やはり、実際に対戦した人でないとわからないことがあるものだ。
4月21日に発売された卓球王国6月号では、「サービスに目覚めよ!」と銘打ってサービスの特集記事3本をドーンと掲載。その中で、1990〜2000年代に活躍したサービスの名手たちを取り上げたのが『今甦る! 伝説のビッグサーバー列伝』だ。
監修は『神のサービス』ほか、「神シリーズ」でお馴染みの仲村錦治郎さん(VICTAS/92年五輪代表)。今回取り上げるのはヤン−オベ・ワルドナー(スウェーデン/92年五輪金メダリスト・世界選手権2回優勝)、ヴェルナー・シュラガー(オーストリア/03年世界選手権優勝)、そして馬琳(中国/08年五輪金メダリスト)。仲村さんはその3選手全員と対戦したことがあるのだという。ちなみにシュラガーには、優勝した03年世界選手権の直後に行われたオーストリアオープンで勝っているそうです。
「世界のビッグサーバーたちはサービスエースが多いんじゃないんです。サービスからの得点率が高いんですよ」と仲村さんは言う。3球目攻撃を仕掛けて確実に得点を重ねるため、彼らが巧みに使うのがナックルサービス。卓球界の「キング」と言われたワルドナーは、サービスの名手として有名だったが、仲村さんに言わせればワルドナーこそナックルサービスの達人だったという。
初めてワルドナーと対戦した92年バルセロナ五輪のダブルスで、レシーブをとんでもない方向にオーバーミスしてしまったという仲村さん。「ワルドナーは右横回転と同じラケット角度でナックルサービスを出すことで、相手に対して左横回転サービスと同じ効果を生み出していたんですよ」(仲村さん)。これだけ聞くと何のことだかよくわからないが、誌面を見ればそのメカニズムは一目瞭然。往年のワルドナーファンのみならず、中高生の読者にこそ読んでもらいたい内容だ。
ちなみに次回(7月号)の後編では、劉国梁(中国)、ガシアン(フランス)、丁松(中国)のサービスを紹介する。こちらも見逃せませんね。
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