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バウムエスプリ インナー[ドニック]

●攻撃用シェークラケット
●グリップ:FL・ST
●合板:木材5枚+アミラドカーボン2枚
●ブレードサイズ:157×149mm
●グリップサイズ:101×22mm
●ドニック製
※唐橋卓球取引店のみの限定販売

手に取りやすいドイツのエスプリ。
インナー素材は“高嶺の花”じゃない

 知る人ぞ知るドイツの中堅、パトリック・バウム。そして知る人ぞ知る、ドニックの特殊素材ラケット『バウムエスプリ』。共通するのは「その知名度以上の実力」と言ったところか。
 選手のバウムは、ボル&オフチャロフというドイツの両雄と比べると陰は薄いが、高い実力を誇るサウスポー。2014年には世界ランキングを自己最高位の14位としたトップ選手だ。
 そして『バウムエスプリ』は、木材5枚のアウター(上板のすぐ内側)にアラミドカーボン2枚を配置した「王道中の王道」の合板構成。チームメイトの超人気モデルを連想させる1本だが、性能も期待どおりに仕上がっている。しかも6800円+税と、素材系としては破格値。隠れた名品と言えるギアだ。
 今回、この名品のバリエーションアイテムが、唐橋卓球オリジナル限定商品として開発された。『バウムエスプリ インナー』。名前からも予想がつくように、『バウムエスプリ』と同様の合板構成だが、特殊素材をインナー(内側)に配置したモデルだ。それにより、素材の特性がやや控えめになり、わずかに弾みが抑えられている。
 他にもマイナーチェンジがいくつかほどこされている。より球持ちの良い木材を上板に使用した点。ブレードサイズをコンパクトにした点(160×152mm→157×149mm)。それによりラケット重量をかなり抑えた点。そしてFLグリップをスリムタイプにした点。つまり「より使いやすい」チューニングというわけだ。
 価格も8千円+税と非常に良心的だ。しかも青・白のグリップデザインは高級感があり、手にした時の満足度は高い。
 「素材系にあこがるが、扱いきれないかも」「高価で手が出しにくい」……そのように素材系は“高嶺の花”と敬遠していた人にとって、『バウムエスプリ インナー』の性能と使いやすさ、そしてお求めやすさは、救いの手になるだろう。
 ちなみにこの限定商品、唐橋卓球取引店からの初回受注で、全数がはけてしまったという。つまり、専門店へ出回ったぶんしか在庫がないということである。用具の専門家である専門店が、「安心して薦められる」「確実に売れる」と判断した、というわけだ。インナー素材ラケット購入を検討している人は、早めにお店に行ったほうがいいかもしれない。

青×黒のアラミドカーボンが内側に配置。板厚は約5.8mmと標準的。『バウムエスプリ』より上板を球持ちの良い木材に変更している

担当:王国編集部