5月号で好評の『試合を変える1分間のアドバイス』。後編として4月21日発売の6月号では、小・中・高校生の指導者を中心にジュニア世代への『1分間のアドバイス』を紹介。後編に登場する10人の指導者の「魔法の言葉」を抜粋し、紹介しよう。
松下雄二(城山ひのくにジュニア/男子HNT監督)
「声を出していこう。頑張ろう!」という言葉はあまりにも単純でベストな言葉がけではありませんが、小学生に対しては技術や戦術のことは言わずに、この言葉だけで十分な場合もあります」
中澤鋭(木下グループ)
「アドバイスが複雑だと選手が混乱してしまうので、ポイントは多くても3つくらい。1分間を全部使うのではなく、最後に自分の頭で吸収する時間があったほうが良い」
中国から日本に来日し、長くジュニアトップを指導する中澤鋭。昨季は木下アビエル神奈川の監督としてチームをファイナル優勝に導いた
佐藤利香(明徳義塾中・高監督)
「劣勢になればなるほど、ベンチコーチのアドバイスが重要になり、それを選手にしっかり実行させることは、さらに重要になってきます」
羽佳純子(羽佳卓球倶楽部監督)
「レベルが低いうちは具体的に戦術を伝え、レベルが上がるにつれて選手自身が考えて決定する割合を増やし、最終的には選手の考えを最優先させる」
丸川真一(T・Cマルカワ監督)
「初級の選手に『どうプレーする?』と聞いても、まだ『攻めていきます』くらいの回答しかできないので、『攻めたいなら、こんなサービスを出してみたら?』と提案して、やることをハッキリさせてあげます」
藤井寛子(YOYO TAKKYU)
「小学生や中学生はたくさんアドバイスをしても覚えられません。1分間のアドバイスでは、まずひと言目にそのゲームで良かった点を伝え、次に直したほうが良いことをひとつかふたつ伝えます」
日本代表として世界で戦った藤井寛子さん。現在はYOYO TAKKYUで子どもから大人までを丁寧に指導している
新井卓将(丸子橋卓球スタジオ)
「試合の前はもちろん、日頃から選手と十分な話し合いをしておくべきでしょう。『試合で何を言うか』以前に、日頃から選手とコーチが理解し合い、信頼関係を築いていることが前提だと思います」
藤江健(千葉県栄中卓球部顧問)
「小学生から始めている選手は多くの引き出しがありますが、中学スタートの選手が対抗して風呂敷を大きく広げようとしても無理があります。試合中のアドバイスも、ふだんのシンプルな『栄中の卓球』を徹底することに尽きるのです」
佐藤和恵(佐藤クラブ監督)
「人は誰もマイナス面を指摘されたらマイナス思考になるので、私はネガティブな言い方はしません。いかに選手を落ち着かせて、ふだんやっていることができるようにすることが、一番大切です」
小金丸英照(東京都双葉中学卓球部顧問)
「中学から卓球を始めた部員ばかりなので、(試合中のアドバイスでは)ふだん練習してきたこと以上を求めないよう、注意しています」
特集では、トップレベルのジュニア選手の指導者の言葉だけではなく、公立中学校卓球部で指導する顧問の先生の言葉も掲載。選手のレベルやキャリアに応じて、それぞれが伝える『1分間のアドバイス』。指導者はもちろん、選手にも読んでもらいたいページになっている。
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