●カット用ラケット
●木材5枚+フリースカーボン2枚
●¥12,000+税
●板厚:5.6mm
●平均重量:90g±
※12月下旬発売予定
今回紹介するのはVICTASの最新カット用ギア『松下浩二スペシャル』(以下、スペシャル)。シリーズ4本目、初の特殊素材ラケットとなる今作はどのようなラケットなのか。
まずは事前情報を入れずに試打をしてみたところ、その性能に驚かされた。最初にドライブをした時は、「結構弾む」という印象だったが、それとは裏腹にカットが非常に安定する。比較として試打した『松下浩二』(木材5枚)はカット用の王道らしく弾みは抑えめだが、カットの軌道がやや浮き気味になり、高さのコントロールに関して難しさを感じた。一方、『スペシャル』は自然と低い弧線を描き、高さのバラツキが少なく、若干の反発力の強さを感じつつもしっかりと台の中にボールが収まってくれるのだ。
この安定性の理由を、ヤマト卓球商品開発部の仲村錦治郎さんに聞いてみた。「ラケットは特殊素材を入れることでスイートスポットが広がり、当たる場所によっての飛び方のバラツキが少なくなります。つまり多少打球ポイントがずれても同じように飛ぶので安定性が増すのです。反発力に関しても、『スペシャル』は『松下浩二』の性能をベースに開発しているので、特殊素材入りですが飛びすぎることはなく、むしろ扱いやすいラケットになっています」。どうりでカット技術には自信のない筆者でも、安定した打球ができたわけだ。
また、『スペシャル』は、カットの習得初期にも最適と仲村さんは語る。技術レベルが低い選手がミスをした時、その原因がラケット角度のズレなのか、当てる場所のズレなのか、その理由がいまいちわからない。だから適切な修正ができず、同じミスを繰り返す。しかし、『スペシャル』はラケットに当たりさえすれば同じように飛ぶので、ミスの原因と修正点がわかりやすいという。
特殊素材入りで1万2千円、そして『スペシャル』という名を聞くと、ついつい“上級者専用”と勘違いしてしまいそうだが、実は初級カットマンにもオススメな『松下浩二スペシャル』。とはいえ、攻撃時には適度に弾み、カットではしっかり抑えが利き、軌道が安定する高い万能性は、当然ながら中・上級者にも大きな恩恵を与えてくれるはずだ。「カットは木材に限る」と思っている人こそ、この“特別な”一本を試してみてはいかがだろうか?
様々な特殊素材と合板構成で試行錯誤を重ねた結果、反発力の小さいフリースカーボンを採用した
担当:王国編集部
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