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ヴェンタス ベーシック[TSP]

1枚目には『ベーシック』。
ドイツ製高弾性が打ち立てる
初心者ラバーの新機軸

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1枚目には『ベーシック』。
ドイツ製高弾性が打ち立てる
初心者ラバーの新機軸

 ドイツラバーが3千円!? 何よりも低価格に驚いてしまう新製品がTSPから登場した。『ヴェンタス ベーシック』(以下『ベーシック』)である。
 「ドイツラバー=テンション系」というイメージがあるが、『ベーシック』は非テンションの高弾性裏ソフトラバー。一方、従来の『ヴェンタス』シリーズはスピン系テンションのヒットアイテムであり、TSPのドイツ製ラバーの最高峰という位置づけだ。
 ではなぜ、あえて非テンションの『ベーシック』をリリースしたのか。コンセプトは明確だ。卓球を始めたばかりのビギナーが1枚目に使うのが、この『ベーシック』。そして基礎技術を習得し、ラバーを貼り替える時期にさしかかった時に、2枚目のラバーとして、スピン系テンションの『ヴェンタス』シリーズへとグレードアップする。そういうわかりやすいコンセプトをTSPは打ち立て、初心者がラバー選びに迷わないラインナップを提供したというわけだ。
 TSPでは、ドイツ製『ヴェンタス』と平行して、日本製の『レガリス』『アグリット』『ライズ』という一連のシリーズもリリースしており、日・独のラバーが同程度の販売枚数があるという。これらの中では、非テンションの高弾性ラバーは『ライズ』のみだが、『レガリス』『アグリット』と同様に、ボールが飛び出す感覚が特徴のラバーだ。
 一方で、今回リリースされた『ベーシック』は、他の『ヴェンタス』シリーズがウリにするORC(Optimized Rotation Concept)、つまり回転がかかって弾道が弧線を描く使用感を継承している。
 実際に打ってみると、まさしくベーシックな打球感と弾み。高性能なスピン系テンションと比べると、当然ながらスピンもスピードも物足りないが、初心者の打球でも弧線弾道を描くので、安心感は抜群だ。ボールがラバーに食い込んで意のままにコントロールできるので、すべての技術をそつなくできる。ビギナーが使うことを考えれば、欠点は見あたらないと言えるだろう。
 他社の高弾性ラバーと比べても、さらに低価格。そつのない安心の性能。そして2枚目への移行で悩む必要なし。初心者用ラバーとして3つの好条件が揃った。尖った特徴がまるでないラバーだが、それこそが初心者用ラバーに求められる性能だろう。この春、ビッグセールスが予想される一枚と言えるだろう。

初心者用としてはややハードなスポンジだが、打球するとしっかりボールが食い込む

担当:王国編集部