昨日に続き、代々木第二体育館で行われたノジマTリーグ2025-2026シーズンの女子開幕戦は、昨季21勝4敗という圧倒的な戦績でレギュラーシーズン1位に輝いた日本ペイントマレッツと、過去5度の優勝を誇る日本生命レッドエルフの対戦となった。ニッペMは大藤沙月、横井咲桜、佐藤瞳、日本生命は早田ひなと、両チームとも主力を欠いて臨んだ中、接戦の末に日本生命が開幕戦勝利を飾った。
プロレスリングZERO1の皆さんが選手入場をエスコート
プロレスZERO1・ハヤブサ選手と日本生命の麻生選手による始球式。ハヤブサ選手のボールが決まった瞬間、会場は拍手喝采
〈日本ペイントマレッツ 1-3 日本生命レッドエルフ〉
青木咲智/髙森愛央 1-2 上澤杏音/笹尾明日香
村松心菜 1-3 范思琦
芝田沙季 3-2 面手凛
青木咲智 2-3 赤江夏星
まず、1番ダブルスは、日本生命ペア・笹尾明日香/上澤杏音が1ゲーム目を接戦の末に先取。2ゲーム目は、ニッペMの高校生ペア・青木咲智/髙森愛央に6-9とリードを奪われたが、逆転して10-9でマッチポイントを握った。しかし、上澤が痛恨のサービスミス。ニッペMペアが次のラリーを制して1-1に。6-6から始まった最終ゲームは、ニッペMペアが壮絶なラリーを制して最初の1点を奪ったが、「冷静でいられた」(笹尾)と語る日本生命ペアが5点連取で一気に勝負を決めた。
チームに先制点をもたらした笹尾(右)/上澤のダブルス。笹尾が上澤をうまくリードした
敗れはしたものの、ラリーで強さを見せた青木(左)/髙森
続く2番は、Tリーグ初出場となったニッペMの13歳・村松心菜と、元中国代表の范思琦が対戦。デビュー戦とは思えない思い切りの良いプレーを見せた村松が、11-3で1ゲームを先取。しかし2ゲーム目は、范思琦がラリーで粘り11-9で奪い返す。3ゲーム目では、9-6のリードから9-9に追いつかれたが、サービスと3球目攻撃で逃げ切った范思琦がゲームを連取すると、4ゲーム目も一進一退の攻防が続いたが、「加油(ジャーヨ!)」の大声援を力に変え、勝負どころで確実に得点した范思琦が3-1で勝利した。
「回転がすごくかかっていて、伸びてきた」(村松)という范思琦の精度の高い両ハンド
ポテンシャルの高さを発揮した村松。「横井選手、大藤選手のような人間性も素晴らしく、海外でも活躍できる選手になりたい」と試合後の会見で語った
日本生命が勝利まであと1点に迫る中、迎えた3番では、ニッペMの芝田沙季が最年長としての意地を見せる。1ゲーム目を7-9から逆転で奪うと、2ゲーム目もラリー戦で圧巻の強さを見せ、中盤で一気に突き放して連取。面手凛も緩急をつけながら、サイドへ鋭いボールを突き、3・4ゲーム目を奪い返す。6-6からの最終ゲームは一進一退の展開。面手が10-9で先にマッチポイントを握ったが、ラリーで崩れなかった芝田がわずかに上回り、12-10で勝利。ニッペMに今季初の1点をもたらした。
2-0リードから2-2、最終ゲームはマッチポイントを握られたが、逆転で勝利を収めた芝田
新天地での初勝利はお預けとなったが、堂々たる戦いぶりを見せた面手。今後に期待したい
インターハイシングルスのタイトルホルダー同士の対戦となった4番では、レシーブチキータで先手を取り、スピード感ある両ハンドドライブが炸裂した赤江が2ゲームを先取。3ゲーム目は一進一退の展開となり、10-9で赤江がマッチポイントを握るも逆転で落とす。続く4ゲーム目も接戦となり、赤江が10-9で再びマッチポイント。しかしここでも決めきれず、勝負は最終ゲームへ。
最終ゲーム、先に仕掛けたのは青木。力強いフォアハンドで赤江のフォアサイドを鋭く突き、9-7とリード。しかし、「負けていたけど、頭はすごく働いていた」と語った赤江が4点連取で逆転勝利。日本生命に今季初勝利をもたらした。
「諦めそうになったんですけど、チームを背負っているという自覚を持って、最後は戦えたかなと思う。青木選手も自分らしいプレーをしてきたところで、自分も自分らしいプレーに戻せたのは、すごくよかったかなと思う」(赤江)
決勝点を挙げた赤江。2度のマッチポイントを決めきれず、最後も7-9ビハインドと心が折れそうになる場面が多くあったが、最後は「自分らしいプレー」で勝利を手繰り寄せた
両ハンドの威力は素晴らしいものがあった青木。敗れはしたが、次に繋がる戦いを見せた
日本生命の闘将・村上恭和監督は「25試合のうち最初のスタート、勝てて本当に良かったと思う。今日はみんなが自分のプレーをできていた。面手も負けたけど、良いプレーだった」と選手たちの健闘を称えた。
日本生命レッドエルフの村上監督
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