7月26日、炎天下の代々木第二体育館でノジマTリーグ2025-2026シーズンの戦いの火蓋が切られた。昨シーズン、鮮やかな逆転でプレーオフを制したT.T彩たまと、前日本男子NT監督・田㔟邦史が新監督に就任し、韓国代表の安宰賢、趙勝敏らを獲得した新生・琉球アスティーダによる男子開幕戦は、琉球が3-1で勝利。新シーズンを好スタートで切った。
〈T.T彩たま 1-3 琉球アスティーダ〉
木造勇人/有延大夢 1-2 趙勝敏/大島祐哉○
○曽根翔 3-0 安宰賢
有延大夢 0-3 吉村真晴○
神巧也 1-3 趙勝敏○
1番のダブルスは、今シーズンからキャプテンを務める彩たまの木造勇人と昨シーズンMVPの有延大夢が先にゲームを奪うも、木下マイスター東京から移籍した大島祐哉と韓国からの助っ人・趙勝敏の琉球ペアが、2ゲーム目を一方的な展開で奪い返す。6-6から始まった最終ゲームは、レシーブから積極的に攻めた琉球ペアが11-9で振り切り、琉球に先制点をもたらした。
チームに先制点をもたらした趙勝敏(手前)/大島
有延とのペアで昨シーズン勝利を量産した小林が抜け、新たなペアリングとなった木造/有延。「もう少しうまくコミュニケーション取れていればより良かったのかな」と試合後の木造。今後どんな活躍が見られるか、今から楽しみだ
琉球が流れをつかんだかと思われたが、続く2番では、どこからでも打ち込める鋭いチキータに加え、前陣での器用なカウンターと重量級の両ハンドドライブを絶え間なく放ち、相手に反撃の隙を与えなかった彩たまの曽根翔が、元世界卓球3位の実力者・安宰賢をシャットアウト。彩たまが1点を奪い返し、1-1のタイに持ち込んだ。
一矢報いた曽根。バックハンドが炸裂した
曽根の猛攻を浴び、苦笑いの安宰賢
3番は、昨季プレーオフファイナルでも対戦した「ミスター琉球」こと吉村真晴と有延大夢が激突。当時は有延が勝利したが、今回は「動きは良かったし、久しぶりにすべての試合をコントロールできていた」と話す吉村が、多彩なサービスからの3球目攻撃でプレッシャーをかけてリベンジ。琉球にリードをもたらした。
「イケイケな卓球」で有延を下した吉村。気迫あふれる戦いぶりで、“マハルファン”の心を射抜いた
4番は1番でも勝利を収めた趙勝敏とファイター・神巧也が対戦。1-1で迎えた3ゲーム目、中盤で一気にリードを広げた趙勝敏がそのゲームを奪う。4ゲーム目では2-4、3-5、4-6と神がリードする展開だったが、「スコアは全く気にせず、試合だけに集中していた」と語る趙勝敏が最後まで集中力を切らさずに11-8の逆転勝利。単複2勝の大活躍で、開幕戦勝利の立役者となった。
開幕戦で獅子奮迅の活躍を見せた趙勝敏。好きな食べ物は「(大盛りの)まぜそば」だそう
開幕戦を勝利で飾った琉球アスティーダ
今回が初采配となった琉球・田㔟監督は、勝利後の会見で「ファイナルで負けたダブルスと真晴が今日は勝利を収めて、チームも勝った。リベンジという意味でも良いスタートを切れたんじゃないかと思う。開幕戦で勝利できてホッとしている」とコメント。また、昨シーズンチームのエースとして活躍した張本智和の移籍については、「智和がいる、いないに関わらず、Tリーグ全体を見れば、今シーズンは選手がうまく各チームにバラけた印象。やってみないと分からないが、非常にレベルの高い試合が続くと思う。12人登録した選手を成長・育成しながら、ベストな試合をしていきたい」と語った。
さらに、「長いシーズンを戦ううえで大切なこと」について、「選手のモチベーションとコンディション」と即答。「シーズンは長く、国際大会や国内大会もある。そうした中で選手たちは技術面だけでなく、メンタル面でも疲労がたまってくる。そういった状況でも戦い続けるには、やはりモチベーションとコンディションが重要だと考えている」と話した。
監督に就任して最初の試合で勝利を飾った田㔟邦史新監督
昨シーズンから大きな戦力補強がなかったT.T彩たまだが、熱く頼もしいサポーターの大声援を背に、堂々たる戦いぶりを見せた。惜しくも勝利はならなかったが、昨季王者の水野裕哉監督は「悔いはないと言ってはあれですが、本当に琉球さんが強かった」とコメント。「昨シーズンは『勢い』が大きかったなと思っている。今年もその勢いをつけられるよう、来週からのホームマッチに向けてチーム一丸となって頑張っていきたい」と意気込んだ。
彩たま・水野監督(右)
なお、明日7月27日14時より、日本ペイントマレッツと日本生命レッドエルフによる女子開幕戦が行われる(場所は同じ代々木第二体育館)。
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