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2026年4月1日から日本リーグの「ゴールド制」廃止が決定

日本リーグ(日本卓球リーグ実業団連盟)が、2009年から始めた特別ルールのひとつであるゴールド制を2026年4月1に廃止することを決定した。

ゴールド制(レンタル制)は、対象となる基準をクリアした日本人選手1名をレンタル選手として登録することができる制度で、日本リーグの前期・後期大会、JTTLファイナル4のみに出場することができるルールだ(1試合にシングルスまたはダブルスの1回に出場することができる)。

 

今回の廃止について、日本リーグの佐藤真二専務理事に話を聞いた。

「日本リーグのゴールド制は、2009年に独自の特例として導入しました。この制度の目的は『日本リーグの活性化と普及』、そして『観客動員』をもとに考えられました。

最初のゴールド選手は福原愛さんで、彼女はサンリツから日本リーグに参戦しました。福原さんの次に石川佳純さんが日立化成から参戦しましたが、ふたりが同時に日本リーグのチームに登録することはなく、最初に述べた目的のもと日本リーグの活性化や観客動員に貢献してくれました。

しかし、国内外のいろいろなリーグが増えた辺りから、日本リーグでもゴールド制の選手が増え始めて、当初の観客動員といった目的とは違う形での起用になりつつあるという認識がありました。2024年度の日本リーグのゴールド選手は、1部と2部チームを合わせて14名になっています。

また、選手によっては所属母体での大会出場に加えて、日本リーグ、Tリーグ、海外リーグ、国スポ(国民スポーツ大会)など、多数に登録して活動しているケースも多々あります。

コンプライアンスやガバナンスが重要視されている現代において、日本リーグは日卓協(日本卓球協会)のルールに準拠するよう正す必要があると考えて、リーグ内で議論を重ねてきました。そして、2024年度の最終理事会においてゴールド制の廃止が決まりました。日本リーグのゴールド制は2026年4月1日から廃止されることになります。

日本リーグは企業スポーツとして実業団チームを軸にしながら活動しています。日本のスポーツ界においては、強化と普及とともに『雇用』が非常に重要視されています。ゴールド選手がいることで、チームに正規に雇用されている選手が出場できないケースもあります。これは企業の雇用という観点からすると『ひとり雇用しなくてもいい』ということに繋がってしまう恐れも考えられます。

日本リーグはサスティナブルな組織であり、卓球と仕事の両立ができるステージであることを目指す指針を掲げています。

日本リーグの選手たちは、身近なヒーロー・ヒロインとして、社の誇りを胸に日本一を目指す。卓球ファンを広げる。そして、地域・社会に貢献するという理念のもと、今後も日本の卓球界の力になるように努めていきたいと思っています」(佐藤専務理事)

ゴールド制の廃止について説明する佐藤専務理事

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