粘着性テンション系裏ソフト
厚さ:MAX・2.0・1.8mm
実に意欲的であり挑戦的なラバーだ。ヨーラから発売された『ゴールデン タンゴ』は、ドイツ製のテンション系であり、粘着性のトップシート、スポンジ硬度はかなり硬い54度と「他のラバーとは違うぜ」という薫(かお)りをプンプンと出している。
まずは『タンゴ』という懐かしい響きもオールドファンの心を震わせる。『タンゴエキストリーム』や『タンゴメタリック』、『タンゴウルトラ』など、ヨーラのトップラバーに冠された名前だけに期待も高まる。『ゴールデン タンゴ』は一体どのようなラバーなのか?
「今までの粘着性ラバーは回転はかかりますが、インパクトの強い一部の選手しか扱えませんでした。『ゴールデンタンゴ』は硬いスポンジを採用していますが、トップシートがボールをつかみ、弾道が弧線を描きます。さらにテンションスポンジで弾みが上がっているため、扱いやすさが格段にアップしています。木材のみならず、特殊素材のラケットにもフィットするので、幅広いラケット選びができると思います」(ヨーラジャパン・小川洋さん)。
粘着性ラバーにとって、回転とスピードの両立は永遠の課題だ。回転を活(い)かそうとすると弾まなくなり、逆もまたしかり。そしてテンション系にすると何より「粘着らしさ」がなくなってしまう。クセ球と呼ばれる相手の台で変化する打球がないと、粘着を使っている意味がない。しかし、その心配は杞憂(きゆう)に終わった。
相手に何も言わず、フォア打ちを始めると「ラバー、変えた?」と聞かれた。一般的なスピンテンション系と弾道が明らかに違うため、相手がすぐに気づいた。今まで感じたことがないほど、ボールが上に跳(と)び、バウンドもホップする。伸びるというより、跳(は)ね上がる独特な弾道で、相手は取りにくそうだ。一方で強く前方にスイングした時は鋭く突き刺さるように入る。実に粘着らしい打球だ。
不思議なことは54度というスポンジでありながら打球感が硬くないこと。軟らかいトップシートがラバー全体の硬さを緩和(かんわ)し、角(かど)が立った印象はない。ヨーラが「粘着ラバー革命」というキャッチコピーをつけるほどの自信作は、実に新しい感覚だった。
このラバーが新たな一石を投じる。粘着ユーザーも、テンションユーザーもどちらも取り込む新粘着ラバーがデビューした。
かなり硬いスポンジだが、実際の打球感は柔らかい
担当:王国編集部
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