クラシックオーケストラを従え、ステージ中央に配置された卓球台でラリーが繰り広げられる……。何とも斬新なコンサートが、12月に東京で開催された。
12月23日、東京・すみだトリフォニーホールで開催された『ピンポン・コンチェルト・コンサート』。この公演は、若手実力派音楽家によるプロオーケストラ「タクティカートオーケストラ」と、Tリーグ「琉球アスティーダ」がタッグを組み、一夜限りのオーケストラと卓球のコラボを実現した。コンサートでは、ピンポン協奏曲、モーツァルトのピアノ協奏曲、そして年末恒例のベートーヴェンの『第九』第4楽章が演奏された。
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【ピンポン・コンチェルト・コンサート 全編大公開】あけましておめでとうピンポン
(タクティカートオーケストラ公式Youtubeチャンネル)
コンサートの目玉は、やはり「卓球」×「オーケストラ」という異色のコラボで演奏されるピンポン協奏曲『Ricochet』。アンディ・アキホ氏(2022・23年グラミー賞現代クラシック作曲部門2年連続ノミネートの作曲家)によるこの楽曲は、卓球、ヴァイオリン、パーカッション、そしてオーケストラのための協奏曲(コンチェルト)であり、卓球のラリーのリズムや軽やかな音色がオーケストラと融合して音楽を生み出していく。初演は2015年に中国・上海で行われ、日本では、プロオーケストラによる演奏としては初の公式演奏となった。
ステージ上にはクラシックのコンサートでは見かけることのない卓球台が中央に設置され、2人の卓球ソリストがオーケストラ、ヴァイオリン、パーカッションと共演。卓球ソリストたちはラケットをタンバリンなどさまざまな楽器に持ち替えてラリーをしたり、スマッシュ連打でコンサートバスドラム(大太鼓)をリズム良く打ち鳴らしたり、ステージ上から観客席にボールを打ち込んだり、卓球台上に大量の卓球ボールがばらまかれる!! など、通常のクラシックコンサートでは見られない斬新でエンターテインメント性の高い演出で、見て聴いて楽しめる内容で会場は大いに盛り上がった。
卓球ソリストとして参加したのは、琉球アスティーダの上江洲光志選手とインフルエンサーの卓球りんちゃんの2名。「ラケットよりも重い楽器で沢山ボール打ったり演奏に合わせてラリーをしたりする部分が難しく、自宅に戻ってからも練習をしていました。今までオーケストラの演奏者とお仕事することはなかったので、毎日が新鮮でした!」(上江洲選手)
年末年始にはさまざまな音楽イベントが開催されているが、その中でも『ピンポン・コンチェルト・コンサート』は観客に新しい体験と大きなインパクトを与えたコンサートになった。
『ピンポン・コンチェルト・コンサート』
2024年12月23日公演
指揮:岡本陸
管弦楽:タクティカートオーケストラ
●ピンポン協奏曲『Ricochet』
作曲:アンディ・アキホ
卓球ソリスト: 上江洲光志(琉球アスティーダ)、卓球りんちゃん(インフルエンサー)
楽器ソリスト: 打楽器・関 聡、ヴァイオリン・高松亜衣
●W.A.モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 より 第1楽章
●L.V.ベートーヴェン :交響曲第9番『合唱付き』より 第4楽章
■タクティカートオーケストラ(外部サイトに移動します)
写真提供:株式会社タクティカート
カメラマン:©︎Kenji Agata
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