●攻撃用シェークラケット
●木材7枚
今や7枚合板ラケットの定番商品のひとつとなっている『スワット』。一般的に7枚合板と言えば、弾みが良く、硬質な打球感のものが多い。しかし『スワット』は7枚合板でありながら、球持ちの良さと回転のかけやすさ、手に響くようなしなりのある打球感が特徴で、本体価格5200円という抜群のコストパフォーマンスも相まって大ヒット商品となった。
そして昨年末、『スワット』シリーズに新たな仲間、『スワット パワー(以下パワー)』が加わった。初代『スワット』と同じ7枚合板だが、こちらは硬くて弾む“これぞ7枚合板”というタイプ。6.6mmと厚めの板厚が生み出す、破壊力がウリのラケットである。
『パワー』開発の経緯をヤマト卓球商品開発部の仲村錦治郎さんはこう語る。「広い層に人気のある『スワット』ですが、トップ選手を中心に『もっと飛んでくれれば』という声も多くあり、トップ選手でも使えるような弾みの『スワット』を目指して開発したのが『パワー』です。燻製木材の組み合わせや合板構成をいろいろ試し、打球感を硬くすることで反発力を強くしました。『パワー』と同じ木材を使用し、板厚を薄くした『スワット スピード』も同時にリリースしましたが、こちらは初速の速さを重視した前陣向けの性能。選手の感覚というのは繊細で、ほんの少し板厚や素材を変えただけでも好みが分かれます。『パワー』『スピード』が加わり、バリエーションが増えた『スワット』シリーズから、自分に合った1本を見つけてほしいですね」。1月の全日本選手権混合ダブルスで優勝した前田美優選手(日本生命)も現在このラケットを使用中。表ソフト面でのボールスピード、威力が気に入っているとのことで、表ソフトとの相性も良いという。
実際に打ってみると、やはり初代『スワット』とは別のラケットといった印象。初級者層からトップ選手まで、幅広い層が使える初代『スワット』とは違い、重厚感があるパワープレーヤー向けのラケットで、ガツンと捉えたボールは重く、速い。しなってボールをつかむ、という感覚ではなく硬質な木材でボールを勢い良く弾き飛ばすような感触だ。
初代『スワット』が「柔」の7枚合板だとすれば、『パワー』は「剛」の7枚合板。同じ7枚合板であっても、選手によって好みやニーズはそれぞれ。多様な選手に受け入れられるラインナップを揃え、「7枚と言えば『スワット』シリーズ」というイメージを確立しつつある。
プラスチックボールへの変更以降、7枚合板への注目度は高まりを見せている。その中において7枚合板らしい、硬さと破壊力を持った『パワー』は新たな7枚合板の定番となりえる可能性を秘めた一本と言えるだろう。
6.6mmとブレードは厚め。燻製木材を上板のみに使用することで、打球感が硬くなり、弾みがアップしたという
担当:王国編集部
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