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石川のこと

杉浦くんが石川を詰問した話を書いたが、実は私も似たようなことをしたことがある。どうも石川のあやふやなところに突っ込みたくなってしまうのだ。

あるとき石川が「徹夜をすると疲れてヒゲが伸びるのが早くなるんですよ」と言った。私はこういういい加減な話が嫌いなのだ。「それ、誰か測定した人がいるのか?」というと石川は「そんな、測定しなくたって明らかですもん」と言う。いよいよ腹が立ってくる。「お前ね。そりゃ常にヒゲは伸びてるけど、普通に寝た場合と徹夜を比較してどっちがヒゲが伸びたかなんて、5倍も差があるならともかく、測ってみもしないでわかるかね。徹夜で顔がやつれていることだって判断に影響が出るだろ。そういうデタラメな話は止めろ」と言った。石川は「こんな話で”データあるのか”なんて異常ですよ条太さん」と言われたが、石川の話はどうも私のセンサーにひっかかってしまうのだ。

もっとも私だって誰にでもこんなことを言うわけではない。大学で工学を学んでいる奴がそんなことを言うから腹が立ってくるのだ(しかも彼の研究室は計測工学なのだ!)。そしてこういう怪しい話を持ち込んで断言するのはいつも石川なのだ。

このヒゲの話には実は背景がある。「徹夜をすると疲れてヒゲも伸びなくなる」というまるで正反対の話を会社の上司から聞いたことがあるのだ。さすがに反論はしなかったが、こんないい加減な話をまともに聞くつもりは私にはない。

杉浦くんのこと

久しぶりに用具マニアの杉浦くんについて書いてみたい。といっても卓球の話ではない。杉浦くんという人間の特異性についての話だ。

杉浦くんは科学的な根拠のある話以外はまず信じることはない。私もその傾向があるが、杉浦くんにはとても及ばない。霊魂、宇宙人、超能力といったオカルトは論外としても、ちょっとおもしろそうな俗論でさえ門前払いだ。

あるとき、石川という後輩が杉浦くんに「兄弟構成によってある程度性格が分類されるって知ってますか」という、占いに半分足を突っ込んだような怪しい話をした。すると杉浦くんは途端に不機嫌になり、「お前、そんな話、誰から聞いた?」と詰問したという。石川が「研究室の先輩からです」と言うと「その先輩はどういう人なんだ?」とさらに聞き返したという。「どういう人って、普通の人ですけど?」というと、杉浦くんは「どこがどう普通なのかその特徴を言ってみろ」と迫ったというからエグいではないか。さすが杉浦くんだ。「いやあ、杉浦さん怒っちゃって困りましたよ」と石川は私に言った。

この話を後で杉浦くんにすると、これは石川の誤解と誇張らしい。たしかに石川はいつもあやふやなことを言う奴なので、恐らくそうなのだろう。しかし、この話はいかにも杉浦くんらしいエキセントリックな話なので、とても気に入っている。

杉浦くんは、あまり世間のことには興味がなく、すべてのことを科学的思考にもとづいた自分の理解の仕方でしか絶対に納得しない。

幼少の頃から科学少年だった杉浦くんは、飼っていた亀を冬眠させようと布でグルグル巻きにしてタンスの引き出しに一冬しまい込んで腐らせたり、アルミホイルを電極にして自動車のバッテリーをミミズに通電して「ミミズの電気分解」実験を行ったりという逸話を残している。卓球のラケットの自作もこの延長にあるのだ。

ちなみにマンガはほとんど読んだことがなく、読み方もあまり知らない。唯一、私が読ませたつげ義春の「ねじ式」を最高のギャグだと絶賛されたが複雑な気持ちだ。

こう書くと、かなりとっつきにくい人間のように思うかもしれないが、これで実は極めて温厚で誠実で人間が大好きで人づき合いもよくギャグも得意なのだから、まったくなんと形容してよいかわからない奇妙な人間なのである。

日本代表の審判まわし

3番弟子の小室から、日本代表クラスの審判回しの実力についてメールが来た(審判まわしについては1/9参照)。

昨年、仙台でビッグトーナメントがあったとき、岸川と韓陽が簡単そうに一発で成功させていたそうだ。そういえば、松下浩二も何かの試合中にやったのを見たことがある。

そんなことを練習しているはずはないから、この程度のことは勘ですぐにできるようなボール感覚を持っているということなのだろう。なお、私と小室はこれに何時間か挑戦したことがあるが、ただの一度も成功していない。んー、まあ、そういうことだ。

外山恒一

Youtubeで面白い人を発見した。すでに、ある世界では有名な人のようなので、今さら、と思う人もいるかもしれない。

東京都知事選に立候補した、外山恒一(とやまこういち)という人だ。
とにかく面白いのでその政権放送を聞いて欲しい。
http://www.youtube.com/watch?v=l2C9lv5t0yQ

