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ブラックバルサ7.0[TSP]

●攻撃用ラケット
●木材3枚+グラスファイバー2枚
●重量:70g±
●グリップ:FL・CHN

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バルサ材は“軽い”だけではない
攻守で違う顔を持つ
信頼“厚き”優秀ギア

 言わずとしれた軽量木材のバルサ材。他にはない圧倒的な軽さと適度な弾みがウリで、「超軽量」を謳うラケットには必ずと言ってよいほど使用されている人気木材だ。この『ブラックバルサ 7.0』もそんな超軽量ギアのひとつである。
 7.0mmの肉厚バルサ材に、特殊素材のグラスファイバーを合わせた合板構成で、板厚8.5mmというかなり厚めのブレードにより、弾みはTSPのスピード表記で最も速い「ファースト+」に位置する。しかし、その見た目と弾みに反して平均重量は70gというからさすがはバルサ材。まさに「軽量&高反発」の代表格のようなラケットだ。しかし、実際に打ってみると、「軽くて、弾む」だけではない、このラケットの新たな顔をのぞかせる。
 最初に打った時の感想は、「予想以上に弾む」。特に初速の速さが特徴で、フラット気味に打った時の打球感は非常に心地良く、ドライブは厚めにとらえると低い弾道で、かなりスピーディーに飛んでいった。そして、意外だったのがブロックのやりやすさ。初速が速い第一印象とは全く違い、ブロックではしっかりと威力を吸収し、不思議と相手のコートにおさまってくれるのだ。一体なぜ、ここまで弾みの印象が変わるのか? その理由を開発担当のヤマト卓球・仲村錦治郎さんに聞いてみたところ、「このラケットは攻撃時はしっかり弾みますが、ブロックの時は軽さの影響で弾みがかなり抑えめになるのです。だから、飛ばす、飛ばさないのコントロールが非常にやりやすい設計になっています」とのこと。分厚いルックスとは裏腹に、“打って良し守って良し”の優等生タイプだったのだ。
 「確かに筋力のあるトップ選手には不向きのバルサ材ですが、非常に扱いやすいので中級者には最適な木材だと思います。ただ、今までは“頼りない”“安っぽい”イメージがバルサ材にはあったので、それを払拭するためにもブラックとゴールドの力強いビジュアルにしました。決して軽いだけのラケットではないので、ぜひ多くの人に使ってほしいです」(仲村)
 「バルサは非力な選手専用」という勝手な先入観はもうやめるべきだ。むしろ「勝ちたいならバルサ」が正しい認識と言えるだろう。『ブラックバルサ 7.0』は、今後のバルサブームの火付け役になるであろう一本なのだ。

●中芯に板厚7.0mmのバルサ材を使用し、グラスファイバーがさらに弾みをプラス。シリーズとしては、中芯5.0mmの『ブラックバルサ5.0』、3.0mm の『ブラックバルサ3.0』もある

担当:王国編集部