその材質の85%以上の重量が木とルールで決まっているので、一枚の木でできているのを単板、何枚かの木(通常、3枚~7枚)が貼り合わされてできているのを合板と読んでいる。

私のまわりの選手たちは、これらをあたりまえのように「たんばん」「ごうばん」と読んでいた。ところが、あなた、単板という字はパソコンでは変換されないではないか。それで広辞苑をみたら、そもそも単板という単語が載ってないのだ。「たんはん」「たんばん」「たんぱん」いずれでも出てこなかった。

次に合板を調べると、我々が慣れ親しんでいる「ごうばん」も広辞苑に載っていない。載っているのは「ごうはん」だ。ということは、卓球選手以外の人は合板を「ごうはん」と読んでいるのだろうか。しかしパソコンでは「ごうはん」「ごうばん」いずれも「合板」と変換されるので、一応、どちらも通用はしているようではある。ちなみに、ウィキペディアもやっぱり「ごうはん」としか書かれていないし、単板にいたっては載っていない。ただし、ネットで検索すると、各方面の専門用語として単板という単語は結構みつかる。しかしふり仮名が書いていないので、どう読むのが通例なのかはわからない。

卓球を始めて30年、今頃こんなことが分かるのは楽しい。