都知事選の候補演説で政府転覆を訴えるというところが凄い。自分たちを少数派だと称し、「選挙なんか我々少数派にとっては何の意味もない。所詮、多数派のお祭りに過ぎない。多数決なんだから多数派が勝つに決まってる」となかなか面白いことを言う。最後に、「もし私が当選したら、奴らはビビる!・・・私もビビる」と締めくくっている。

別の映像をいろいろと見ると、普段の外山はこの演説とは違って極めて温厚でユーモアのわかる人だ。そしてこの演説を持ちネタにしており、街頭で一字一句違わない演説をしてみせて客を喜ばせたり不安がらせたりしている。このパフォーマンスは、途中で興奮して声が裏返るところまで演出で、何度も練習したのだという。

さて、ここまで書くと、この人は悪ふざけのすぎるコメディアンなのかと思うだろうが、さらに凄いのは、実はこの人、主張そのものは完全に本気のようなのだ。ここが恐ろしいところだ。面白い人だと思ってうっかり投票しようものなら、どうなるかわからない人なのだ。

外山恒一、この名前を覚えていても損はないだろう。

神様の話

ニックネームのことで思い出した。大学時代、所属していた卓球同好会に(卓球部と両方入っていた)、『神様』というあだ名の先輩がいた。もう日常的にトランプや麻雀や卓球をやりながら『神様見なかった?』などと普通に言っているのだ。ときどきふっと我に返りながら「それにしても異常なあだ名だな」と思ったものだ。

なぜ『神様』なのかというと、あろうことか留年の神様なのだ。私の大学では、卒業までに4回まで留年が許されるのだが、その先輩はすでにその制限を一杯まで使っていて、大学院に進んだわけでもないのにもう7年だか8年大学にいる人だったのだ。それでいつしか後輩たちから(同輩たちはとっくに卒業している)留年の神様と呼ばれるようになり、それで『神様』になったのだ。

まさか就職したときに会社で「神様って呼んでください」とは言っていないと思うが。

ニックネーム

今週からテイラーという新入社員と働いている。ニッサンの工場で4年間働いた後、今月、私のいる会社に入社してきたのだ。彼は自己紹介のときに「テイと呼んでくれ」と言った。Taylor(テイラー)だからTaye(テイ)がニックネームだという。

こういう話は他にもある。アメリカではロバート(Robert)のあだ名はボブ(Bob)だし、ウイリアム(William)のあだ名はビル(Bill)というように決まっている。もちろんニックネームをつけない人もいるし、本名がボブやビルの人もいる。

これらに比べればテイラーがテイとは簡単だ。またひとつ覚えたと思って、この話をティム:本名ティモシーにしてみると、そんなニックネームは聞いたことがないという。「さてはあいつ、勝手に自分で考えたんだな」と私が喜んでいると、ティムは急に真顔になって「それは本人に言わない方がいい。それは異文化を揶揄することになり、彼らは差別に敏感だから」という。テイは黒人なのだ。

それはさておき、ティムは得意の長話でアメリカ人のニックネームについて語ってくれた。一般に女性はニックネームを持たない傾向があり、もっぱら男性がニックネームを使うという(そういえば日本人と同様、女性の名前は短い)。ニックネームで名乗るのは、大人の男になったような誇らしい気持ちがあるという。ティムは小さい頃は本名のティモシーと呼ばれていたが、成長期に「俺は男だ」という感じで「ティム」と名乗り始めたという。だが両親には未だにティモシーと呼ばれて「子ども扱い」されていて、それはボブもビルもそうだろうとのことだ。会社には大人でもロバートと名乗っている人がいるが、彼はボブと名乗るきっかけがなかったか、知人にボブという人がすでにいて、自分の独自性を出すためにあえてロバートのままにしたか、そんな理由だろうとティムは語った。

彼らにとって短縮形のニックネームは親しみの象徴ではなくて、大人の男の象徴なのだ。これは日本人の感覚だと逆のような感じがする。ただし免許証や賞状などでは当然、正式名が書かれる。

もうひとつ日本人と大きな違いがある。それは、日本人は普通、ニックネームを自分では決められない、仮に決めても相手がそう呼んでくれる保証がないということだ。もちろん中にはハッシーだのアッシーだのと自分で名乗って成功している人も私の周りにいるが、それは少数派であり、たいていはカジヤンとかズンズとか、必ずしも呼ばれたくもないあだ名で呼ばれるのが一般的だろう。

これをティムに言うと、それはアメリカ人にはありえないという。もし自分が誰かにティモシーと呼ばれたら「ノー、俺はティムだ」と必ず訂正するし、それでもティモシーと呼ばれるようならその人とは話をしないという。日本人がこれをやったら「ちょっと我が強い人」という印象になるだろう。こんなところにも個を優先するアメリカ人の考え方が出ていて面白かった。

