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SK7クラシック[バタフライ]

●攻撃用ラケット
●木材7枚合板
●グリップ:FL・ST・CS(中国式)
●ブレードサイズ:157×150mm、CS 161×150mm
●板厚:6.8mm
●平均重量:89g、CS 88g

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がっちり合板、
ブルーのグリップ。
7枚の雄、ここに復活

 7枚合板が好調だ。
 国内男子トップクラスでは、木材以外の繊維素材を挟(はさ)み込んだ「特殊素材」ラケットが主流になりつつあるものの、木材ラケットの人気は根強い。中でも近年人気が集まっているのが、7枚合板だ。「5枚合板よりも弾み、特殊素材よりも球持ちが良い」というバランスの良さが、プラボール時代に人気を集めているのだ。
 そのような中、7枚合板の『SK7クラシック』が17年春に登場した。99年11月に発売された旧モデル『SK7』の復刻版である。旧モデル発売当初は5枚合板が主流の時代だったが、01年にボールの直径が38mmから40mmに変更され、弾みが求められる流れに乗って、『SK7』はヒット商品となっていく。男子トップ選手にも愛用者が増え、7枚合板のベストセラーとしての地位を築いていった。
 しかしその後、特殊素材のシェアが徐々に増加していった。そこでバタフライは木材ラケットの良さを再提案する目的で、ハイエンドな木材モデル『ハッドロウ』シリーズを15 年にリリースしたのだ。その際、『SK7』を含む従来の木材ラケットの多くが廃番になった。しかし、7枚合板の需要が再燃する中で、今回、かつてのベストセラーが装いを新たに復刻したという経緯だ。
 今回の復刻では、基本的に旧モデルが忠実に再現されている。現在の生産ラインで製造工程を見直した結果として、サイズなどにごくわずかな差があるが、性能的にほぼ同一で、品質と仕上がりは向上しているという。本体価格が千円アップしたが、「日本製として性能と品質を落とさず、ぎりぎりの利益でユーザーの要望に応(こた)えた価格設定」とのこと。バタフライ特殊素材モデルの実売価格は軒(のき)並(な)み1万円台後半以上、『ハッドロウ』シリーズも1万円近辺という中で、手に取りやすい価格設定はうれしいところだ。
 性能面については、すでに圧倒的な使用実績によるお墨(すみ)付きがある。最大の特徴は、厚めの板厚により木材ラケットとしてはよく弾むという点。バタフライ基準「反発特性」で比較すると、特殊素材系の『ティモボル ALC』の11.8より若干(じゃっかん)控えめの11.1という数値だ。中級以上で、弾みは欲しいが木材の打球感は手放せない選手に最適という点は、旧モデルから変わりない。
 その名はクラシックでも、現代卓球にマッチしたガッチリ系7枚合板。復刻から半年が経(た)ったが、セールスは順調だ。一度は卓球界から消えたブルー・グリップの存在感が、完全復活したのである。

グリップは旧モデルのブルーを引き継ぎつつ、より高級感を感じさせる新デザインに

表面から3枚目は木目の向きが縦方向で、弾みに強く影響を与えるため、厚めに設定

担当:王国編集部