卓球のTリーグでは、5月1日に「京都カグヤライズ」の池袋晴彦代表が緊急会見を開き、「資金不足に陥り、次のシーズンのためのスポンサーを探している」と窮状を訴えた。本日、Tリーグの臨時理事会が開催され、5月末までに5千万円という目標金額をクリアし、女子の京都カグヤライズの来季(2023〜24)の参戦継続が決定した。
坂井一也理事長のコメント。
「資金が用意できたのが確認できたので、来シーズンの参戦を認可した。協賛企業との契約書をすべて確認し、5月末までに5000万円という目標金額を越えた。これで来季を男女とも6チームで迎えるので、卓球界を盛り上げていきたい。京都は自力で集めた。Tリーグは融資はしていない。リーグとして新規参入に関して、厳しい審査が必要だったと反省している。リーグは、京都に関してはこれからもきっちりと監督していくし、京都が継続してやっていけると信じている」(坂井)。
京都カグヤライズの池袋晴彦代表は5月1日の会見では「昨シーズンでは運営費は8千万円ほどかかり、今度のシーズン(2023〜24年)は切り詰めて、5、6千万円で運営できると考えている。しかし、現状はまだその半分くらいしか目処が立っていない。もし今のままで始めると、12月には資金が枯渇する」と訴えていたが、この日の会見ではこう説明した。
「昨日に最終報告の提出と報告をさせていただいた。20件ほどのスポンサーと個人を合わせて、年間5千万くらいかかる予算をクリアすることができた。引き続き、協賛はまとめていこうと思っている。待っていた選手たちに良い報告ができたと思っています。4、5月と企業をしっかりと回れたし、いろいろな方が動いてくれた成果だと思うので、こういったことを継続してやっていきたい。
(5月1日の困窮を訴える会見は)ネガティブなこと、ポジティブなこと、両方あった。協賛をすでに決めていた企業さまからは、あれは良くなかったとも言われた。ただ京都新聞やテレビでも紹介されたことで、応援していただいた企業さまもあるので、そういった協賛企業のみなさんに恩返しをしたい。
今回は大口が1社、中くらいの協賛が4社、そしてエンジェル(個人投資家)が1名です。もちろんチームは長く続けていきたいし、協賛企業ともつながりを深めて、強いチームを作っていきたい」(池袋)。
当初から、京都の準備不足と経営を不安視する向きもあり、ひいては経営基盤の弱い京都を認めたTリーグの参入への審査の甘さを指摘する関係者は少なくなかった。もし京都が撤退となると新規参入するチームの出鼻をくじくことになる。ぎりぎりで踏みとどまったが、今後も楽観視はできないだろう。
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