ところでテイのことだが、後でアキラくんに話すと、なんのことはない、テイはニッサンにいたときに日本人からテイとニックネームをつけられ、それが気に入ってそのまま名乗っているだけなのだという。黒人文化とは何の関係もなかったのだ。ちなみにテイも私の会社のアメリカ人がそうだったように電子メールに自分の名前をTaye-sanと書いてきた。アメリカ人が自分の名前にMrやMsをつける習慣からくる誤解だ。日本語では自分の名前に「さん」はつけないということを、ニッサンで4年間いても教えられなかったものらしい。すぐに教えてやった。

日本食レストラン『KOBE』

昨夜は、日本から新しく赴任してきた二人の歓迎会が近くの日本食レストラン『KOBE』であった。『KOBE』といっても神戸牛が出るわけではない。アメリカによくある寿司と鉄板焼きがメインの日本食屋だ。ここのオーナーは日系2世の人で、顔はすっかり日本人だが、日本語はあまり得意ではない。ある程度は話せるのだが、宮根さんによると、帰り際に深々と礼をしながら「じゃあね」と言ったという。

トイレの表示もおかしい。アルファベットとはいえ、せっかく日本語らしきものを書いているのに、男も女も間違っている。こんな短い単語を間違えないように書くことがそんなにむずかしいのだろうか。

ちなみに赴任してきたうちのひとりはなんと小学校で卓球をやっていたという人で、今からその実力を楽しみにしている。

脱力広告

雑誌『ムー』からの脱力する広告を紹介する。

宝くじまで当たる幸運のペンダントだそうだ。なんとも凄いことで。

また、変な「気」の写真が取れるというおじいさんも凄い。「私たちは科学一辺倒の中で眼に映るものだけが全てであると思いがちですが」とある。そんなことを思っている人はどこにもいないと思うんだが。電波も音波も眼に見えないし。気を出すおじいさんの反り返った姿勢がグッドだ。

心霊写真もそうだが、こういう人たちはカメラを霊の映る魔法の箱だとでも思っているのだろう。

『ムー』新刊

日本からの出張者がオカルト雑誌『ムー』をお土産に持ってきてくれた。いくら私がオカルト好きを否定しても、わざと買ってくるのだ。

今月も頭の痛くなる記事が満載だ。
いきなり表紙から「金星に人工構造物発見!!」とある。記事を読んでみると「太陽に近い分だけ受け取るエネルギーも多いから、惑星としての進化も速く、地球よりずっと前に生命が誕生し、加速度的に進化して知的生命体が出現、金星文明まで発祥したかもしれない」そうだ。受け取るエネルギーが多すぎればすべて焼き尽くされることは思いつかないようだ。

UFOにさらわれたひとたちの話もあいかわらずだ。記事によれば「アメリカ人の約5人にひとりが、夜中にだれか知らない人、あるいは何らかの存在が部屋にいるのを感じ、金縛りあったように目覚めた体験をもつという驚くべき実態が判明」したそうだ。驚くほどのことではないと思うが。

さらに「成人のアメリカ人のうち、8人に1人に近い割合で、なぜだかは思い出せないが、1時間以上にわたって迷子になったことがある」「10人に1人が、なぜか、どうやってかはわからないが、実際に空を飛んだ経験があると感じている」そうだ。たぶん空港で迷子になって飛行機で空を飛んだんだろうと思う(笑)。

「初めて地球にUFOや異星人がやってきたのは、いったいいつのことだろうか」というコラムもあるが、「いつか」を考える前に、本当に来ているかどうかを確かめるのが先だと思うがどうだろう。

読者からの投稿コーナーもそれらしいイラストや破格の体験談で埋め尽くされている。それにしてもスピリチュアルアイドルってのが妙に気になる。可愛いんだが、やっぱり気ィ狂ったような話するんだろうなこの顔で。

卓球の戦型

先日、ふと大学の後輩が所属している卓球サークルのウエブサイトを覗いてみた。

そこのメンバー紹介を見ると、それぞれの戦型が書いてあった。それを見てつくづく思うのは、卓球って本当にいろいろ戦型があってマニアックな競技だなあということだ。そこに紹介されていたメンバーの戦型は以下のようなものだ。

「シェーク異質攻撃型」「ペン表ソフト攻撃型」「シェーク両裏ドライブ型」「シェーク異質オールラウンド型」「左シェードラ」「ペンドライブ型」「ペン両裏ドライブ型」「ペン異質反転型」「カット型」「シェーク裏ツブ」「シェーク裏裏ドライブ型」

この中には同じ意味でダブっているものもあるが、ともかくそのサイトの表現をそのまま転記した。卓球をしていない人から見ればまるで意味の分からない呪文のような表現だろうが、この意味がすべて解る自分がちょっと嬉しい(卓球をしている人なら誰でも解るんだけど)。

それにしてもこのクラブ、ちょっと戦型がバラエティに富みすぎている。ないのはシェーク両面表ぐらいじゃないか(実は私はそれなのだ)。大丈夫か五十嵐。