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「されど五輪に向かう」。男子五輪代表3人は何を思う

 本日発売の卓球王国2021年7月号、巻頭の特集は『されど五輪に向かう』。開幕まで100日を切った東京五輪だが、一部の世論調査では開催に否定的な声が過半数を占めるなど、世間からの目線は厳しいままだ。それでも、4月からは五輪に向けて本格的なナショナルチーム合宿がスタートするなど、選手たちは来たるべき日に向けて歩を進めている。五輪開催に否定的な声があるのは承知の上で、東京五輪男子日本代表の3選手のインタビューを行った。

 

 合宿での手応え、リオ五輪からの5年間、1年の延期がもたらしたもの、五輪にかける思いは三者三様だ。日本卓球界最多タイとなる4度目の五輪に挑む水谷隼(木下グループ)は「練習をしっかりすること。今、自分にできることはそれしかない」と語り、昂るでもなく、焦燥するでもなく、泰然自若の姿勢で練習に向き合う。日本中に熱狂をもたらした水谷だが、そこからの5年間が決して楽な道のりではなかった。インタビューで語った「あの時の輝いている自分を、もう一度甦らせたい気持ちはあります」という言葉には、水谷隼の矜持が感じられた。

 水谷とともにリオ五輪でメダルを獲得した丹羽孝希(スヴェンソン)はモチベーションを保つ難しさを口にしながらも、五輪について語る口ぶりからは静かな闘志を感じさせた。団体戦では水谷とのサウスポーペアも予想されるが、それについても「自信はある」と語る。

 そして、水谷と丹羽の2人がともに「信頼している」と語った張本智和(木下グループ)。子どもの頃から憧れ続けた五輪の舞台に向かう道中の心境を「本当に卓球を楽しいと思えたのは1年くらいだった」と吐露した。ただ、18歳で迎える初めての五輪を語る言葉からは、どこか初々しい高揚感のようなものが漂う。この1年を経て「初心に戻れた」と、パンデミックに世界が揺れる中での心境の変化についても語ってくれた。

 

 誰も経験したことのない状況下なのだから、五輪の開催について賛否両論が巻き起こるのは当然だし、どんな決断にも完璧な正解はないだろう。未曾有の状況の中、はがゆさを感じながらも五輪に向かう3人が語った希望の言葉に、耳を傾けてみてほしい。

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