●攻撃用シェークラケット
●木材5枚合板
●グリップ:FL
●板厚:7.2mm
●平均重量:85g
今月号の表紙を飾るウーゴ・カルデラノ(ブラジル)。その彼が現在使用しているラケットが、この『ウーゴ・カルデラノ フォコOFF+』(以下『HCフォコOFF+』)だ。こう言われてもピンと来ない人は、まずは36ページからのインタビューと技術ページを見ていただきたい。ブラジルが輩出した若き期待の星の使用モデルに、俄然(がぜん)、興味が湧くに違いない。
『HCフォコOFF+』をリリースするのは、フランスの卓球メーカー「コニヨール」。カルデラノはコニヨール契約選手であり、彼の名を冠したモデルがリリースされたというわけだ。
このラケット、まずはブラック基調のデザインが印象的だ。そしてカルデラノをイメージさせるアイコンとしてあしらわれた、虎のエンブレムが目を引く。加えて、ぶ厚い板厚もまた特徴的だ。近年の男子トップ選手モデルというと、厚さ6mm以下の特殊素材使用モデルが主流となっているが、『HCフォコOFF+』は7.2mmの5枚合板。今時、珍しいタイプと言えるが、試打してみると、意外にもバランスの取れた性能だった。
最大の特徴は飛距離が出るという点だろう。ぶ厚いブレードが楽にボールを飛ばしてくれる感覚だ。厚いといっても、中芯に軽量の桐を使用しているため、ラケット重量は軽量。コニヨール発表の平均重量は85g だが、日本代理店であるジュウイックによれば、それより軽いものが多いとのこと。これなら重い高性能ラバーを貼っても、操作性は良好だろう。しかも、軽いわりには相手ボールに押されることも少ない。
どちらかと言えばスピードがウリのモデルだが、一方で回転もそれなりにかかり、フラット打ちだけのモデルというわけではない。カルデラノの快速両ハンドドライブを支えるギアだが、彼のような天才的ボールタッチやパワーがない中級者にとっても、威力と安定感のバランスにすぐれたモデルとして十分に使えるだろう。選手使用モデルとしては良心的な価格設定もうれしい。
異端の存在という第一印象を受けるかもしれない『HCフォコOFF+』だが、その実はバランスの取れた性能。カルデラノが愛用するのも頷(うなづ)ける1本だ。ちょっと個性的なギアを求める人には、手に取ってもらいたいラケットである。
上板は黒く着色されたファインライン材、中芯は厚い桐。軽量だが弾む合板構成だ
担当:王国編集部
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