これまでも『卓球王国』本誌や別冊『卓球グッズ』で度々行ってきたラバー試打企画。卓球王国2023年1月号のグッズ特集は、8ブランドの「フラグシップラバー」、つまりそのメーカーを代表する高性能裏ソフト計8点にしぼった試打企画だが、今回は選手ごとに個別に評価するのではなく「座談会形式」を採用。これにより、単に「弾む」「引っかかりが良い」などの性能評価にとどまらず、話が膨らむことを期待した。そして実際に、座談会は期待以上の盛り上がりを見せ、非常に興味深く充実したトークとなった。
協力いただいたのは、上級者枠の実業団選手4名、そして中級者枠の大学生3名。実業団選手は、今年度の全日本実業団選手権で入賞したTOKYO GASとNTT東日本東京から2名ずつ。関東学生1部校などで活躍したバリバリの上級者だが、日本代表クラス選手のように、ずっとメーカーから用具支給を受けてきたわけではない。それぞれが手探りで自分に合うラバーを選んできた選手たちだ。
今回の座談会がおもしろかったのは、選手ごとに好むラバーがかなり分かれたこと。たとえばひとつのラバーについての性能やタイプ分類については、選手ごとに共通見解が得られるケースも多かったのだが、「それでは自分がそれを好むか」「自分が実際に使うか」という視点では、かなり意見が割れたのだ。また単純に性能評価について見解が分かれたケースもある。
上級者も中級者も、「高性能だから良い、低性能から悪い」といった単純な図式だけは語れない、多様な評価が飛び交った。その中で、個々のラバーの位置づけや、上級者の傾向、中級者の傾向などが現れた。
今回の企画はラバー8点、試打者7名。サンプル数が多くないため、これだけで「高性能ラバーの傾向が判明した」とまでは言えないが、ラバーに対する多様な観点で語られたトークは参考になる点が多く、また非常におもしろく読めるだろう。ぜひご覧いただいたうえで、ラバー選びの参考にしてほしい。
●試打ラバー
V>22ダブルエキストラ(VICTAS)、ディグニクス05(バタフライ)、ハモンドZ2(ニッタク)、ラクザX(ヤサカ)、DNAプラチナXH(スティガ)、ブルーストームPRO(ドニック)、ハイブリッドMK(ティバー)、ジキル&ハイドZ52.5(XIOM)
●試打協力者
南波裕輝(TOKYO GAS)、川路斗真(TOKYO GAS)、佐藤陽大(NTT東日本東京)、大槻周瑛(NTT東日本東京)
熊本英也(帝京大)、尾崎響生(帝京大)、片山湧斗(東京大)
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