WTT(ワールド・テーブル・テニス)とテレビ東京が、2025年から2028年までの4年間にわたる大型放送契約を締結した。これにより、WTTの全シリーズ大会を含む卓球の主要国際大会が、年間を通じてテレビ東京系列で放送されることが決まったことを、WTTがプレスリリースした。
この契約は、WTTにとっても最も包括的なメディア契約の一つと位置づけられており、日本の視聴者はグランドスマッシュ、チャンピオンズ、スターコンテンダー、コンテンダー、そしてファイナルズまで、全レベルの国際大会をリアルタイムで楽しめるようになる。さらに、ITTF世界選手権(団体)、シングルスワールドカップ、世界ユース選手権、混合チームワールドカップ(2023年導入)などの大会も対象となっており、その範囲はWTTにとどまらない。
WTTのアリ・タヴァライ放送ディレクターは、「日本は卓球界の強豪であり、ファンは世界でも随一の情熱と知識を持っている。今回の提携は単なる試合放送にとどまらず、物語を描き、選手とファンをつなぎ、WTTのあらゆる瞬間にアクセスを提供するものだ」と語る。
テレビ東京ホールディングスの石川一郎社長も、「WTTとのパートナーシップ継続を誇りに思う。グループを挙げて国内外のファンに卓球の魅力を伝えたい」とコメント。2028年のITTF世界選手権(団体戦)が福岡で開催されることにも触れ、「過去最高の大会となるよう、準備を進めていく」と意気込みを見せた。
今の日本卓球界は「黄金世代」と呼ばれる充実ぶりを見せており、張本智和・美和兄妹、伊藤美誠、早田ひな、大藤沙月、戸上隼輔といった世界トップ10~20に名を連ねる選手たちが活躍している。彼らの試合を年間を通して追える環境が整うことで、ファンにとっては見逃せない時代が到来したといえる。
日本におけるテレビ東京と卓球の関係は深い。2005年の世界選手権上海大会から地上波による放送が始まり、その後の卓球ブームとともにテレビ東京は競技の普及に貢献してきた。全国ネットでの放送体制を巡る議論もあったが、日本卓球協会はこの「井戸を掘った人」を忘れなかった。
WTTへの移行後、放映権料の高騰も伝えられる中、テレビ東京はBSやTVerも活用して日本選手の試合を幅広くカバー。2025年には、グランドスマッシュ4大会、チャンピオンズ6大会、ファイナルズ1大会に加え、スターコンテンダー6大会、コンテンダー8大会など、大会の定着も進んでいる。
今回の提携により、テレビ東京による卓球放送はさらに充実し、国内外のファンにとって見逃せない時代が続くことになりそうだ。
ツイート