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ヨーラ ゼレブロ PBO−C[ヨーラ]

●攻撃用シェークラケット
●木材5枚+PBO-C2枚
●板厚:5.7mm
●平均重量:93g

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豪華なケースに鎮座(ちんざ)する
最強素材の剛剣、現る!

 合わせ技、一本。昨年秋にヨーラから登場した『ゼレブロ PBO−C(以下ゼレブロ)』は、思わずそう言いたくなるラケットだ。
 まず、ブルーが美しく映(は)える専用ケースに目を奪われる。コレクターズアイテムとして、ケースだけでも手元に置きたいと思わせる。アルミニウム製で、軽量ながら頑丈(がんじょう)な作りなので、オープン大会でフェンス際(ぎわ)まで下がってきた「ロビングマン」に踏まれてもビクともしない。
 ケースを開いて、ラケットを手に取ってみよう。こちらもなかなかスタイリッシュなデザインで、細かい部分までキッチリ仕上げられている。
 ラケット名にも冠(かん)されている『PBO−C』は、軽くしなやかで強度にすぐれ、「ザイロン」という名前で知られるPBO繊維に、弾性にすぐれたカーボンを交織(こうしょく)したもの。このパワフルな特殊素材を上板(うわいた)のすぐ下に配する「アウター系」の合板構成だ。
 『ゼレブロ』の最大の魅力は、何といってもドライブ対ドライブや、対ループドライブのカウンターで、回転やスピードに押されない力強さ。打球感はやはり硬めで、ボールの弾道も直線的になるのだが、「飛びすぎてオーバーミスが出そう……」という不安は感じない。
 これは5・7mmという薄めの板厚に加え、スピン系テンションラバーを貼って試打したことも理由のひとつだろう。ヨーラジャパンの小川洋さんによれば、『ゼレブロ』は「スピン系テンションや粘着系テンションなど、高い弧線を描くラバーを使う上級者向けに開発されたラケット」とのこと。近年はラバーのグリップ性能が飛躍的に向上し、硬めの特殊素材で威力を出しながら、回転でボールをコントロールできるようになっている。
 「もっと飛ばしたい!」というスピードマニアのユーザーには、同じ『PBO−C』に桧(ひのき)の上板を組み合わせ、7・1mmの分厚(ぶあつ)いブレードに仕上げた『ヨーラ ノビリスPBO−C』もある。ただ、最近は硬めのプラスチックボールが主流で、ボールとのマッチングも考えると『ゼレブロ』のほうがプレーの安定性は増すだろう。
 価格は2万円オーバーと、手を出すにはなかなか勇気がいるが、お年玉(としだま)をドカンとつぎ込むか、ハレの日の自分へのご褒美(ほうび)にするか。「4~5千円はケース代」と割り切って考えることもお忘れなく。

アルミニウム製の専用ケースに入れて販売

木材5枚+特殊素材2枚で、中芯に桐を使用。
素材系ラケットの王道だ

担当:王国編集部