●攻撃用ラケット
●木材5枚
●FL・ST
●板厚:7.1mm
●重量:約88g
コードネームのようなネーミングだが、聞けば北欧神話に伝わる戦いの神、『雷神トール』から取ったものだという。TR(THOR/トール)はともかく、1文字目の「R」は……なんと「Raijin」。「日本語じゃないか」とツッコミたくなるが、実はこのラケット、日本限定発売なのだ。
近年、価格上昇が続く日本の用具マーケット。「1万円未満の攻撃用ラケットを」というユーザーの声を受け、スティガの日本総代理店であるユニバーは、高品質でコストパフォーマンスの高いラケットの開発をスウェーデンのスティガ本社に打診。「それならば、日本のために作りましょう」とスティガ本社が動いた。スティガの心意気が見える一本なのだ。
開発のコンセプトは、ビギナー用のラケットで卓球を始めた選手が、次に選ぶ「2本目のラケット」。各メーカーが熱い視線を送るこのジャンル。スティガはジュニアやレディースでも握りやすい細めのグリップを採用する一方、7.1ミリの板厚で「弾み」を追求した。
実際に打ってみると、やはり弾きの強さはかなりのもの。フラットに当てた時は、力を入れずともカーンと飛んでいく。一方で、ボールを薄くとらえる「こする」打法の時は、それほど飛距離が出ない。そのため、ツッツキなどの台上技術はコントロールしやすい。パワードライブで打ち抜く上級プレーヤーには向かないが、まだパワーがない中高生や、あるいは表ソフトで叩いていく異質の選手には確実にフィットするラケットだろう。
スティガのラケットは、『オールラウンドエボリューション』から『エバンホルツNCT』シリーズや『インフィニティ』に連なる「しなって回転がかかる薄ラケ」が主流。しかし、「硬めで弾きの良い厚ラケ」である『クリッパーウッド』も、根強い人気を誇っている。この『RTR』はいわば『クリッパーウッド』の弟分。『RTR』からさらにレベルアップするなら、『クリッパーウッド』シリーズがオススメだ。
往年のスティガファンにとっては、デザインにもう少し渋さが欲しいかもしれない。しかし、高品質・低価格という伝統はしっかり受け継がれている。雷神の一撃の如き強打で初級の壁を破り、中級へとステップアップしてみよう。
スティガのラケットで最も厚い7.1mmの板厚。添芯が厚い独特の合板構成だ
担当:王国編集部
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