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インナーフォース レイヤー ALC.S[バタフライ]

●攻撃用ラケット
●木材5枚+アリレート カーボン2枚
●FL・ST・AN・CP
●板厚:5.5mm
●重量:約87g

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この球持ちと回転性能で
“素材1年生”の
ハートもわしづかみ!

 近年、特殊素材を使用した「素材ラケット」の大ヒット作といえば、バタフライの『インナーフォース レイヤー ALC』(以下:『ALC』)。15年4月に発売され、トップ選手にも支持を広げたことで人気に火がつき、一時は卓球専門店から姿を消す人気ぶりだった。
 タマス・研究開発チームの岩瀬祐介さんによれば、『ALC』の人気は衰え知らず。発売から1年以上が経過して落ち着きを見せるどころか、使いたいと考えるユーザーの幅がさらに広くなり、「もう少し弾みを抑えてほしい」「もっと回転をかけたい」という声も上がってきた。それに応える形で発売されたのが、この『インナーフォース レイヤー ALC.S』(以下『ALC.S』)だ。スピードより回転、威力より安定性を高めたモデルで、「S」は「Spin」を意味する。
 合板構成から再設計されたブレードは『ALC』よりも板厚が0.5mm薄く、打球時のしなりと回転を生み出す。「ユーザーの方がしっかり体感できるくらい、回転性能を高めました。『ALC』は台から下がる選手までオールラウンドに使えますが、この『ALC.S』は前陣主体でプレーする選手に適しています。板厚は薄めですが、球が軽くなったり、物足りなさを感じないよう設計しています」(岩瀬さん)。
 16年11月の発売以来、海外でも国内でも予想以上の反響があったというこの『ALC.S』。打球感はかなりマイルド。筆者は長年の木材ラケット愛用者だが、この『ALC.S』にはグラリときた。下回転系のボールに対するドライブ、相手のドライブを前陣でカウンターする時の球持ちが良く、キャッチフレーズである「もっとボールをつかむ」はダテではない。中陣での打ち合いには向かないが、サービスや台上プレーも含め、前陣ではどの技術も基本のスペックが高い。
 「弾まなければ素材ラケットを使う意味がないじゃないか」。そんな声も聞こえてきそうだが、素材ラケット特有の硬めの打球感、弾みはしっかり残っているように感じた。初・中級の選手がいきなりアウターでよく弾む『ALC』や『インナーフォース レイヤー ZLC』に飛びつくのではなく、その前のワンステップとして使うのにも最適だ。初級者の段階から長く木材ラケットを使い続けると、ハードな打球感の素材ラケットへの移行は意外に難しいが、この『ALC.S』なら早い段階から使っていけるだろう。
 メタリックなレンズのデザインは中高生の憧れの的。見ているだけで、腕前もワンランクアップした気分にさせてくれる。包容力のあるこの一本で、まずは素材ラケットへの扉を開いてみよう。

板厚は『ALC』より0.5mm薄い5.5mm。中芯のすぐ外側にアリレート・カーボンを配している

担当:王国編集部