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アルネイド[ヤサカ]

●攻撃用シェークラケット
●木材5枚+PAカーボン2枚
●ブレード:157×150㎜
●板厚:5.8mm
●平均重量:85g
●グリップ:FL

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王道のブルー。
王道のアウター。

 特殊素材を使用したラケットには、「黄金レシピ」とでも呼ぶべき王道の合板構成がある。薄い上板(表面材)、バランス系の繊維素材、薄い添芯、そして中芯という、木材5枚+素材2枚の構成で、全体の板厚は5.5~6.0mm程度と比較的スリムに収めるというものだ。
 このタイプのラケットになぜ人気が集まるのか。詳しくは別冊『卓球グッズ2017』で組まれた特集「神ヒットラケット『ティモボル ALC』に挑むギア」を見ていただきたいが、バタフライ『ティモボル ALC』を筆頭に、各社がリリースする同系の合板構成のラケットの人気が、黄金レシピを証明している。
 3月にヤサカからリリースされた『アルネイド』も、まさにこの合板構成を採用したモデル。ヤサカが昨年6月から契約を結んでいる梁靖崑(リャン・ジンクン)(中国)の使用モデルとして開発された1本だ。すでに引退している馬琳(マ・リン)(中国)モデルの『馬林』シリーズの人気は衰えないが、中国若手のホープの要望を取り入れて開発された『アルネイド』は、ヤサカにとっては新たな主力製品に位置づけるモデルと言えるだろう。
 実際の仕上がりは、王道素材ラケットとしては若干スピード寄りの味付けで、ややハードで心地(ここち)良いボールの飛び出しが特徴。かといって、新開発の素材「PAカーボン」の特性により、打球感が硬すぎることはなく、攻撃的なドライブ用ギアとしてのバランスを保っている。
 グリップデザインも、ブルーとブラックでシャープにまとめられている。多くの男子選手が好みそうな、まさに王道のルックスだ。形状もややスリムなフレア型で、日本選手の好みに対応している。
 『アルネイド』は王道素材モデルとしては後発の部類だ。しかしその分、市場のニーズを的確にとらえた商品開発は、まさにヤサカの十八番(おはこ)と言えよう。トップクラスの王道両ハンドスタイルに憧れるなら、握るべきは王道のギア。『アルネイド』には選ばれる理由がある。

振動減衰性に優れたPA繊維とカーボンを組み合わせた「PAカーボン」をアウターに配置

担当:王国編集部