いよいよ大会も残すところあと2日となった『USスマッシュ』。男女シングルスの準々決勝が終了し、ベスト4が出そろったほか、混合ダブルスでは王者が決定した。
まず男子シングルスでは、日本男子で勝ち残っていた田中佑汰(金沢ポート)、張本智和(トヨタ自動車)が登場。田中は、現・世界ランキング1位の林詩棟(中国)にゲームカウント0-3で迎えた4ゲーム目を奪ったものの、流れを引き寄せられず1-4で敗戦。それでも、五輪メダリストを立て続けに破っての準々決勝進出と、大いに自信を深める大会となった。
ベスト8で大会を終えた田中。収穫の多い大会となったはずだ
一方、張本は林昀儒(チャイニーズタイペイ)に4-2で勝利し、日本男子唯一の4強入りを果たした。サイドを切るサービスで林昀儒のチキータレシーブを封じるなど、ゲーム序盤から戦術が冴えた張本。3ゲーム目には7-7の場面で林昀儒のサービスに対し、張本が今大会で積極的に活用されているビデオ判定「TTR(Table Tennis Review)」を要求。2点連続でトスの角度がルール範囲の30度を超え、リクエストが成功するなど、システムをうまく味方につけて戦った。
「心身ともにフルで使った試合かなと思います」と勝利後の張本。気迫を前面に出して戦った
ベンチに帰ると岸川監督と歓喜の抱擁
その他、男子シングルス準々決勝では、F.ルブラン(フランス)がバルデ(フランス)との同士討ちに4-0で勝利。世界王者の王楚欽(中国)はヨルジッチ(スロベニア)との激闘を制し、順当に準決勝に勝ち進んだ。
フィジカルの強さを感じさせるプレーで、ヨルジッチを苦しみながらも下した王楚欽
女子シングルスでは、日本女子で勝ち残っていた3選手が登場。早田ひな(日本生命)は、孫穎莎(中国)を破った陳熠(中国)にゲームカウント3-0リードから逆転負け。3-0とゲームをリードした4ゲーム目は7-3、9-7と勝利まであとわずかに迫ったが、勝ち切れず。悔しさが残る結果となった。
3-3の最終ゲームでは、5-10から9-10まで追い上げを見せたが、あと1点が届かず
今大会の台風の目となっている陳熠。早田を逆転で下す
一方、準々決勝で日本対決となった伊藤美誠(スターツ)と橋本帆乃香(デンソーポラリス)の対戦は、4-2で伊藤に軍配。相手に準備の間を与えず、得意の強打と鋭いツッツキで橋本のカットをテンポ良く攻略した伊藤があっという間に3-0とゲームをリード。橋本も攻撃を増やして2ゲーム奪取と食らいついたが、6ゲーム目は伊藤が接戦を制し、日本女子唯一の準決勝進出を決めた。
最後まで攻撃の手を緩めず、橋本との日本勢対決を制した伊藤
橋本は意地を見せて2ゲームを返したが、善戦及ばず
その他、蒯曼(中国)が陳幸同(中国)との同士討ちに4-0で完勝。元国家チームの後輩である王曼昱(中国)を退けた朱雨玲(マカオ)は、日本勢を連破して波に乗っていた申裕斌(韓国)を下し、準決勝に進出した。
また、混合ダブルスでは、林詩棟/蒯曼(中国)が決勝で林鐘勲/申裕斌(韓国)に1・2ゲームを劣勢から逆転し、3-0で勝利して優勝を果たした。
混合ダブルス優勝の林詩棟/蒯曼
なお、明日の対戦は下記のとおり(すべて日本時間)
〈男子シングルス〉●準決勝
10:00〜 F.ルブラン(フランス)vs. 王楚欽(中国)
10:45〜 林詩棟(中国)vs. 張本智和
〈女子シングルス〉●準決勝
6:00〜 伊藤美誠 vs. 朱雨玲(マカオ)
6:45〜 陳熠(中国)vs. 蒯曼(中国)
〈男子ダブルス〉●決勝
5:00〜 F.ルブラン/A.ルブラン(フランス) vs. 安宰賢/林鐘勳(韓国)
〈女子ダブルス〉●決勝
11:30〜 王芸迪/蒯曼(中国) vs. 孫穎莎/王曼昱(中国)
写真提供:WTT
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