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ヘキサー グリップ[アンドロ]

●スピン系テンション裏ソフト
●¥4,500+税
●厚さ:2.1・1.9・1.7㎜
●スポンジ硬度:45°

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ラザントの万能感、再び。
「ちょい上」の性能が、ジャストフィットじゃない?

 何という安心感だろう。軟らかめで粒形状はやや細めのトップシートが、しっかりボールをつかむ。『ヘキサー グリップ』の球持ちの良さは、最新型のスピン系テンションの売り文句である「グリップ力」とはひと味違う味わいだ。
 「『ヘキサー』なのに、なぜグリーンスポンジ?」とツッコミを入れたくなるこの『ヘキサー グリップ』。実は『ラザンター』シリーズの発売とともに廃番となった『ラザント グリップ』をベースにしながら、より硬く感じるようになったプラスチックボールに対応するラバーとして開発されたもの。だからスポンジもグリーンなのだ。同時に発売された『ヘキサー パワーグリップ』も、『ラザント パワーグリップ』がベースだが、スポンジ硬度を2・5度落として軟らかくするなど、ボールの変化に対応している。
 この『ヘキサー グリップ』の強み。それは抜群のコストパフォーマンスだ。
 「ラバーの設計は基本的に『ラザントグリップ』を踏襲して開発費をカットし、広告費なども抑えた結果、価格は『ラザント グリップ』の5500円から4500円(ともに本体価格)へ、1000円もダウンしました。実はドイツでは『ヘキサー グリップ』の価格は5千円台後半。日本の方々にもっとアンドロ製品を愛用してもらいたいと思っての勝負価格です」(アンドロジャパン・山崎譲治さん)。ちなみに山崎さんによれば、ユーザーからはやはり「ラザント復活」を望む声も多かったそうだ。
 改めて『ヘキサー グリップ』の性能をチェックすると、まず回転に対して敏感すぎず、良い意味での「鈍感力」があるのでレシーブのミスが出にくい。一方で自分から回転をかけにいった時は、ドライブ系の技術は自分の想像より少し速く、少し深く入る。ツッツキやストップもガツンとは切れないが、「ちょっと」切れる。
 通信簿で言うと「オール3・5」くらいだが、瞬間的に「4」かそれ以上の性能が出る。この想像の「ちょい上」感が、実戦では意外に得点につながるのだ。
 「格安×高性能」でヒットを飛ばした『GTT』シリーズに次ぐ、アンドロジャパンの「コスパシリーズ」第2弾。驚きや新鮮味はないけれど、この性能でこの価格なら、四の五の言わずに使う価値あり。抜群の包容力に、その身を委ねてみないか。

スポンジ硬度は『ラザント グリップ』と同じ45度。気泡が大きなスポンジと肉厚で軟らかめのトップシートでボールをグリップ

担当:卓球王国編集部