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テナジー05ハード[バタフライ]

●テンション系裏ソフト
●オープンプライス
●厚さ:特厚・厚

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驚くほど硬く仕上げた
ハードな05が登場

 4年ぶりに『テナジー』の新作が発表された。その名も『テナジー05ハード』。どんな新しい提案なのかと期待していた人にとっては、ややガッカリ感があるかもしれない。名前からは以前発売されていた『ブライスハード』のように、超トップクラス限定のラバーという香りがプンプンするからだ。
 トップシートの仕様は従来のままで、スポンジ硬度を変更。『テナジー05』より7度も硬い43度(バタフライ基準)のスポンジを合わせている。指で押してみても、ボールを打ってみても相当な硬さを感じ、『テナジー』独特の軟らかくつかんで飛ばす感覚は少ない。食い込ませるにはかなりパワーが必要だと感じた。
 すでにティモ・ボル(ドイツ)、李尚洙(韓国)、黃鎮廷(香港)が使っているとのことだが、やはりインパクトが強い選手でないと難しいようだ。
 「プラスチックボールが導入されてから、打球に回転がかからなくなったという声が多く聞かれるようになりました。以前から、一部のトップ選手には『テナジー』の中でも硬めのものを選ぶ選手がいました。『テナジー05』のハードバージョンであれば、ボールが変わっても回転のかかった威力のあるボールを打つことができます。一般クラスでも使いこなせる選手も多いと考えて発売することになりました」(タマス研究開発チーム・土屋祐一さん)。
 確かにグッと回転をかけた時の質の高さは、さすが『テナジー』と言ったところ。ボールをコートの深くへコントロールできるが、筆者の中級者レベルのパワーでは『テナジー05』ほどのスピードを出すことができなかった。
 特筆すべき性能は、グリップ力を活かしたカウンターの安定感だろう。相手のドライブに対して、ボールの上側をなでるだけで、鋭く刺さるカウンターが打てる。ツッツキ、ストップは浮かずに切ることができ、『テナジー05』を中国ラバーのような前陣ドライブ用の性能にチューンナップしたようなイメージに近い。
 昨年発売してヒットを飛ばしている『ロゼナ』は、「優しいテナジー」だが、このラバーは真逆の「難しいテナジー」だ。万人が待っていたラバーではないが、『テナジー05』が軟らかすぎると感じている選手には「待ってました」のラバーかもしれない。
 また、回転量を活かし、ボールに重さを加えたい前陣プレーヤーにも良いだろう。今まで多くの選手を満足させてきた『テナジー』は、この『05 ハード』によって新たなユーザーをつかめるのか。その動向に注目したい。

スポンジは従来の『テナジー』 より7度も硬い43度

担当:卓球王国編集部