別冊『卓球グッズ2023』では、世界最大のラバーサプライヤーであるドイツ「ESN」社を初めて大々的に取り上げ、日本の「バタフライ」との対決の構図を紹介した。それに加えて、2023年8月号でもESN社を大きく取り上げたが、ここでも同社がバタフライを良きライバルととらえて発展してきたことが紹介されている。
実際に、近年のトップ選手の使用ラバーを見ると、バタフライの『ディグニクス』と『テナジー』、そしてドイツ製ハイエンド裏ソフトラバーの使用率が圧倒的だ。そこに、主に中国選手が使用する、中国製粘着性裏ソフト『キョウヒョウ』が加わる。
一方、一般愛好家を見ると、様々なラバーを使用しているが、中級以上の層ではトップ選手が使用する前述のラバーを選ぶ人も少なくない。トップ選手の仕様用具は、常に一般層のラバー選びにも影響を与えることは、今に始まったことではない。
そういった中で、最新号9月号のグッズ特集では「日本製」という括りでラバーを見直してみることにした。日本製と一口に言っても、『ディグニクス』『テナジー』というバタフライの二大巨頭が別格の存在であることは、誰もが認めることだろう。今回は、それ以外の他社の日本製ラバーにもスポットを当てることにした。
日独中のラバーの違い、日本製ラバーが世界のラバー界をリードし続けた歴史、日本製ラバーの発展、そして表ソフト・粒高・ラージ用ラバーにおける日本製の強さと、様々な側面でMade in Japanラバーを探ってみた。
特に、4つの日本製テンション『VJ>07 Stiff』『ロゼナ』『マントラ プロ XH』『ハモンドZ2』については、卓球王国編集部員3名が改めて試打。それぞれの違いについては本誌を見ていただきたいが、いずれも中級者である編集部員にとっては十分な性能を持つラバーだった。オモテ系ラバー(表ソフト・粒高・ラージ用)についても、川口陽陽、小島渡、池田亘通という、それぞれのスペシャリストに「日本製」について語ってもらっている。
中上級層のラバーの選択がバタフライorドイツに限られがちな昨今。この特集を読めば、(バタフライのハイエンド以外の)「日本製ラバー」の良さを再認識できるのではないだろうか。
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