●高弾性裏ソフト
●厚さ:MAX・1.9mm
16年春のメーカー展示会後、某問屋の人のセリフだ。「『ザック』?ありましたっけ? 『サンバ』の新作なら打ちましたけど」。つまり、それほど注目されていない用具だった。
なぜなら、このラバーは“高弾性”。一世代前どころか、二世代前のカテゴリーだ。なぜ今、高弾性なのだろうか。
「最近のラバーは回転とスピードの向上により、コントロールに苦しんでいるユーザーを多く見ます。『ザック』はスピン系テンションのようなグリップ力を持ちながら、意図的に弾みを抑えています。絶対的な威力では最新のスピン系テンションより劣りますが、選手のインパクトの強さに応じて入るので、初中級者の試打では「安心して強く振れる」、「良く入る」とのコメントが寄せられています」(ヨーラジャパン・小川洋さん)
『ザック』を試打した時に違和感があったが、この説明を聞いて納得した。打っていて、スピン系テンションと遜色ないグリップ力があり、ボールが高い弧線を描く。しかし、なぜか弾みだけは従来の「高弾性ラバー」なのだ。高弾性は確かに使いやすいが、ボールの飛び出し方向が直線的すぎて、スピン系に慣れているユーザーは使いづらい。グッとつかんで、上方向に飛び出す。回転はかかるが、扱いやすさは高弾性のまま。それが『ザック』の特徴なのだ。
ターゲットは初中級者だろう。飛距離が出ないので台から下がるタイプは難しいが、前陣であればオールマイティーにプレーできる。また、ラバーの重量がかなり軽量なので、スピン系が重いと感じている人にもオススメだ。
高弾性=古いという認識は『ザック』には当てはまらない。むしろスピン系の性能を持っているのに、あえて高弾性にカテゴリーしているようにも感じる。そしてユーザーが一番気にする価格は……高弾性ラバー級。コストパフォーマンスの良さも見逃せない一枚だろう。
42.5度のスポンジが、オールマイティーなプレーを可能にする
担当:王国編集部
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