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ワルドナー ディコン JO Shape[ドニック]

●攻撃用ラケット
●木材5枚
●グリップ:FL・ST
●厚さ:5.6mm
●平均重量:84g

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「JO」の神話は終わらない
キングが追い求めた
打球感を味わう

 今でも日本の卓球ファンに、「JO」という言葉は特別な響きを持って迎えられているようだ。
 スウェーデンが生んだ卓球界のキング、ヤン・オベ・ワルドナー。ドニックの『ワルドナー ディコン JO shape』は正真正銘の彼の使用モデルだ。ドニックからはその名を冠したラケットが数多く発売されているが、97年世界選手権、オールストレートでの伝説の優勝を飾った時に使用していたラケットだ。
 『JO shape』のJOは、彼の名前、ヤン・オベ(Jan-Ove)の頭文字。通常のブレードの『ワルドナー ディコン』に比べ、やや細長く感じる卵形のブレードで、台上の操作性が良い。天才ワルドナーはブレードの形状でも常識にとらわれず、自分のプレーに合ったブレードを追求した。ちなみに『JO shape』バージョンは3本のラケットがラインナップされているが、いずれも日本と台湾のみでの販売。日本でのワルドナーの人気の高さを物語っている。
 次に気になるのが「ディコン」という言葉だ。これはダイレクト・コントロール(Direct Control)を省略したもので、グリップ部分のサイドに切り込みを入れ、打球時の振動を吸収。ボールを打球した感覚がよりストレートに手に伝わる。
 木材5枚合板だが、強打時の威力はかなり高く、ボールがバウンド後に伸びる感覚がある。ワルドナーは40㎜ボールの導入後、ラケットを『ワルドナー センゾー カーボン』に変えたのだが、それは威力不足というより、「もう少しハードな打球フィーリング」を求めた結果だった。オール木材でも、威力では決して引けをとらない。
 そして、深く握れる形状と細めのグリップは、カーブやシュートなどの広角ドライブが抜群に打ちやすい。ボールを左右に曲げて相手を翻弄する快感が、このラケットの醍醐味だ。
 ……ただし、ワルドナーのプレーをイメージしすぎると、現実とのギャップにイライラが募る。性能はバツグンのラケットだが、その点だけはご用心あれ。

担当:王国編集部