丹羽孝希(明治大)のVICTASへの電撃移籍が発表されたのは、昨年の全日本選手権開幕直前のこと。その一報に驚いた卓球ファンは多かっただろう。しかしそれから1年が経ち、「丹羽=VICTAS」のイメージはすっかり定着した感がある。
そして、昨年の全日本直後から急激に売れ出したラケットがあった。丹羽が当時使用していたVICTAS『カルテット AFC』だ。それまで「隠れた名品」的存在だった1本は、一気にメジャーアイテムの仲間入り。トップ選手使用用具がセールスに与える影響の大きさが、改めて実証された。
しかし、どうせなら直接選手名を冠したモデルが欲しいところ。そんな1本が、ようやく2月下旬に登場する。その名もストレートに『丹羽孝希』だ。
このラケットは1年前には既に開発がスタートしていた。丹羽自身は『AFC』にわずかに弾みを加えたものを要望し、リオ五輪では中芯をわずかに厚く調整した特注版『AFC』を使用。このラケットを手に、シングルスでは黃鎮廷(香港)を下してベスト8に進出、そして団体戦では見事銀メダルを獲得した。その時のモデルを商品化したのが、この『丹羽孝希』という経緯だ。
性能面は『AFC』とほぼ同様。4枚の特殊素材を内蔵しながらも、板厚を薄くすることで球持ちを確保。前陣カウンターのやりやすさがウリだが、弾みが極端ではないので、中陣でのラリーもこなせ、オールラウンドに使えるタイプだ。もちろん板厚の分だけ、『AFC』より若干スピード性能がアップしている。
ちなみに丹羽本人とヤマト卓球社による用具開発は随時進行しており、同社開発部・仲村錦治郎氏はこう語る。「丹羽選手は、今年の全日本の時点ではTSP『スワットパワー』を使用していましたが、プレーの進化に合わせて、今後再び『丹羽孝希』を握るかもしれないし、また新たなモデルを選ぶかもしれません。いずれにせよ、丹羽選手のプレーを最大限に引き出すブレードを、常に追究して開発しています」。
世界でも他に類を見ないほどの電光石火のドライブ速攻を連発する丹羽。一般愛好家がなかなか真似できるものではないが、『丹羽孝希』が超速卓球を実現する性能を秘めると同時に、握れば「実現できそうな気分」を盛り上げてくれるのは確かだろう。
アウターの素材がフリースカーボン、インナーの素材がアラミドカーボン
「丹羽孝希」の4文字がひきたつシックなグリップデザイン
担当:王国編集部
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