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リベルタ・ウィロー[ダーカー]

●カット用シェークラケット
●木材5枚合板+イザナス2枚
●グリップ:ST
●板厚:6.0mm
●ブレードサイズ:166×156mm

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高級柳材と新素材の
ハーモニーが誘(いざな)う
カットの新境地

 特殊素材ラケットが人気の昨今(さっこん)だが、素材の中で最近の注目株と言えば「イザナス®」だ。ダーカーが16年に世に送り出した『リベルタ』シリーズで、卓球界で初めて採用された素材である。
 白色のイザナス®は、その見た目のイメージに違(たが)わず軽く、衝撃を吸収する役割を果たすという。その一方で強度は非常に高い。包み込むような打球感を生みながら、強いインパクトではボールを力強く飛ばしてくれるというのだ。
 シリーズ初代の攻撃用ラケット『リベルタ・シナジー』には、イザナス®とカーボンを編み込んだ繊維が採用。そして翌17年の春にリリースされたのが、より攻撃力重視の『リベルタ・シナジー+』、そして守備用『リベルタ・ウィロー』である。
 実は攻撃用と守備用のモデルは、同時に開発がスタートしていた。イザナス®は掴(つか)む感触が特徴なので、カットラケットには絶対に合うという確信があったからだ。同社のカット用『スプラインD1』をベースに、同じ高級ドロヤナギ材を使用した守備用『リベルタ』が試作され、最終的にイザナス®はかなり内側に配置されることになった。カットマンが好む柳材の柔らかい打球感を最大限に生かすためだ。ボールを薄く捉(とら)えると柳材で抑えが効き、厚く捉えるとイザナス®で飛ばせる。攻守交える現代のカットプレーに向いたモデルとして、ダーカーは自信を持ってリリースしたそうだが、ユーザーからも「非常に良い」という声が集まっているという。
 高品質な桧単板ラケットで知られるダーカー。しかし桧材の高騰、ペンユーザーの減少を受け、社運を賭けて辿(たど)り着いたのが、新素材イザナス®だ。桧単板と特殊素材モデルは、イメージとしては真逆。しかし打球感の良さ、そしてラケットを手にした時の満足度という点で、両者に違いはない。
 ダーカーこだわりの品質に、新素材のスパイスが加わった『リベルタ・ウィロー』。カットマンを惹(ひ)きつけてやまない1本だろう。

衝撃吸収に優れて強度が高いという繊維「イザナス®」

白く見えるイザナス®がかなり内側に配置されている

担当:王国編集部