大橋先生とは翌日もお酒を共にしたが、今度は朝日新聞社の編集委員である稲垣さんが加わった。編集委員とはよくわからないが、まあ学級委員のようなものだろう。稲垣さんはスポーツの担当記者だった関係から、卓球王国で「記者席からの目線」という連載をしていて、卓球界の外からの客観的な視点を提供してくれる貴重な存在であり、私は何度かお会いしていて懇意にさせていただいている。
朝日新聞社は秀才が多いと聞いていたが、稲垣さんはなんと高校のときに駿台模試で全国で4位になったことがあるという。そんな人は冗談でも聞いたことがない。卓球でいえば今回の上田と吉田海偉レベルだ。もう耳から脳みそがはみ出るかと思うほど頭が良い人なのだ。そのためか飲み会でも、やれ国家予算がどうのスポーツの助成金がどうのと、日常会話では出てこないような話を極めて難しい顔で語っていた。ときどき冗談を言うらしいが、なにしろ難しい顔なのでどこからが冗談だったのかわからない場面もしばしばなのであった。
稲垣さんは親の仕事の関係で幼少時からアメリカと日本を行ったり来たりして暮らしており、英語も完全にネイティブであり、そればかりか最近は中国語も話すという。恐るべし朝日新聞である。
朝日新聞といえば、左翼的だと言われることが多いが、それは会社の方針で決められていることなのか、もともとそういう傾向の人が入社をするのか聞いてみると、記事の内容について上からそういう指示をされたり修正を強要されたりすることはないという。したがって、もし左翼的な傾向があるとすれば、もともとそういう人が入りやすい会社だということになるのだろう。
大橋先生も北海道最年少の校長だけに絶好調で、ついにはご自分のサインを披露するに至った。卒業生の色紙に書くときにいちいち考えると時間がかかるので、決めているのだという。
しかしこれだけ書いたらかえって時間がかかるような気がするのは気のせいだろうか。たぶん、書きたくて仕方がないのだと思う。
ちなみに、胸についているのは右翼の象徴「日の丸」かと思うとそうではなく大橋のOなのだという。英語はコンセントレーション、つまり「集中!」だ。うーむ芸が細かい。