9月30日、日本生命保険相互会社はTリーグの公式ホームページにプレスリリースを掲載。パリオリンピック女子団体銀メダリスト、シングルス銅メダリストの早田ひなの専属コーチであった石田大輔コーチが、9月末をもって専属コーチを退任することを発表した。
石田コーチは、4歳から早田を指導した福岡・石田卓球クラブ(現:石田卓球N+)の石田眞行代表・千栄子コーチの三男。トップ選手として活躍した後、2015年から早田を専属コーチとして指導。早田が日本生命の所属選手となってからは、コーチ・トレーナー・練習パートナーなどのスタッフが一体となった「チームひな」の中心として早田を支え、トップ選手へと導いた。
パリオリンピック・卓球競技では、左腕を傷めながらもシングルスで奇跡的な銅メダル獲得を果たした早田をベンチで支えた石田コーチ。パリオリンピックで2枚のメダルを獲得し、「オリンピックでメダル獲得」という大きな目標を達成したことで、およそ10年にわたって務めた専属コーチから身を引くことになった。石田コーチと早田のコメントは下記のとおり。
●石田大輔コーチ・コメント
早田ひなという素晴らしい才能を持った選手のコーチになって10年間。
私の父と母が4歳の時から10年間大切に育ててきた選手のコーチを引き継ぐこと、ボールセンス、身体能力、そしてもっとも重要な努力する才能を持った選手であるということで責任を感じていましたが、毎日が楽しく刺激的であっという間の素晴らしい旅路だったように思います。その間、多くの方々に早田と、私までもあたたかいご声援を頂きまして本当にありがとうございました。
お陰様でタッグを組んで10年目、私達の集大成として覚悟を持って臨んだオリンピックという夢の舞台で2つのメダルを獲得する事ができました。金には届きませんでしたが、ひなの如何なる時もコツコツと積み上げていく努力に私からは金メダルを贈りたいと思います。
オリンピック前に「この10年間言ってもらってきたこと全てを頭に叩き込んでパリに行くので、逆に今まで私に言うかどうか迷ったりしていた言葉や場面があったとしてもオリンピックでは思い浮かんだこと全部を遠慮なく私に言ってください」とひなが言ってきました。それを聞いた時には本当に頼もしく感じましたし、最後のベンチコーチで絶対にひなを最高のメダルにまで引き上げる言葉をかけられるように自分自身の感覚も最大限まで引き出せるようにしようと思いました。
実際にはアクシデントもあり初めてのことだらけの流れにはなってしまったオリンピックではありましたが1秒でも1gでも1cmでも無駄にしてはならないと私自身も最大の全力全開で望みました。そして掴んだメダル、首からかけてもらった時にはこんな素晴らしい時間を過ごさせてもらったひなに感謝の気持ちでいっぱいになりました。
これからはこれよりもひな自身の感覚をより研ぎ澄ませて行きながら、究極体まで突き進んでもらいたいなと思います。皆様にはこれからも変わらぬご声援をよろしくお願い致します。私自身はこれからは皆さんと一緒に「早田ひな」というアスリートの快進撃を人生の楽しみのひとつとしていきたいと思います。
10年間本当にありがとうございました。
●早田ひな・コメント
皆様、いつも温かい応援をいただきありがとうございます。
パリオリピックを終えて一番感謝しているのは、これまで10年間一番近くで私を支えてくださった石田大輔コーチです。本当に10年間という長い間、私の小さい頃からの夢でもあったオリンピック出場、そしてメダル獲得までの長い道のりを全力でサポートしていただき有難うございました。
今でこそトップ選手の1人として世界で戦えるようになりましたが、専属コーチを引き受けていただいた当初は中学生でワールドツアーに出始めたばかり、世界ランキングもまだ99位でした。そこからオリンピックに出場しメダルを獲れる選手になる為に技術面だけではなく食事や生活面に関しても本当に多くの指導をしていただきここまで成長させていただきました。
今回のパリオリンピックに関しても石田コーチが居なければあの時あの場面を乗り越える事が出来なかったと思います。「10年間の恩返しをこのオリンピックの舞台で出来なくてどうするんだ」という気持ちが最後まで諦めず戦いきるパワーに繋がったと思い、あの時のベンチでの笑顔や涙はきっと私たち2人にしか分からない特別な感情で特別な時間だったと思います。
最後になりますが大輔先生、10年間本当に有難うございました。ここからの競技人生も大輔先生に教わったどんな時も楽しみながら前を向いて頑張るという事を忘れずに新しい目標に向かって挑戦を続けていきたいと思います。必ず復活しますので見守っていてください!
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