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翔龍[ヤサカ]

●テンション系粘着裏ソフトラバー
●特厚・厚

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粘着なのに、この弾み!?
プラ対応ラバーに新風吹かす昇り龍

 昨年の初秋、プラボールが本格的に流通する前の時期に、本誌で編集部員によるプラボール試打企画を行った。当時、編集部員もプラボールを打った経験は少なく、セルロイドボールとの違いを探りながらの試打であった。その中で、ある編集部員が「すべる感じがあって、回転量の落ちるプラボールには、自分で回転を作り出せる粘着ラバーが合ってるんじゃない?でも粘着ラバーだとスピードと飛距離が厳しいか……」と語っていた。
 確かに、粘着性のシートならば、プラボールでも回転量は生み出せる。だが、回転同様にスピード、飛距離も落ちるプラボールでは、粘着性ラバーの欠点である弾みの弱さが、より際立ってしまう。ならば、回転重視の粘着性ラバーでありながら、テンション系に引けを取らないスピードを持つラバーがあるとしたらどうだろうか?
 なんと、そんな「良いトコ取り」な粘着性ラバーがヤサカからリリースされたのだ。この『翔龍』、3月に行われた新製品展示会でも専門店から好評を得ており、初回発売分は、発売当日に完売。大学生、実業団のトップ選手からも、高く評価されているという。
 この『翔龍』の魅力は、粘着性ラバーとは思えない弾みとスピードだ。粘着性シートでボールをつかまえ、ハードなテンションスポンジで弾き出されたドライブは速く低い弧線を描いて飛び出し、そのスピードと飛距離はこれまでの粘着性ラバーとは一線を画す。もちろん回転性能は抜群で、粘着ラバー独特の「クセ」も少なく扱いやすい点も魅力だろう。スピンテンション系に比べ、抑えめな価格もユーザーにはうれしい。
 独自の性能で、ジワジワと存在感を増しているこのラバーの開発経緯を、ヤサカ商品企画広報部マネージャーの秩父健太郎さんはこう語る。「当社のラインナップに粘着性ラバーがなかったこともあり、以前から開発を進めていました。従来の粘着性ラバーのネックはやはり弾み。その弾みを現在主流となっているテンション系に近づけ、そのうえで、粘着性ラバーならではの回転性能、台上の精度、ツッツキやストップの切れ味を損なわないように調整を重ねて発売に至りました。スピンテンション系と粘着性ラバーの中間的性能で、プラボール時代の新たな選択肢のひとつになると期待しています」。
 「回転特化、弾みイマイチ」という、従来の粘着ラバー像を破壊した『翔龍』。現在続々と「グリップ力」をウリにしたスピンテンション系がリリースされているが、それらとはひと味違ったアプローチで、プラボール対応ラバー戦線に新風を吹き起こす可能性を秘めた一枚と言えるだろう。

●肉厚な粘着性シートにハードなテンションスポンジを搭載。赤ラバーには赤色のスポンジの組み合わせとなる

担当:王国編集部