●守備用シェークラケット
●木材5枚
●FL・ST
●板厚:6.0mm
●重量:約93g
異変と言ったら、カット型の人に失礼だろうか。今年4月の卓球王国Webの用具ランキング・シェークラケット部門で、とあるカット用ラケットが7位にランクインした。
それがVICTASの『村松雄斗』。その名が示すとおり、17年世界選手権代表の村松雄斗選手(東京アート)の使用モデルだ。攻撃用ラケットが上位を占(し)める用具ランキングで、7位というのは快挙と言っていい。「想像以上に売れていますね」とヤマト卓球商品開発部の仲村錦治郎さんも語る。
この『村松雄斗』のベースになっているのは、村松選手が愛用する『松下浩二オフェンシブ』。カット用ラケットとしては反発力があり、安定感だけでなく一発の攻撃の威力も追求したラケットだ。反発力はそれに合わせながら、この『村松雄斗』は上板をマホガニからホワイトマホガニに変えることで、わずかに球持ちが良くなっているという。
残念ながら、卓球王国編集部にはカット型はいない。弊誌別冊の『卓球グッズ2017』での、トップクラスのカット型による試打結果を少し覗(のぞ)いてみると、各選手が挙(あ)げるのは「低い弾道」だ。
相手コートに突き刺さるような、低く直線的な弾道のカット。それはバック面に表ソフトを使用し、カットの変化でチャンスを作り、強烈な両ハンドドライブで反撃する村松選手のプレーにフィットする。試打者からは「攻守の切り替えがやりやすい」「回転に負けずに下回転が打てる」という声もあった。
直線的な弾道のカットは、相手が打ちにくい一方で、カット型としてもミスが増えるリスクはある。粘り抜く守りのカットよりも、変化をつける攻めのカットに適したラケットだ。
プラボールが導入され、さらにボールの材質も変化している現在、トップ選手も用具については模索(もさく)が続いている。「ラバーについては好みがある程度集約されるのに、ラケットは一人ひとり要望が違う。そこが面白いところですね。大会が続く中で、選手モデルの開発には難しさもありますが、より密(みつ)に選手の声を聞いて、より良い選手モデルを開発していきたいと思います」(仲村さん)。
白く輝く上板と、黒ベースでシンプルなグリップのコントラストは美しい。このラケットを手に、村松選手ばりのカットからの反撃を決めれば……周りから熱い視線を集めること間違いナシだ。
板厚は6.0mmで、上板にホワイトマホガニを使用
担当:王国編集部
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