●粒高ラバー
●厚さ:1.0・0.6mm・OX
『キラー』(KILLER=殺し屋)、『デスペラード』(DESPERADO=ならず者)、『モンスター』(MONSTER=化け物)、はたまた『ゴリラ』(GORILLA=いわゆるゴリラです)。ドイツ発の“クセ者ブランド”ドクトル・ノイバウア社は、その特性を象徴するようないかがわしいネーミングのラバーを、従来から数多くリリースしてきたが、最新粒高ラバー『バイパー』も負けていない。VIPERとは、マムシ、ハブなどのクサリヘビの意。ジャケットを手にする者を威嚇する毒蛇、その牙からしたたり落ちる唾液(あるいは猛毒?)には、何故かスリースター・ボールが……。
このジャケットのとおり、対戦相手に強烈な毒となるクセ者ラバーなのか。日本発売元ジュウイック社のキャッチコピーは「しなやかに、その毒で噛み殺す」。〈幻惑〉という猛毒を持つ、前陣向き粒高だという。
実際にラバーを見ると、粒が細長く、間隔は狭め。そして何より、粒のゴム質がかなり軟らかく、シート部分が非常に薄いのが特徴的だ。粒が倒れやすく、低弾性であることが予想されたが、試打してもまさにそのとおりだった。
粒がかなり倒れやすいラバーなので、粒高が弱点とする相手の軽打に対しても安定するのが強み。ブロックにせよ、プッシュや攻撃にせよ、繊細な力加減がなくとも相手コートに収まってくれる安心感がある。一方で、相手の強打に対しては、予想不可能な強烈な変化幅は、あまり期待できない。こう書くと、「変化の出ない安定系で、幻惑プレーはできないのでは」と思うかもしれないが、ボールを持ってくれるような安定性と低弾性を利用し、台に張り付くような超前陣でも、ピタリと止めたり逆に押したりの長短の変化を自在につけられる。またボールの引っかかりがあるため攻撃も安定するので、相手を台に寄せて叩くという、前後の幻惑プレーで威力を発揮するだろう。
プラスチックボールになって回転量が落ち、球質の変化だけで戦うのは難しくなっている。そんなプラボール時代の粒高プレーヤーに向けた、怖ろしくも魅惑的な一枚。この毒蛇を意のままに操れるかどうかは、あなた次第だ。
粒形状比率は約1.07で、他のDr.ノイバウアの粒高と比べても、やや細長いタイプ
担当:王国編集部
【2019年】
【2018年】
【2017年】
【2016年】
【2015年】
【2014年】
【2013年】
【2012年】
ラバー
ラケット
シューズ