●攻撃用シェークラケット
●木材5枚
●板厚:5.5㎜
●重量:約88g
●ブレードサイズ:157×150mm
「銘木」という言葉がある。高級な家具などに使用される、希少価値の高い木材のことだ。
今、この銘木を上板に使った「銘木ラケット」が、木材ラケットの世界に新しい風を吹かせている。エボニー(黒檀)、ローズウッド(紫檀)、そしてウエンジ……。材質の軟らかいものもあるが、主流は硬質なタイプ。これまで上板の定番だった軟らかめのコト、適度な弾みのリンバを硬質な銘木に変えることで、プラボールにも打ち負けない弾みを確保する。
ニッタクがリリースした5枚合板ラケットの新作『トルネードキング』も、上板にウエンジを使用したトップ選手仕様の銘木ラケット。もちろん、単純に時流に乗ったわけではない。「上板は様々な種類の木材をテストしました。使用する接着剤まで変えながら試打を重ね、球持ちの良さに威力を加えるウエンジを採用しました」。ニッタク企画開発部の山本雄哉さんはそう語る。
ブレードの弾みを高める一方で、板厚はしなりを持たせる薄めの5.5mmに設定。山本さん曰く、相性が良いのは硬めのスピン系テンションや粘着性裏ソフトで、「ファスターク」シリーズなら『G−1』、「キョウヒョウ」シリーズなら『ネオ3』が最も合うという。
実際にいくつかのラバーと組み合わせて打ってみると、やはりオススメは粘着性裏ソフトとのマッチングだ。
球持ちの良いタイプの5枚合板と粘着性裏ソフトを合わせると、強く回転をかけないとボールが飛ばせない。しかし、この『トルネードキング』はラケットの弾みで、中陣からでも威力あるドライブが可能。「グン」と沈むような、独特の弧線を描く。一方、台上ではボールが上方向に飛び、ツッツキ・ストップは「さすが木材ラケット」という安定感を見せる。
木材ラケットのしなり、軟らかめの打球感は失われていない。ただ、回転量と球持ちの良さを求めるコアな木材ユーザーには、少しボールの飛び出しが早いかもしれない。硬質な上板の木材ラケットはまだ発展途上で、それだけに面白い。
「木曽桧」で有名な、長野県木曽のラケット工場で生み出される『トルネードキング』。木材加工の「聖地」で、職人が作る木材ラケットの最新系だ。
上板に硬いウエンジ、すぐ下の添芯(そえしん)にも硬めのパインという木材を配したブレード
担当:王国編集部
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