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P700[アバロックス]

●攻撃用シェークラケット
●木材7枚 
● FL・ST・CP( 中国式ペン)
●ブレード:158×150mm
 (中国式ペン:162×150mm)
●板厚:6.3mm
●重量:86~96g

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帰ってきたぞ、
アバロックス!
木材ラケットの
偉大なるレジェンド

 シンプルな木目(もくめ)調のグリップに、真紅(しんく)のレンズ。30代より上の選手なら知らない人はいない、一世(いっせい)を風靡(ふうび)したラケット・アバロックスが帰ってきた。
 90年代に中国の代表選手たちに愛用され、5枚合板の『P500』シリーズと7枚合板の『P700』シリーズが絶大な人気を誇ったブランド「アバロックス」。05年秋に日本での販売代理店だったニッタクが契約を終了し、国内では買えない状態が続いていたが、このたびアバロックスジャパンが新たな代理店として日本卓球協会の公認を取得。現時点ではホームページでの注文・販売のみだが、再び入手できるようになった。
 「かつてアバロックスを使っていた方は、当時と変わらない性能を求めています。スウェーデン製で、製造工程も基本的には変わっていません」。アバロックスジャパンの戸田純一さんはそう語る。
 筆者も今年で37歳。バリバリの「アバロックス世代」なのだが、試打する時は少々緊張した。昔好きだった歌手の歌を久しぶりに聞いたら、全然声が出ていなくてガックリ……たとえるなら、そんな落胆(らくたん)を味わいたくなかったからだ。
 ところが、『P700』から放たれる剛球は、そんな不安を吹き飛ばした。特筆すべきは対上回転のドライブの安定感。このラケットは96年五輪2位の王涛(ワン・タオ)(中国)が使用していたが、王涛と言えば「七色のバックハンド」に加え、シュートドライブの切れ味が天下一品だった。このラケットなら、カウンタードライブでグッと球をつかみ、右へ左へグイグイ曲げられる。台上技術でもボールの収まりが良く、コントロールは抜群。86~96gとやや重いのが、唯一の難点か。
 そして驚くべきことに、最新のスピン系テンションを何種類か貼ってみても、アバロックスはあくまでもアバロックス。ラケットの打球感で、ラバーの個性を包み込むような一体感がある。ユーザーの視線がラバーに集中する中、アバロックスはラケットが主役だった頃の、質実剛健(しつじつごうけん)な迫力に満ちている。
 プラボール対応の新しいチャレンジとして、9枚合板の『P900』やインナーカーボンの『ルイバ』もすでに発売されている。こちらの性能も大いに気になるところだが、『P700』もプラボールに打ち負けることは決してない。
 早くも注文が多数舞い込んでいるというアバロックスのラケット。「『三十年前からアバロックスを使っている』というお客さんもいますよ」(戸田さん)。しかし、オジサンたちに独占させておくのはもったいない。初めて聞いたという人も、一度は試しておきたい一本だ。

スウェーデンの木工技術を生かしたブレードは板厚6.3mm

担当:王国編集部