全日本選手権での優勝を果たした早田ひな(日本生命)は、中学時代から注目を集めてきた。彼女は、同期の平野美宇(木下グループ)や伊藤美誠(スターツ)がマスコミの視線を浴びる中、着実に力をつけていった。指導を務める石田卓球クラブ(北九州)、石田大輔コーチの目指す「中国を倒せるパワー卓球」は早田の成長を支えている。
早田は全日本選手権を振り返り、「どんな形でも勝てばいいんじゃないかという感じでした」と述べ、準々決勝以降は試合感覚を取り戻していったと語る。パリオリンピック前の自身の状態に目を向け、決勝戦に向けては「戦術などをまとめれば優勝はあるんじゃないかと思えた」と感じていた。大会では途中棄権もあり得ると感じるほど、オリンピックで傷めた左腕は回復していなかった。
また、二試合を戦った最終日には、腕の痛みがあったものの、試合後には意外と大丈夫だったとのこと。決勝を4-0で勝利したことについて「気持ちとしても全然違うし、相手も力をつけている選手だったので、まさか4-0で勝てるなんて思ってもいませんでした」と振り返った。卓球における「強さ」ではなく「うまさ」を重視した早田は、頭が冴えわたっていたと感じていた。
左腕は万全ではないものの、早田はその卓越した戦術と技術で全日本選手権を制したが、涙は流さなかった。それは、彼女の目指す先が日本ではなく世界にあるからである。
明日発売の卓球王国4月号には全日本選手権優勝後の独占インタビューが掲載される予定だ。
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