2014年3月にリリースされた『ジェット・インパクト』。このシューズがジワジワとセールスを伸ばしている。卓球王国の用具売上ランキングでも、頻繁に上位にランクイン。ミズノ、アシックスと総合スポーツ用品メーカーのシューズが上位を占める中、存在感を見せている。
開発にあたり、狙ったメインターゲットは初・中級者層。体重移動や動きをマスターしている上級者層は軽さや素足感覚を重視したシューズを選ぶ傾向にあるが、初・中級者がシューズに求めるのは、「故障を防止するためのクッション性」と「激しい動きに耐え、長く使える耐久性」という見解のもと、開発されている。機能面はもちろん、ホワイトとシルバーを基調としたシンプルなデザインに、何と言っても5千円以下という価格設定。ユーザーにとって良いことづくしのこのシューズ、ヒットしないワケがない。
機能面を詳しく見ていくと、先に述べたようにクッション重視のモデルということで、ミッドソールは厚め。適度な弾力と衝撃吸収に優れたPHYLON(ファイロン)という素材が選手の足腰を保護する。実際に履いてプレーすると、床から足をポーンと跳ね返す心地良い反発力を感じる。アウトソールもグリップ力が高く、卓球特有の細かな動きに対応できる設計になっている。
アッパーも、それぞれのパーツに耐久性の高い素材を使用。また、このシューズのメインカラーである「白」にもこだわりが詰まっているという。白といっても、実際は少し黄色がかったり、グレーに近い色味になりがちなのだが、『ジェット・インパクト』が目指したのは“清潔感のある、きれいな真っ白”。その白さを実現するために、材料の選定、製造技術にも注力したという。
ヤサカのシューズと言えば1993年世界選手権優勝のガシアン(フランス)が長く愛用した、リーズナブルかつ高機能なロングセラーシューズ『Gプロ』(現在は廃盤)のイメージが強いが、『ジェット・インパクト』もその良さを継承。レベル、老若男女関係なく、多くの選手が手に取りやすいシューズといえる。
徐々に速度を上げてきた格安『ジェット』。今後、より多くの選手を羽ばたかせる一足となりそうだ。
厚みのあるクッション重視のミッドソール。適度な反発力も備えている
アウトソールはヤサカ独自のセパレート構造を採用。ゴム素材のグリップ力も高い
担当:王国編集部
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